スピードスケートの世界では前屈姿勢が空気抵抗を減らしてくれる。ではもし選手の小腸を手術で9割ほど除去してしまったらどうなるか?

 究極の「低い姿勢」を、レースの終盤まで、楽々と保てるようになるかもしれない。
 おそらく、陸上競技のハードル走でも、それは選手を有利にするかもしれない。
 また、内臓重量が軽減された分、跳躍系の競技でも、有利となるかもしれない。

 その選手は、ふつうの食事はもう無理なので、「身体障碍者」のカテゴリーに分類されるのだろうか?
 もし、病気が原因で内臓を除去する必要があったのならば、そうなるであろう。

 しかし、もともと何の疾病もなかったという場合、その選手は、ひきつづき、健常者としてふつうの大会に出場できるのだろうか?

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 Chad Garland 記者による2021-8-19記事「‘They kind of need help everywhere’: US troops put in long hours in Qatar to aid Afghanistan evacuation」。
    カタールのアルウデイド基地では休みなしに空輸エバキュエーションを支援中。
 将兵はオフィスに簡易寝台とマットレスを持ち込んで泊り込んで仕事中。

 エバキュエーション飛行機は1時間に1便出し続けるつもり。
 最大キャパとしては1日に5000人から9000人は運び出せるはずなのである。これはペンタゴンの公式見解。

 ハンガー内には、身ひとつで逃れたアフガン人たちを一泊させる設備ができている。

 もんだいは検疫エリア。いまは15のビルを使って1000人を区分収容することしかできない。
 フィットネスジムや映画館が、特設検疫区に改造されている。

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  CARLO J.V. CARO 記者による2021-8-17記事「The failure of intelligence in Afghanistan – opinion」。
    英軍は、すべての兵士が情報収集者だと考える。地上軍の将兵は、たとえばアフガニスタン政府軍将兵と日常、接しているであろう。そこから、最新の兆候をあつめることができる。

 米軍はアフガンにおいて、ちかごろまたCAS主義になってしまい、地上部隊将兵同士の情報収集チャンネルが涸渇した。だからまんまと裏を掻かれたのだ。

 アフガニスタン人は、じぶんの所属する部族集団しか信じない。カブール政府が信頼されたことは過去にいちどもない。

 アフガニスタン政府の国家安全保障部NDSは、都市部にしかネットワークがなく、田舎の動静は何も把握していない。そこから上がってくるアセスメントはすでにして誤情報である。米国人は、それを受けとって、好い調子に修文して、上司に報告して、給料をもらっていたようだ。

 NDSは民族的にはタジク族が占めている。タジク族がパシュトゥーン族を見張るという目的意識があった。
 しかし2015年にクンドゥズでタリバンの攻撃が成功したとき、NDSはまったく兆候把握に失敗しているのだ。

 NDSとは別に、NSA=国家公安部 という機関もあったのだが、両機関のあいだでは、情報は共有されていなかった。
 これは、アフガンの国防省や、内務省についても、まったく同様である。

 米国はどこでもこういうドジを踏んでいるわけではない。たとえばコロムビア国内には田舎の隅々まで網羅する人的情報網が構築されている。協力諜者が100万人もいるのだ。それで、米国指導者はいつでも好きなときにコロムビア政府を転覆させることが可能なのである。

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 Adam Kehoe and Tyler Rogoway 記者による2021-8-17記事「Five Decades After Evacuating The Embassy In Saigon The CH-46 Phrog Did It Again In Kabul」。
    カブールの米大使館の建物に飛来した動画が撮影されたあのバートルは、古いCH-46E「シーナイト」であった。

 つまり1975のサイゴン上空を飛んだヘリコプターと基本的に同じモノ。
 このCH-46Eの機番は154038である。2012年に海兵隊から国務省へ委譲された機体のようだ。

 V-107のプロトタイプは1961にできた。
 米軍は、いまや核時代なので、大規模な上陸作戦は過集中でダメだと判断。立体侵攻によりリスクを分散したかった。そこで大型輸送ヘリコプターを開発した。

 ベトナムではCH-46は109機も失われている。400機以上、調達されていたが。

 また、ベトナム最終撤退作戦では、軍艦上から、ヘリコプターが40機以上、海中投棄された。

 E型の改良点としては、ローターブレードがファイバーグラスになっていることなど。
 海兵隊では、オスプレイの採用にともなって、CH-46を2016をもって運用停止することにし、それをまたずに17機のCH-46Eを国務省にリースした。それが2012年のこと。

 当初は、国務省の中の麻薬取り締まり部門に使わせるつもりだったのだが、便利だったので外地での外交官輸送に専ら多用されている。
 イラクやアフガニスタンでは「エンバシー・エアー」と通称されるほど、不可欠の存在だ。

 ポンペオがバグラム基地を訪れたときは、ドアガンとしてM240Dがついていた。
 なお、国務省は陸軍から中古のブラックホークも貰っているが、それを使い始めたのは最近の数ヶ月だ。