米陸軍高射砲兵がグァム島にアイアンドームを搬入せんとす。

 Yasmin Tadjdeh 記者による2021-10-6記事「Electric Vehicles for the Military Still a Pipedream」。
    米陸軍は多年、車両の電気化の研究を推進してきた。その結論。2030年より以降だろうと、軍用車を電気化できる見通しは立たない。

 内燃機関エンジンのための燃料の多様化は進めねばならない。すなわち「ジェット・プロペラント8」(=JP8)、軽油、リニューアブル製法で得た軽油代替燃料……。しかしどうあがいても電動だけはダメ。2035年にも「軍用車の完全電動化」は実現しないはずである。

 陸軍長官の次官補級が責任者となって陸軍系の研究機関複数を動員して、これについての最新の結論を出させた。車両だけではない。下車した歩兵も燃料を必要とするし、戦場に開設される陣地や基地拠点でも燃料は必要だ。それらを電化することは将来もできない。

 この報告書は6月に内容が公表された。

 いわく。米陸軍のための、全電化された戦闘車両や戦術輸送機械は、予見し得る将来、実用化できない。

 その理由。
 まず、今日の蓄電池のエネルギー密度は、JP-8に比べて、ざっと「二十分の一」にすぎない。したがって軍用車両に必要なエネルギーを引き出すのに必要な電池の重さや体積が、げんざい軍用車両が実現している高い機能、すなわち軽量で小型で強力であること、航続力が長いこと、最前線への大量の補給等を、実現できなくする。

 電池のエネルギー密度は年々わずかずつ向上すると予想されるも、今の20倍は無理である。

 もうひとつ。
 全電化した車両の蓄電池に、戦場で短時間のうちに充電をさせるためには、大容量の電力源がそこに所在していなければならないが、そのような環境は、戦場にはあり得ない。

 電気モーターの長所は、トルクが大きいことだが、電池の短所がそれを帳消しにする。
 そこで結論。
 将来の米陸軍の軍用車両は、「ハイブリッド電動」仕様にはなるだろう。しかし、完全電動化はしないだろう。

 軍用車の消費エネルギーは、同じサイズの商用車の2倍である。というのも、停止している間も、通信機やセンサーに通電してフルに機能させていなければならない。また、走りまわる場所は、舗装道路の上ではなく、不整地だからである。
 だから、今日のバッテリーの技術では、停車状態で長時間にわたって敵を見張るという任務すら、できなくなってしまうのだ。

 戦場にはコンセントはない。民間インフラの電力線網は破壊されているか、最初から存在しないだろう。

 もしここに、300キロワット・アワーの容量のバッテリーで動く電動の軍用トラックが6台あるとしよう。指揮官の将校は、その6台を、15分のうちに満充電させねばならない。
 これは、下級部隊が受ける命令としては普通のことだ。軽油やJP-8ならば、15分で6台に給油を済ませることはできるのである。
 しかしそれをもし電気で実行しようとすれば、そのトラック隊の近くに、野外で機動できる、7メガワットの送電力のある「給電システム」が存在しなければならないのだ。それは、今は存在しない「マイクロ原発」が実用化されないかぎり、考えられぬ話。

 今日、野外に持ち出せる最大の車載発電機の給電能力は、1メガワットにも達していないのである。

 また車載式のマイクロ原発がもしできたとしても、こんどは、すべての陸軍部隊が、そのマイクロ原発とともに移動することを強いられることとなり、作戦も兵站も、いちじるしい制約を蒙らざるを得ない。それでは敵に勝てない。敵の作戦自由度の方がはるかに高くなってしまうのだから。それに他国領土に展開されるマイクロ原発の防御が大問題になってしまう。

 車載式原発は、完成するとしても、2035年よりも先であろう。
 そのシステムは重さ40トンの車両になる。ただし、移動後に場所を定めてから、発電運転を立ち上げるのに3日かかる。また、ふたたび移動するためのクールダウンには2日かかる。
 とうてい最前線では使えないシロモノだ。

