ノー・トレランス政策(初犯から容赦はしないぜ)に基づき、豪州の海上国境警備隊が、北岸沖の珊瑚礁で、インドネシアの密漁船多数を焼き討ち。

 Ben Turner 記者による2021-11-8記事「Giant, Invasive Spiders Have Taken Over Georgia」。

    ジョージア州北部に、商船がアジアから持ってきたと思われる女郎蜘蛛が大増殖。住民のあいだで騒ぎに。

 ただしアトランタ市の北東部では2014年にすでに見つかっていた。コンテナ船のコンテナ内にいたのが上陸したのだと考えられている。

 女郎蜘蛛はシナ大陸から日本にかけて分布する。
 女郎蜘蛛のもつ麻痺毒は、人畜には無害である。ただしアレルギーの人は別。

 女郎蜘蛛は越冬できない。ジョージア州では11月後半に自然死する。

 女郎蜘蛛のメスは400個の卵を絹糸状繊維で覆う。春に孵化した子蜘蛛は、風が吹くとその綿毛を凧にして空中旅行し、棲息地を拡げる。

 ある昆虫学者さんいわく。女郎蜘蛛は益虫である。別な外来の虫であるクサギカメムシ(花卉、穀物や果樹にとっての害虫で、しかも非常に臭い)は北米では天敵を持たぬが、女郎蜘蛛の巣にはかかる。虻や蚊も、減るのである、と。

 ※ナインギャグにこんな投稿があった。家の中でゲジゲジを見ても殺すな。ゲジゲジは害虫ハンターで、その家の中に害虫がいなくなれば、じぶんから出て行く。巣をつくることも、家を汚すこともないのであるから、と。

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 2021-11-6記事「How bad is plastic?」。
    世界初のプラスチックは、1907年に、化学者のレオ・ベークランドが発明した。

 プラスチックは、人造される以前には、この地球上には存在しなかった分子である。
 その名前は、「多」「重合」を意味する「Poly」から来ている。

 プラスチックの分子はどれも、鎖が長い。
 じつは、鎖が長いから、成形がしやすいのである。

 だから、望んだ形状の製品を、大量生産するのが楽である。今日、世界では、1秒ごとに2万本のプラスチック瓶が製造されている。1日だと、20億本になるだろう。

 分子の鎖が長いと、この地球上で天然進化してきたバクテリアの消化能力では、それを分解することができない。だから、プラスチックのゴミは、半永久に残ってしまう。

 「スタイロフォーム」のような発泡樹脂は、1年強で分解されることもあれば、1000年経っても分解されないこともある。これは1年前に、米国の学者がまじめに調査したリポートである。

 ナイロン類似の釣り糸。これを水中に投棄すると、なんと、600年も、腐らずに残るという。

 また最近の研究でつきとめられたこと。プラスチックは、直射日光にさらされる環境に捨てられると、早く分解する。
 従来、ポリスチレンは環境中で数千年も残り続けると思われていたのだが、もし太陽光線にされされる場所であれば、それは200年で分解するという。

 石炭紀に、植物はある発明をした。「リグニン」を合成するようになったのだ。当時の地球には、リグニンを消化分解できる虫もバクテリアも真菌もなかった。リグニンとは、すなわち木質である。

 それゆえ、樹木が死ぬと、幹と枝はひたすら森の地面に堆積した。数百万年、それが繰り返されて、石炭層ができあがったのである。

 ところが、石炭層の生成は、ある時期から、みられなくなる。それは、リグニンが出現して3億年が経過するうちに、真菌(キノコや黴)が、そのリグニンを生物分解して栄養に転化できるように進化を遂げたからだ。

 たぶん現代人類は、バクテリアの進化を加速させて、プラスチックを分解するバクテリアを増やすことができるだろう。

 日本の研究チームが2016年にPETを分解できるバクテリアについて『サイエンス』誌で報告している。プラごみ置き場の堆積物中から、それを発見したのだ。彼らは、そのバクテリアがプラスチックを分解するのに使っている酵素もつきとめた。

 その後、各国の研究チームが、PETの分解を加速させる酵素や工程につき、次々と新しい発見をし続けている。
 ただ、困ったことは、プラスチックは炭素の塊でもあるので、分解すると二酸化炭素が出てくること。

 また、プラスチックに分解酵素や触媒を早く作用させるためには、工程の前半で溶融させねばならない。これにはたいへんなエネルギーが必要で、その点、エコともいえなくなる。

