スーパーツカノの喪失因は、ミグ29との空中衝突だった。ウズベク上空にて。

 ストラテジーペイジの2021-8-18記事。
    ロシアがESA(欧州宇宙機関)の「センチネル1」レーダー偵察衛星に通信ジャミングをかけた。東ウクライナの上空を通過しているときだ。露軍の活動をリアルタイムで知られたくなかったので。

 ジャミングの詳細は不明。

 最近のレーダー衛星はSAR技術が進歩していて、光学衛星なみの画像情報が得られる。夜でも曇りでも関係ない。

 よくマスコミ報道で、モノクロながら3Dヴューの俯瞰撮影写真が出てくる。あれらは、民間のSAR衛星が撮像したものなのである。

 SARは植生を透過した地表情報も取得できる。森林の樹木を透視できるのだ。これらは客がリクエストすれば、取得できる。

 SAR衛星は1978年に初登場したが、さいしょはアナログで、高額なわりに情報品質は低かった。
 しかし1990年代にデジタル化して、俄然、コスパがよくなった。画質も大向上。

 民間用のSAR写真の世界では、解像度3mのものが中くらいの精度で、1枚の写真で40km四方の地積をカバーする。
 低レゾだと、解像度20mとなり、そのかわり、1枚の写真で100km四方の地積を俯瞰できる。

 SAR衛星は基本的にLEOである。すなわち800kmから600kmの高度を周回する。

 今日ではSAR衛星は、3機か4機を編隊(アレイと称する)にして周回させることで、同時に広範囲を撮影できるようにしている。もちろん、それらは1基のロケットにより、同時に軌道投入されるのだ。

 SARアレイの数が増したことで、海洋上の船舶がコソコソ動き回ることは不可能になった。広い外洋のどこであれ、常時、動静が見張られるようになっている。

 たとえば、ディーゼル潜水艦がほんのわずか浮上しても、バレてしまうのである。

 中共海軍の艦艇は2030年には、米海軍よりも、隻数にして3割、多くなるのではないかと見積もられている。

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 Joseph Trevithick 記者による2021-8-17記事「Dozens Of U.S.-Bought Afghan Air Force Aircraft Are Now Orphaned At An Uzbek Airfield」。
    民間衛星写真によって判明した。アフガニスタン政府軍の軍用機の多くが、ウズベキスタンに避退したようだ。
 テルメズ飛行場に、ズラリと並んでいる。

 A-29と、ピラトゥスPC-12NGが、「テルメズ」飛行場に駐機しているのがわかる写真。

 8月16日に撮影された衛星写真。
 提供は「プラネット・ラブズ」社。
 すくなくも22機の小型固定翼機と、26機の回転翼機がたしかめられる。
 すべて、元アフガニスタン政府軍機のようだ。

 ウズベキスタン政府は、アフガニスタンから越境してきた46機(固定翼22+回転翼24)を強制着陸させたと、前にアナウンスしていた。それと符合する。

 1機のスーパーツカノがウズベク上空で撃墜されたと伝えられていたが、真相は、なんとウズベク空軍のミグ29と空中衝突したものであったことがわかった。そのミグ29も喪われた。
  ※そっちのパイロットの安否が不明。

 数機のアフガニスタン空軍機は、タジキスタンを目指したようだ。
 それはトラッキング・サイトが把握している。
 しかしタジク政府は歓迎しなかったらしい。

 セスナ208Bキャラバンや、AC-208(コンバットキャラバン)も写真で確認できる。
 ヒューズの530Fリトルバードもテルメズ飛行場にあり。
 もちろん、ブラックホークと、ミル8/17も。

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 Corey Dickstein 記者による2021-8-18記事「Pentagon says US military evacuated about 2,000 people from Afghanistan in recent hours」。
    火曜日いらい、米軍さしまわしのC-17×18機+C-130×1機は、カブール空港から、2000人強を運び出した。水曜日、ペンタゴンの広報官が発表。

 他方で空港警固の米軍は4500人になっている。

 ペンタゴンの希望としては、1日に5000人から9000人を運び出したい。1日24便以上の運航で。

 CNNとWPは、タリバンが空港への人の移動をハラスメントしていると報じたが、ペンタゴンの見解は異なる。タリバンは希望者の国外脱出を認めている。

 日曜日にドーハで海兵隊のマケンジー大将がタリバン幹部と面談をしており、そのさい、空港で邪魔をすれば報復すると警告をしてある。

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 Josh Rogin 記者による2021-8-16記事「Opinion: Biden must rescue thousands of U.S. citizens trapped in Afghanistan」。
   非軍人の米国人はいったいアフガン国内にどのくらい残留しているのか。おそらく1万人。ほとんどはカブール周辺。

 その一部は、離脱を希望していない。永住者とか、エイド・ワーカーもいるわけだ。
 また、二重国籍者とか、米国人の親がその子どもの正規のパスポートを取っていないだとかの、めんどうくさい人々もいる。

 米国務省は、追加で8万人以上のアフガニスタン人協力者にヴィザを与えるべく、奮闘中。

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 Sarah Cammarata 記者による2021-8-18記事「Advocacy group files legal petition to State Department demanding all Afghan visa applicants are evacuated」。
    難民支援団体によれば、アフガン人にして米国逃亡を希望している者は10万人くらいおり、そこにはすでにSIV(特別移民ビザ)の初歩審査をパスした者が含まれている。そいつらをすぐに移送しろ、と。
 バイデンの意向では、最大2万数千人くらいしか受け入れるつもりはない。すでに移送した分も含めて。

 なおSIV審査の最終関門はメディカルチェックである。
 ※ということはあの640人の混雑便は、いちおう新コロ陰性者なのか? あまり信じられないけどね。