プチ切れ奉行

 ストラテジーペイジの2021-9-10記事。
   パキスタン国内には兵器や軍装品の闇市がある。
 2002年から2020年まで、米国やNATOが海送用コンテナに封印してアフガニスタン国内に送り届けようとした武器弾薬の一部は、パキスタンとアフガニスタンの国境地帯で地元軍閥に強奪され、闇市に流れていた。

 この陸路の補給ルートの途中を安全に通行させてもらうためには、私関で賄賂を支払わねばならない。それも含めて、おびただしい金員がタリバンやISIの懐に入っていたというわけなのだ。

 ようするにアフガンの米軍を敗退せしめたものは、アメリカと西側のカネに他ならないのである。

 カラチ港からコンテナをアフパック国境まで陸送するなんてことをやっていてはどうもダメだと考えた米国は、ロシアに根回しし、コンテナを鉄道にて、ロシア~カザフスタン~ウズベキスタンと運搬する新補給ルートを開拓した。コンテナはアフガン国境の一歩手前まで、鉄道で送られる。アフガン国内には鉄道はないので、そこから先、コンテナはトラックで搬送された。

 2011年までに、このルートによる補給が全体の40%に達した。
 しかしこの「北方配送ネットワーク」に全面的に頼ることもできなかった。

 まず大型トラックにとってのボトルネックがあった。「Salang」トンネルである。
 また、ロシア鉄道に依存しすぎると、こんどはロシアが運賃の値上げを吹っかけてくる。

 カラチからカイバル峠までの運送ビジネス収入、すなわちパキスタン人の儲けは、「北方配送ネットワーク」が確立されたことで、毎年1億ドルの減収になったとみられる。

 ※パキスタン国内での「一帯一路」も同じトラブルに直面しているのだろう。地元の運送屋を雇わなければテロに遭う。さりとて地元に任せれば運賃を上げろと迫ってくる。中共は早くアフガニスタン横断ルートを開拓して、パキルートへの依存度を縮減したいはずだ。