電動オートバイで長駆偵察をさせるのではなく、ラスト数kmの隠密敏速偵察をさせるという発想。

 Haryo Adjie 記者による2021-10-9記事「Australian Cavalry Use Electric Bikes for Reconnaissance, “More Stealth and Healthy”」。
   ウクライナ軍の装輪装甲偵察車BTRは、車内からドローンを飛ばす仕様となっているが、このたび豪州軍は、箱状の8輪装甲車内から有人の電動バイクを送り出す、戦場偵察方法を研究開始した。

 オーストラリア陸軍の第14軽騎兵連隊(クインズランド州)が、「Boxer」戦闘偵察車両(CRV)を使っている。ヴィークルと呼ぶが、2輪の電動バイク(eバイク)である。

 最高時速90km、航続距離は100kmだそうだ。

 従来の内燃機関の自動二輪車よりも馬力は小さいのだが、軽量であるため、路外でより速く動けるという実感があるという。

 音も排気臭もしないので隠密偵察にはうってつけだ。

 ※詳しい説明の無い記事だが、写真から想像するに、1台の装甲車から、電動バイク×2台を吐き出すのではないかと思われる。車内には充電設備(または交換式バッテリーのストック)があるのだろう。この着想が優れているのは、電動バイクに無理な航続力を要求せず、それによって軽量・コンパクトで高性能にできたこと。しかもバイク1台の単価は抑制されるだろうから、実戦では、やむをえず使い捨てにして徒歩で帰還するとしても、惜しくはない。

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 Harry Valentine 記者による2021-10-8記事「Breakwater Innovation to Manage River Flooding」。
    いまから1000年以上前、南米のマヤ人たちは、支流の標高の高いところで水流を制御することが、下流域の氾濫洪水を防止するのによい、という治水工学の見識を獲得していた。

 そこで最新の提案。現代において、よく水害が起きる地域の上流支流部に、テトラポットのダムを築けば、水害は起きなくなる。

 テトラポットのことを南アではドロスという。最大80トン。
 そもそも南アで1963に発明され、翌年、同国のイーストロンドン港の護岸用に初めて敷設されている。
 英文ウィキペディアによると、コンクリートには鉄のウィスカーを混ぜることもある。
 ドロスはアフリカーンズ語(オランダ語系)で、複数形はドロッセ。