韓国軍に徴兵されている選手が、オリンピックの銅メダルを逃して4位になると、どうなるか。

 David Choi and Yoo Kyong Chang 記者による2021-8-12記事「No Olympic golden ticket to exit military for South Korean high jumper」。
    25歳の徴兵、ウ・サンヒョク一等兵は、韓国陸軍アスレチック部隊に所属し、先の東京五輪ハイジャンプで4位に入賞した。記録は2.35m。これで1997年の韓国国内記録が更新された。

 ちなみに金メダルの2人は2.37mを飛んでいる。また1996につくられている五輪記録は2.39mである。

 韓国では健康に問題無い全男子に18ヶ月間の入営義務がある。しかしアジア大会で金メダルを取るか、オリンピックで銅メダル以上を1個でも取れば、徴兵は免除されることになっている。

 たとえば、英国サッカーチームのトテナムホットスパーに所属しているソン・フンミンは2018のサッカー・アジア大会で韓国チームに金メダルをもたらしたので、海兵隊に3週間入営しただけで、徴兵を免除されている。

 今回の走り高跳び選手については、韓国国防省は、10日間の休暇を与えて報いるつもりだという。

 彼の他に4人の、げんざい韓国軍に服務中のアスリートに対して、五輪参加を慰労する下賜休暇が与えられるだろうという。ちなみに、普通の兵隊は1年に平均24日間の休暇が与えられている。

 ウ選手は、今年、五輪前のオフシーズン練習を米国で重ねていた。また新コロ予防注射はサンディエゴで済ませていた。
 韓国軍のアスレチック部隊に入営したのは今年の3月であった。この部隊は軍の仕事は何もしない。

 米陸軍には「ワールド・クラス・アスリート・プログラム」というのがあって、似たような機能を果たしている。今次東京大会には19人の、現役米軍人がアメリカ代表の選手として参加している。ただし、今の米軍はすべて志願制であって、徴兵はひとりもいない。

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 Bruce Yandle 記者による2021-8-11記事「President Biden’s Electric Car Future Is Union Made」。
    バイデン政権がこのたび打ち出した「2030年には、米国内で製造する自動車の半分は電気とする」という路線は、全米の消費者が負担し、自動車産業労組に対して助成金を支払うのにも等しい仕組みである。

 現状、電動車のシェアは2%しかない。

 ちなみに国内ビッグ3は、フォード、GM、ステランティス(=以前の「フィアット-クライスラー」)。全米自動車労組の牙城である。
 環境主義者と州知事たちが、この計画の政府発表に、ビッグ3幹部たちとともに立ち会った。

 かたや、全米自動車労組の牙城ではない他の多数の自動車メーカーはこの発表には立ち合わなかった。
 電気自動車の先駆企業であるテスラ社からも立会いがなかった。流れを作ったパイオニア功労者のイーロン・マスク氏は純然アメリカ実業家ではないか。
 ヒュンダイ、ニッサン、トヨタの幹部の顔も無かった。それぞれ、バイデン政権の目標を応援したいと声明をしているのに、この場には呼ばれなかったのである。

 要するにバイデン・プランは、全米自動車労組UAWのための政治だ。

 UAW牙城メーカー製の電動新車の購入に対し、政府は1万2500ドルを補助する。UAW牙城ではないメーカーの電動新車に対しては、1万ドルを補助する。そんなことになりそうだ。

 UAWの状態は今、ピンチである。
 1970年代にはメンバーは150万人もいた。今は25万人に減ってしまっている。
 さらに電動車化がすすめば、工場には熟練工がほとんど必要ではなくなってしまう。
 電動車化は、UAWの棺桶に蓋をしめる、最後の釘なのだ。バイデン政権は、その死に体を救ってやろうとしているわけである。

 フォード、GM、ステランティスが生き残るためには、既存GS網に代わる充電所のネットワークが全米に整備されなくてはならない。
 だが、それは、既存のテスラの充電所(それはテスラが自社負担で建設している)の拡充ではいけないか? いけないのである!
 米国の納税者が、UAW牙城たる3大グループのために全費用を持ってやる。そういう仕組みを、バイデン政府は導入する気でいるのだ。当該3社には、テスラのように充電所を自社負担で建設する気などないからである。

 国費すなわち税金で建設された充電所は、すべてのメーカーの電動車に給電することができる。しかしそれによって最も救われるのは、フォード、GM、ステランティスとその労組なのだ。

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 ストラテジーペイジの2021-8-12記事。
    8月10日、衛星写真を見ると、エチオピアの空軍基地に、イラン製の「モハジャー6」UAVが複数機置かれているのが確認できる。かたわらには、それをリモコンする無線所のトラックも。
 「モハジャー6」は、イスラエルの「ヘロン」を2017年にコピーしたものである。
 レーザー誘導ミサイル×2を発射できるようだ。

 エチオピア政府は、北部エリトリアの分離運動を鎮圧したい。それでイランに頼る気なのだろう。

 ※7月29日にタンカーの『マーサー・ストリート』を無人機で攻撃したのはイエメンのフーシだったと、英SASと米SOCOMが報告している。フーシのバックはイラン。

 8月3日、すくなくも8人の武装したイラン人が、ソマリア海賊になりすまし、UAE沖でタンカーの『アスファルト・プリンセス』に乗り込んで来た。しかし乗員たちがエンジンを切って「立て籠もり船室」内へ逃げ込んだため、船の操縦を奪うことに失敗。そのためタンカーは漂流状態に陥った。翌朝、軍艦が接近してきたのでイラン人たちは逃亡を図ったが、捕らえられた。

 イランの狙いは、このタンカーをイランまで連行し、ありもしない「違反」について多額の罰金を支払わせようとすることにあった。

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 Stephen Chen 記者による2021-8-12記事「Chinese scientists say their model can predict dangerous ‘internal waves’ in Andaman Sea」。
    マラッカ海峡の西口にあたる、アンダマン海。
 ここでは、世界最大級の「内部波」が発生し、潜水艦を危険にさらすという。
 それについてシナ人研究者が雑誌でリポート公開。

 大きな内部波は、アンダマン諸島およびニコバル諸島の南東沖で発生するという。それが東へ向かって進む。そして、途中で「ドレッドノート・バンク」という海底の丘に当たり、跳ね返るという。

 その結果、落差100mの滝が海中を移動しているような「内部波」に育つという。

 これに潜水艦がまきこまれれば、巡航深度からさらに100m、下方へひきずりこまれてしまう。運が悪ければ圧壊するという。