なぜ「シンママ」の生活費を120% 公費で扶助してやるしくみをつくると、日本の人口は「急減」から「微減」に転じてくれるか。次著で説明しよう。

 NBC Newsの2021-9-27記事「China’s Illicit Squid Fishery Has Deadly Impact on North Korea」。
   北鮮の難破漁船が日本の海岸に漂着したケースは2019年には150隻以上。過去5年だと500隻以上である。時に、北鮮漁民の死骸付き。

 ながらく、この背景として、気候変動で烏賊資源が北鮮沿岸から遠ざかったからではないかと疑われていた。
 しかしイアン・ウルビナ(前にNYT紙で調査報道していた。いまは「ズィ・アウトロー・オーシャン・プロジェクト」主宰)と、NGOの「グローバル・フィッシング・ウォッチ」は、真犯人をつきとめた。中共の無法漁船団が北鮮沿岸の漁業資源を荒らしまくっているのだ。中共の違法漁業会社は巨大鋼鉄船を連ねて、文字通り北鮮のボロ漁船を押しのけて、烏賊を70%以上、根こそぎかっさらってしまった。それで北鮮の漁師が沿岸での稼業ができなくなり、日本海の中央まで出るしかなくなって、必然的に難破が増えたのである。

 北鮮EEZ内での外国漁船の漁業は国連制裁決議違反である。しかし800隻近い中共漁船にはそんなの関係なかった。

 2017の国連制裁は、北鮮がそのEEZ内における漁業権を外国に売って外貨を得る取引を禁じた。ところがシナ船団はそもそも入漁料など払っていないのだ。勝手に他国のEEZ内にやってきてドロボウ漁業を強行しているだけなのである。もちろんこれはこれで立派な犯罪だ。

 2020-3に、2つの国(匿名)が、国連に対して、衛星写真などの証拠を提出した。北鮮海域に中共漁船多数が入り込んで操業している証拠を。

 これら違法出漁漁船は、皆、トランスポンダーをOFFにしているので、日本などの沿岸国当局も、その動静を陸上から把握することができない。

 そこで「グローバル・フィッシング・ウォッチ」は、烏賊釣船が夜間に強烈な集魚灯をともしていることを利用して、民間の衛星写真で実態を把握した。

 ※一漁船の写真が添えられているのだが、このアーク燈装備がすげえw! 日本のイカ漁船には資源保護のために光量の自主規制があるのだが、シナ船にはそんなものないので、秋田の竿灯を密植したみたいになっとる。デコトラとか満艦飾とか、そんなチャチなものでねえだ。光の壁でできた自動車運搬船のありさま。ぜったいに漁師は視力障害になるわ。紫外線が出てるからね。

 シナ漁船は、2隻の間で網を曳く、「ペアー・トローラー」という根こそぎ漁法をイカ漁に採用しているので、夜間の衛星写真で光り船が2艘並んで写っていれば、それはシナ海賊だとわかるわけである。

 北鮮の清津港はいま、「寡婦村」と呼ばれている。多くの亭主が出漁して遭難し、未帰還となっているから。 日本の海岸に漂着した北鮮漁民の死骸だけでも2019年には50体以上。

 中共が北鮮EEZの漁業権を買収したのは2004である。しかし2017国連決議でその商売を合法的に続けることは不可能にされた。

 2017以降、北鮮では、兵士を漁民に仕立てて海へ送り出しているという。増産のために。漂着漁船にもしばしば北鮮軍の登録ナンバーがペイントされている。

 日本の警察によると2013以降、生きたままレスキューされた北鮮漁民は50人以上いるが、助かった者も同伴死体も、栄養状態がひどい。いずれも、燃料切れで漂流していたという。

 2016に韓国に亡命した北鮮漁師によれば、2013時点で北鮮の魚船には12馬力より強力なエンジンを搭載することが禁じられていた。それなら100海里も走れはしないので、国外には逃亡できぬわけである。

 その後、エンジンは38馬力まで許されるようになったという。
 なにしろ沖合いまで行かぬことには漁にならないのだ。

 中共船団に押し出されるような格好で、北鮮漁船は、ロシアEEZ内で違法操業するようになった。2018以降、それが顕著だと。

 日本の海保は2017に、2000隻以上の北鮮漁船を日本のEEZ内で確認した。うち300隻以上を放水で追い払った。

 世界最大の海産物消費者である中共は、過去5年で、漁獲量を20%増やしている。
 シナ沿岸の漁業資源は涸渇したので、シナ政府が漁民に補助金を与えて遠洋漁業に派遣している。
 中共政府の統計によると、ここ数年、世界の公海での烏賊漁の5~7割はシナ漁船が獲っている。

