「通信制大学(学部・学科)」については国がその学資いっさいを肩代わりし、全面無料化せよ。これで選挙に勝てるだろう。

 Mary Hui 記者による2021-7-12記事「A new US-Europe rare earths supply chain is using a “very Chinese model” to counter China」。
    先週、米国からレアアースの炭酸塩を混合したコンテナがエストニアに送り届けられた。エストニアで精製する。これは中共が希少かつ不可欠な地下資源を武器にしようとする試みを米欧共同で粉砕する企画の一歩である。

 企画は3月に発表されていた。
 北米の2社が協力する。

 NYに本社がある「エナジー・フュールズ」社は米国の大手ウラン採掘企業だ。まず同社でモナザイトの砂を精製し、複数の炭酸塩(カーボネイツ)を得る。それをエストニアへ輸送。エストニアには、カナダに本社がある「ネオ・パフォーマンス・マテリアル」社が工場を持っている。そこにて、複数種が混合しているカーボネイツを1種ずつに分別する。

 ハイテク機器に不可欠な強力磁石の素材などが、そこから得られるのだ。

 チタニウムやジルコニウムを採掘・精製する過程で、一緒に掘り出されたモナザイトが選り分けられる。
 モナザイトの中にはウラニウムが含まれる。また、複数のレアアースも含まれている。

 レアアースは17種類である。
 電動自動車のモーターや、風力発電タービンに必要な強力磁石の素材が、そこから得られる。

 レアアースを掘り出して精製するプラントは、初期投資がえらくかかる。よってこれは平時から国策的に建設を進めさせる必要がある。さもないと地球は中共に支配されてしまう。

 そもそも、まずレアアースが出そうな土地を探査・試掘する段階からして、数百万ドルが必要なのだ。

 そして鉱業の宿命として、資源の市価の少しの変動によっても、採掘コストが採算割れしてしまうことになりがちだ。そうなったら、鉱業会社は投資を回収できず、倒産するしかない。

 狙った主鉱産物といっしょに掘り出されるレアな副産物を戦略的に商品化することで、中共は地球支配作戦を着々と前進させてきた。
 米国は、ようやく、それを真似しなければならないと気づいた。

 副出土物で稼ぐ、というビジネスモデルを開発することによって、鉱業資本は安定する。もっと早くここに気づくべきであった。われわれは。

 たとえば鉄鉱石。西側では、鉄鉱石から鉄だけえりわけて、あとは捨てていたのである。シナ資本はそうではない。鉄鉱石の原料土の中から、他にも売れる素材は抽出できる。複数の鉄山が、副出土のレアアースに焦点を当てて協同すれば、それは本業の採算性も良くしてくれるのだ。

 これは中共では2015年から意識的に計画され推進されている統制戦略なのだ。2015に中共内のレアアース産業界が再編され、統合された。

 ※中共漁船および海外進出組の中共漁業資本は、アフリカ沿岸では、高値で売れない混獲魚種の死骸をおびただしく海洋にそのまま捨てている。レアアースとは逆の略奪モデルを完成しているわけである。

 エナジーフュール社は、モザナイトを、米国のケミカル企業「Chemours 社」〔発音はケムールかシェムールか? どっちなのか気になる〕から買っている。ケモーズ社はチタンの原料を掘る会社で、チタンにならない土として分けられた中に、大量のモザナイトが含まれているわけだ。

 次。
 Brett Tingley 記者による2021-7-13記事「First Improved W88 Nuclear Warhead For Navy’s Trident Missiles Rolls Off The Assembly Line」。
    W88弾頭の最新バージョン「Alt 370」が、やっと完成した。11年もかかったのである。エネルギー省が発表。

 W88は、「トライデントD5」SLBMのRVに挿入するものである。

 「Alt 370」の製品第一号は2021-7-1にテキサスの工場で完成した。

 「Alt 370」のプロトタイプは2014年から試験が続いていた。その最後の四回目のテストは、2015-11に実施されている。トライデント2ミサイルに、核物質なしのモノを搭載して、ハワイ沖の『USS ケンタッキー』から実射。機能がすべて狙った通りで問題ないことを確かめている。

 1本の「トライデント2」にはRVを14個装置できる。しかし今げんざいはSLBM1本につきMIRVは5発か6発に自制している。これはロシアとの間で「New START」が合意されて以後の措置だ。ちなみに「New START」をバイデン政権は延長した。

 ※米空軍のICBMの方は、すべて単弾頭に自制しているところである。

 ※仮に中共がゴビ砂漠にICBMサイロを119基配置したとしても、オハイオ級の1艦が24基搭載する「トライデント2」に5個づつのRVが載っているだけでも総計120発であるから、なんと、SSBN×1隻で先制覆滅することが可能なのである。GPS以前とは話が違い、今日では米軍のSLBMのMIRVの精度はICBM(のMIRV)に遜色がない。ちなみにRV1個のイールドは100キロトンほどだ。

 なおトライデントSLBMには、出力を5キロトンまで抑制できる特殊な「W76-2」弾頭も搭載できる。これは対イランや対北鮮を考えた「外科手術作戦」用だ。

 ※開発途中で市販のコンデンサーを使っていた。これが最終段階で問題視された。全面核戦争中に放射線を浴びたら機能がおかしくなるからだ。その小さなコンデンサーを特注品と取り替えるために、完成がまた遅延した。このように、ひとつの核弾頭を信頼できる水準にまで完成させるためには、おびただしい実験と批判的改修が必要である。その過程をバイパスして「核ミサイルを持った」とフカしている国の拡声器役を買って出ているという点で、日本のネットジャーナリズムは大新聞・地上波TVキー局と、少しも異ならない。