 大型のリチウムイオン電池を有人の軍用車両に搭載したならば、その電池じたいを防火壁で囲むようにしないと、たいへんに危険である。電池を防弾したり、戦場で想定される衝撃から守る必要もある。ますます、エネルギー密度は、悪くならざるをえない。

 特殊部隊が特殊隠密作戦で使う車両だけが、おそらく、電動化されるだろう。
 SOCOMはじっさいに、その試作に着手している。

 ※自衛隊は偵察用のオートバイを電動化するのが正しいと思う。非装甲の車両はステルス性を極限まで追求することでしか生残性は高められないからだ。しかも、電動化すれば前輪でもトルクを発生できるので、不整地走破力は向上する。いざというときエンジンがかからなくて焦る、という悲惨な現象も考えなくてよくなる。もともと、他の車両が軽油なのに、オートバイだけはガソリンで、補給上のひとつの不満点だった。これを電動化しても、自衛隊の補給体系が複雑化することはないのである。電動バイクのバッテリーは、無線機の電源としても使える。

 次。
 Thomas Newdick 記者による2021-10-7記事「Newly Declassified Data Shows Unexplained Increase In U.S. Nuclear Warhead Stockpile」。
      最新の公表値。米国には3750発の核弾頭があるが、そのうち2000発以上は非即応の貯蔵状態で、解体を待っているところだと。

 前回の数量開示は2017-9であった。トランプ政権はずっと非公開にしていた。
 FASによると、2018-9から2019-9のあいだに、核弾頭は20発増えた。トランプ政権が増やしていた。

 FASはさらに推理する。これは「トライデントD5」用の、低イールドの「W76-2」だろう、と。
  ※イランの地下核工場破壊および北鮮三代目の爆殺の専用水爆。

 バイデンは大統領になる前、「W76-2」に反対していた。大統領がそんなものを手にしたら使いたくなるじゃないか、と。

 トランプ政権は、ロシアが戦術核兵器の先制使用を考えていることを理由に「W76-2」を正当化していた。

 FASによれば、最初の「W76-2」は2019-2に製造された。そして最後の1発は2020-6に製造された。

 次。
 Loren Thompson 記者による2021-10-8記事「Dwindling U.S. Merchant Fleet Is A Crisis Waiting To Happen」。
   米国船籍の民間の外航貨物商船は今、200隻もない。世界には、航洋貨物船は4万隻もあるのだが。
 これでは有事のさいに、外国の船主が危険航海を見合わせたら、たいへんなことになる。

 たとえばWWIが勃発したときも、米国沿岸の内航貨物海送力の10%だけが米国船籍だったので、困ったのである。

 現状、米国の民間のプロの貨物船乗りは7500人。
 これに対して米軍のシーリフトコマンドは6000人もの、軍人身分の船乗りを平時から抱えている。

 次。
 Minnie Chan 記者による2021-10-9記事「China raises nuclear submarine stealth game with redesign and tactics to ‘hide ID numbers’」。
   フランスの潜水艦の専門家と米海軍の元ソナー技術者が指摘。
 中共の最新SSBNである『094』型の静粛性が向上した。
 同時に中共海軍は、潜水艦の艦番を消すことによって、米国を韜晦しようとしていると。

 『094』には、改一たるA型、改二たるB型がある。いずれもセイル形状を変えた。
 原型のセイルには窓があったのだが、それは塞がれた。
 また艦首の排水孔(リンマーホール)の数も減った。

 『094』型SSBNには、ペナント・ナンバーとして「409」が書き込まれるようになったという。
 これまで、『094』型の乗員は1艦につき1チームしかないのだと思われていたが、どうやら、「409」の艦に関しては、4セット用意されているようだという。

 古い『092』型のSSBNは、北京によると1隻しかないということになっているが、艦番として同じ「406」をペイントした、船体形状の異なる2艦が存在することが分かっている。

 もともと『092』型は4隻造られた。そしておそらく、その4隻すべてに、艦番「406」が書かれたのであろう。

 海南島の楡林海軍基地は、シナ潜水艦隊の二番目に大きな基地なのだが、すぐ隣が観光メッカの「亜龍湾」なので、旅行者たちが潜水艦の写真を撮りまくりである。それを気にして、消させているのかもしれない。