水中を35ノットで通過したら沈底機雷の爆発衝撃を避けることができるのだろうか? 無理だよね。

 The Maritime Executive の2021-10-7記事「Chinese Traders Turn to New Routes to Get Much-Needed Coal」。
   中共とインドで石炭不足になっており、それを運ぶバルクカーゴキャリアの傭船料が値上がりしている。この種のフネは1日8万5000ドルで借りられたのだが……。

 中共国内の電力消費は1年で13%増えている。
 とくに電力バカ喰いの工場は、冬を前にして操業を強制中断させる。これがシナ政府の方針。

 中共は、産炭大国でもある。しかしながら、国内需要の9割までしか、国内炭鉱ではまかなえない。残り1割は、輸入するしかないのだ。かつては豪州炭一択(安いうえにカロリーが高い)だったが、中共中央が豪州と経済的に絶縁する方針なので、もう、買えなくなった。
 高くてカロリーの低い石炭を、遠いところから輸入するしかない。

 浙江省の火力発電所では、黒海のロシアの港カフカスで石炭を積み、舟山市の六横鎮港まではるばる海送させることを始めた。

 また、北鮮炭の違法買い付け(国連制裁違反)も黙認されている。いったんウラジオストックなどのロシアの港に密輸された石炭を、シナ船で積み取ってくるのだ。

 他に、カナダ炭、フィリピン炭も買われている。これは『ニッカンペキスポ』が報じている。
 カナダから中共への石炭輸出は前年比で67%増大している。

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 The Maritime Executive の2021-10-6記事「Two Rhode Island Men Face Fine for Using Distress Flares at a Wedding」。
    ロードアイランド州の阿呆男2人組はこのたび、ブロック島沿岸で「遭難信号花火」を景気づけに打ち上げたために、コーストガードを出動させてしまい、罰金刑に服した。

 事件は2020-6-6のこと。友人の結婚式場に、小型モーターボートで向かっている途中であった。
 遭難信号を発射する銃を、この2名は事前に借り出していた。

 この信号を岸から目撃した人が港湾に一報し、港湾からコーストガードに通知された。
 コーストガードは、ヘリコプター×2機と、巡視艇×1隻で、2時間捜索した。

 この2機のヘリコプターを飛ばすのに要する費用は1時間あたり5500ドルから7000ドルの間であると見積もられている。

 不必要な捜索を沿岸警備隊にさせる行為はもちろん違法であった。民事訴訟および刑事訴訟の対象となる。
 2人の男は罰金1万ドルを納めたとのこと。

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 indomilitary の2021-10-7記事「HD-1A ? Chinese Supersonic Cruise Missile ‘Copas’ Ukrainian Cruise Missile Design」。
    広東省のメーカーが珠海に出展した、空対地の超音速巡航ミサイル「HD-1A」が、どうみても、ウクライナ製の「ブリスカフカ(電光)」の丸パクのようである。

 スペック効能書きによれば、HD-1Aは、自重2.2トン。弾頭重量は240kgから400kg。長さ8.3m、径375ミリ。
 レンジは290kmで、途中まで高度1万5000mを超音速巡航し、命中の寸前に海面から10mまで降りる。

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 Christopher P. Semtner 記者による2020-10-14記事「13 Haunting Facts About Edgar Allan Poe’s Death」。
    ※記者は、ヴァジニア州リッチモンド市にあるエドガーアランポー博物館の学芸員。

 ポーは1849-10-7に死亡しています。
 彼は探偵小説を創始した。
 彼はSF小説でも世界に先駆けている。
 ホラー小説への貢献は、いうまでもなし。

 ポーの博物館は米国に4箇所もある。
 そのうちリッチモンドの博物館は1922オープン。ポーの個人アイテムの蒐集量では、世界最大を誇る。

 ポーは1809ボストン市うまれだが、育ったのはリッチモンド市で、大学もヴァジニア大に進んだ。

 実の母親には2歳の時に死なれてしまった。15歳にして恋人の死も体験。さらに20歳では、乳母だった人も亡くした。

 大学を中退し、ウェストポイントに入ったがここからは追放処分を受け、ポーはリッチモンドの南部文学専門雑誌の編集員に就職した。

 彼じしん、フィクションを寄稿し、また、こきおろし書評も載せ、おかげで雑誌は、17ヶ月にして売り上げ部数が7倍に伸びた。そしてポーはこの出版社を2回、馘にされている。

 2度目の馘のあと、彼はフィラデルフィアとNYCのメジャー雑誌と契約し、収入に余裕ができた。その折に書いた推理小説「黄金虫」は大ヒット。

 詩作では「レイヴン」が、不朽の文学的名声をヨーロッパにまでとどろかせた(この詩で得た稿料はたったの15ドルであったという)。
 ※NFLの「ボルチモア・レイブンズ」は、この作品名をチーム名にしたのである。

 ポーの妻は24歳にして結核で病死。偶然にも彼の実母も24歳で死んでいるのである。

 その頃に、宇宙論の仮説も書きはじめた。最終的に「エウレカ」という題で1冊にまとめられたが、ポーはその中で20世紀の物理学者よりも早く「ビッグバン理論」の結論に到達している。

 ※ポーは、そもそもなぜ「重力」というものがあるのか、という疑問から出発し、それは全宇宙の物質が最初はたったひとつの点であったからだ、と推理する。だから宇宙はまたひとつの点にまで収縮するだろうとも予言した。

 1849年に東海岸を講演旅行して回ったポーは、少年時代の幼馴染のエルミラ・ロイスター・シェルトン未亡人に偶然、再会。
 そこで婚約し、リッチモンドで10月17日に挙式しようということになり、戻る途中、ボルティモア市まで移動したところで、急死。

 死因は不明である。

 講演旅行とうじ、医師たちは、旅行をするなと勧告していた。
 エルミラから見ても、ポーは病気であるように見えたという。
 死ぬ前、酒量がかなり多かった。

 ※ここしばらく、ポーの1838の作品である「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」を文庫版で読みかけているのだが、前半でいきなり受けてしまった大衝撃は、メルヴィルの『白鯨』(1851)がこの作品からシーンをパクっていたと分かったこと。エイハブが死んでもなお手招きをしているようにみえる、という最後のクライマックスは、『ナンタケット~』の出だしに近いところで「ペンギン号」が傾いて、船底に張り付いた人間が見えて人々が驚いたという描写から直接の影響を受けている。あと、どうでもいいのだが、江戸川乱歩先生の、長持に人が閉じ込められるという短編も、この作品にインスピレーションを得たものだと確信した。もちろん乱歩先生は原書を読んでいたのであろう。