英文ネットでみかけたジョーク。いま頭を抱えているのは、剃刀メーカーのジレット社。これから20年はアフガニスタンで誰も髯を剃らないだろうから。

 AFPの2021-8-17記事「Uzbekistan in contact with Taliban, warns against border spillover」。
   ウズベキスタンは火曜日にタリバンに警告した。国境には近づくなと。

 ウズベキスタン政府は月曜日に認めた。1機のアフガン軍用機が不法に越境し、ウズベキスタン国内に墜落したと。死者は出ていない。

 その1日前には、すでに84人のアフガン政府軍人がウズベキスタン国境を越えて逃亡してきていると。

 ウズベキスタンの法務長官は、月曜日、その前の政府発表を取り消した。すなわち、将兵を合計で600人近くを乗せた46機のアフガン航空機が越境してきたので強制着陸させた、というもの。

 アフガン軍用機が墜落したとされる現場はウズベキスタンのシェラバド州。国境のテルメズ市からは180kmである。
 現地民の目撃証言によると、機体の残骸がトラックによって運び去られたという。
 残骸は広い範囲に散らばっていたのを、ウズベキスタンの兵隊たちが拾い集めたという。

 AFP記者が取材した地元農民一家。納屋が焼けてしまった。墜落機から貰った炎のために。それは日曜日の夜の出来事であったと。爆発音が聞こえた。

 墜落のあと、地元民が救急車を呼んだ。そこにウズベキスタン国軍の兵隊たちも来た。

 日曜日の夜、病院に、2名のアフガン人パイロットが担ぎこまれた。飛行機からエジェクトして、その際に負傷したという。2名ともに、重症ではないという。

 ※スーパーツカノにはエジェクションシートがあるので、SAMに射たれても乗員は死なずに済むのである。

 隣のタジキスタン。火曜日の広報によると、すでに100人以上のアフガニスタン軍人が、南部のBokhtar空港へ逃げてきているという。

 タジク軍は8月17日から20日にかけて、中共軍と合同演習を予定している。山岳地帯での対テロが演目。

 タジキスタン国内には、ロシア軍の駐屯地もある。そこにはロシア兵が1000人、常駐している。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-8-17記事。
    アフガン内に派遣されているトルコ軍による観察。
 タリバンは、「われわれのカネを受け取るか、われわれに殺されるか」という選択を、アフガン軍警の幹部に迫り、その作戦が機能している。

 非パシュトゥーン系の軍警は、立哨していたチェックポイントから、武器だけ持って、立ち去った。

 アフガニスタン国民の12%はトルコ系であり、その保護に、トルコは関心がある。

 タジク族はトルコ系ではない。タジク族はアフガン国民の27%を占める。
 モンゴル系のハザラ族は8%を占める。ハザラ族はシーア派である。

 ガニ大統領以下、逃亡者を受け入れているのは、隣国のタジキスタンである。

 イランはことしに入って、アフガニスタン内のシーア派に武器を援助し、タリバンやアルカイダなどのスンニ派に対抗する組織に育てようとしている。

 トルコ系のアフガン難民がイラン国境に逃れてきた場合、イランは、その難民がトルコへ行くことを許している。

 8-16、トルコ航空機が、324人のトルコ国民を、カブールから運び出した。なおまだ500人のトルコ兵はカブール空港の警備についている。その他にどのくらいのトルコ市民が残留しているのかは不明。

 トルコ政府とタリバン幹部の間には既に連絡がある模様。

 8-7、トルコ政府は、トルコ兵が9月までカブール空港を警備してやってもよいが、アメリカ政府はそのコストとして年額にして1億3000万ドル払ってくれ、と求めた。

 次。
 Chad Garland 記者による2021-8-17記事「Air Force C-17 rescues hundreds of Afghans crowded onto cargo bay floor」。
   ハリドカルザイ空港から1機のC-17「グローブマスター3」がエバキュエーション飛行した。アフガン人640人を床に座らせて離陸した。土曜日。空軍が撮影したその機内写真は、サイトの『ディフェンスワン』が月曜日に特だね公開。

 その記事いわく、おそらくC-17がいちどに運んだ人間の数としては新記録になったろうと。

 航跡追尾ソフトによるとこの機体は、第436空輸ウイングに所属する。原隊所在地はデラウェア州のドーヴァー空軍基地。「リーチ871」というコールサインを使っていた。

 どうしてこんなに詰め込んだかだが、もともとこんなに乗せる予定はなかったという。
 しかし「C-17」のカーゴランプドアは完全に上げた状態にしてもまだ半分隙間があるという構造なので、その隙間からどんどんアフガン人が入ってきた。それを、米兵は敢えて阻止しなかったのだという。

 640人強のアフガン人は、最初の着陸地で降ろされた。

 C-17には102席の座席が備わっている。

 同機のクルーは、乗り込んだ総人数を800人だとカウントしていたようである。無線でそのように地上に伝えていた。

 2つのメディアは、1機のC-17が近隣某国の空港に着陸したとき、タイヤ収容スペースから「人体」がひとつ発見されたと言っている。
 ※荷室内を与圧しないC-17は、お客を積んでいるときは、それほど高く飛ばぬはずだが……。国境山地を越えるときに6000mくらいに上昇し、そこで凍死でもしたのだろうか。

 空港警固のために急派された部隊には、海兵隊も含まれている。火曜日には総勢4000人に増えただろう。
 空港内で米兵が射殺した武装アフガニスタン人は2名である。それは月曜日の事件であった。

 火曜日の情報。これから24時間は、1時間に1機の割で軍用機がカルザイ空港を離発着する。そして、毎日、5000人から9000人をエバキュエートするつもり。

 9機のC-17が、ひとばんで1000人の兵隊と必要装備を運んでくる。
 7機のC-17が、700人の脱出者(非アフガン人の諸外国人を含む)を運び出す。その700人の中に、165人の米国人が含まれる。

 7月後半、米軍機は2000人のSIV(特別移民ビザ)所有者を脱出させた。収容先はヴァジニア、テキサス、ウィスコンシン州で、バイデンの腹積もりでは総勢2万2000人の予定だった。

 『誰も後へは残さない』の著者であるマット・ゼラーは元陸軍軍人で、アフガンからの大量エバキュエーションが必要になるときがまちがいなく来るから政府は準備を頼むと、何年も前から具体的な計画書とともに提言を繰り返してきた。「誰も耳を貸してくれなかった」とゼラー氏。

 先月に本腰を入れておけばこんなザマにはならなかったのに、バイデン政府は、外聞が悪くなるからとおそれて、エバキュエーションをスローペースでしか進めさせなかったのだ。