 ウルルン島では40歳以上の男はほとんど漁師だが、その三人に一人は、近年の烏賊不漁のため、失職状態である。

 同島の市長いわく。数年前、海が荒れたとき、いちどに200隻以上の中共の烏賊トロール船がウルルン島の漁港に退避してきたことがあったと。

 この漁船群は、廃油やゴミ類を漁港内で捨てまくり、ひとばんじゅう発電機を回していた。そして立ち去るときには、錨をひきずって海底の真水パイプラインを破壊して行った。

 次。
 Jong So Yong 記者による2021-9-23記事「Facing declining birthrates, N. Korea calls on provinces to better account for new mothers, families with young children」。
   北鮮労働党中央委員会は、各道の労働党支部に対し、出生率を向上させなさいと命令した。

 5歳以下の子育てを支援しなさいと。
 栄養不良児とその母親は入院させなさいと。

 両江道では9月7日から、有料配給が始まった。新生児の母親、および5歳未満の子供に対して、食品、日用品を、公定価格で販売する。

 ※無料支給ではない ということは、要するに口だけ指導で、予算配分を伴っていない命令なのだろう。地方下僚としては、ふざけるなよという話で、まじめに実行する気もないだろう。

 これらの物品は週にいちど、届けられる。また、月にいちど、3kgのヨーグルトが有料配給される。

 ※電気が来なくては冷蔵庫が役立たず、牛乳だと腐ってしまうからだろう。それならば粉ミルクにすればよい……とはならぬのが、北鮮の工業事情なのだろう。

 ※日本でもどうやって急すぎる人口減のペースを緩和するかが大課題なのだが、問題の核心部分を把握できれば、その方法はすぐ見つかる。ところが人々には《問題の核心》を把握したくないという気持ちがあるのである。そこで偉大な政治家が必要になる。偉大な政治家が、問題はじつはこうなんだよ、と世間に向かって言葉で説明できたなら、問題は解決したも同然なのである。では《問題の核心》とは何か。現代においては「子育てと個人の自由は両立しない」ということなのだ。したがって、自由主義を否定する儒教圏国家やイスラミック国家でもない限り、女たちに向かって子供をもっと生めとは誰も要求できないはずなのである。それを政府として、否、社会として敢えてリクエストするのならば、「子育ては、それじたいが、勤労である」という定義を明確に共有しなくてはならない。「子育て」という勤労と、子育てのための生活費を稼ぐ勤労は、おなじひとりの個人が働く以上は、両立するわけがないのだ。だから、「子育て」という勤労に従事しているシングル・ペアレントに対しては、それに必要な生活費を、全額、国家と社会がよろこんで負担するというのが、今日では、まさしく、筋なのである。勤労は国民の義務だと憲法に規定しているのだから、日本国は個人に対して、物理的に不可能である「ダブル勤労」など、要求してはならないのである。さてそうなると次には財源の限界というもうひとつの現実と格闘しくてはならない。ここを大政治家ならば、次のようにして乗り越える。すなわち両親世帯ではなく「シングル・ペアレント」に対してのみ、その全生活費を国と自治体が負担する――と。詳しくは次著(さいきんは取り次ぎがしわくて12月になりそう)に譲るが、シングル・ペアレントの全生活費が完全に公費で負担されるという社会が日本に実現すれば、「試し婚」も増えることになり、婚姻率も出生率も、確実に爆増する。プロスペクト理論でそれは説明できる。しかも予算は、そんなに要らない。法の下の平等も、担保される。この政策直感が働かない「四候補」のとりまきたちには、私は何も期待しないのである。

 次。
 Alex Horton and Dan Lamothe 記者による2021-9-27記事「 Inside the Afghanistan airlift: Split-second decisions, relentless chaos drove historic military mission」。
    米軍はC-17を222機持っている。このたびのカブールからの救出作戦では、C-17のクルーに対して「無休憩」を命ずるしかなかった。休む間をあたえず、次から次と、飛行させた。
 こうした輸送機クルーの休息については、安全を考えて軍令でいろいろと決められているのだが、今回はそれは無視された。軍事作戦なので。

 8月16日にはアフガン人が1万5000人もカブール空港に蝟集したので、輸送指揮をとるために派遣されたマクラスキー空軍大佐は、飛行場に降りられず、上空で何時間も旋回待機を余儀なくされた。

 マクラスキーが飛行場施設を点検したところ、夜間照明、レーダー、気象システム、給電系統などはダメになっていた。多くは、群衆が器材類によじ登ったために、故障してしまったのである。

 この空港は平時には、欧米人の契約民間企業が運用していたが、暴徒におそれをなして皆、持ち場から逃げ去っていた。

 チェックポイントでの群衆制御の要諦は、兵士が肩と肩を接する陣形を保って群衆の流れの先端部に近接していること。この人間の壁を、あまり後退させていると、走ってくる群衆の勢いが勝ってしまい、必ず突破されるのである。突破のための助走の勢いをつけさせないことが、肝要なのだ。したがって、味方の陣形をガッチリと崩すことなく、群衆とは至近距離で対峙すべし。

 また「人垣」をつくって群衆を制御しているときには、兵士たちは、小銃の銃口を下に向けるのではなく、昔のように、斜め上に向けて「控え銃」に保持するとよい。

 飛行場にあった、ロケット弾自動迎撃システムは、最後の1兵が輸送機に乗り込んだときに、スイッチを切った。