 「バイオプラスチック」という名前には要注意だ。これは新しい発想ではない。
 たとえば昔のフイルムの材料であったセルロイドは、セルロースから作られていた。
 1941年には、フォード社が、大豆タンパク由来のプラスチックで、自動車ボディを作ってみせている。

 近年、ジャガイモやトウモロコシからバッグを製造したとかいう話が報道されるが、今年4月にジョージア南部大学のチームが調べ上げたところでは、そうした新顔の「バイオプラスチック」の半数は、自然状態では生物学的に分解が進まない素材なのだという。のこりも、工場で専門の処理をしない限りは、堆肥化もできない。もし不燃ごみとして埋め立て地に積み上げられれば、従来のマイクロプラスチック同様に、やがて海洋生物の体内に蓄積してしまう。ちっともエコじゃないわけだ。

 豪州クインズランド大学は、PHAという有望なバイオプラスチックを開発した。従来のPETの4倍のコストがかかるが、このボトルを海に捨てた場合、最短1年半、最長3年半で、勝手に自然分解するという。ただし、分解するときに二酸化炭素が出るので「グリーン」だとは言えない。

 英国の研究チームは、製鋼工程に、コークスの代わりにプラゴミが使えるという提案をしている。超音波によってプラスチックを水素と炭素に分解。その水素で酸化鉄を還元。その鉄に炭素を結合させてスチールにする。
 もしこれが実現すれば、自然分解され得ない「バイオプラスチック」よりは、健全な話だろう。

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 indomilitary の2021-11-8記事「Motor Sich Ukraine supplies 30 engines for Bayraktar Akinci drones」。
   Rotaxエンジンの禁輸をくらってしまっているトルコのバイカル・マキナ社は、ウクライナの「Motor Sich」社から輸入した「AI-450T」ターボプロップエンジンを、自社の「アキンジ」無人攻撃機に搭載することにした。とりあえず来年、30基。1基は750馬力である。

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 ストラテジーペイジの2021-11-8記事。
    米陸軍がいま、悩んでいること。
 ドリルサージ(新兵教練係の軍曹)の成り手がない。

 教練中にたまに新兵が心臓発作で死に、それがマスメディアでデカデカと書き立てられるものだから、そのたびに将官連中が過保護な新規則を次々発令して、今では、鬼軍曹が新兵をまったく鍛えられなくしてしまった。

 だが、訓練に身が入らない理由はそれだけではない。白人教官が黒人新兵を指導できないのだ。人種差別だと言われるので。これのおかげで、軍隊内で、必要な規律が保てなくなっている。

 軍隊の金言は古今不易である。平時に訓練で汗を流しておけば、戦場では血を流さずに済む。平時に兵隊を甘やかしていたなら、イラクやアフガニスタンではもっと死傷していたはずである。

 第二次大戦中、米陸軍は、兵隊たちにアンケートをとっている。その結果わかった、驚くべき感想。みんな「訓練が甘っちょろすぎる」と感じていたのだ。
 戦中と戦後の訓練内容を知っている人に言わせると、戦中の新兵の基礎訓練は、戦後に比較して、すこぶるハードなものであったそうである。それでも、当人たちには、不足と実感されたのだ。いざ戦地に出たときに。

 90年代の最悪の強制は、男と女の新兵をいっしょにして同じメニューの基礎訓練をさせたことだった。これは議会からの圧力に起因する。おかげでコソヴォへは、使い物にならないレベルの部隊がたくさん出動することになった。

 鬼教官が怒鳴って新兵を鍛え上げる、このスタイルが議会によって否定された。なぜなら女の新兵は怒鳴られると辞めてしまうのである。結果、こんどは男の新兵に規律を叩き込むことができなくなった。

 2001-9-11事件が、流れを変えた。さらに2003イラク占領作戦でも、90年代のずんだれた訓練では誰の為にもなりはしないことが理解された。

 しかるにイラクとアフガンから米軍が足抜けしてしまったことにより、またしてもこの頃、90年代の悪い圧力の復古版が、議会方向からかかりはじめているわけだ。

 近年、輪をかけて酷いのが、黒人の新兵をドリルサージが怒鳴りつけると、それは人種差別だと言われてしまうこと。これでは軍曹は仕事ができない。「やってられぬ」と思う。
 真面目な軍曹は、燃え尽きて除隊してしまう。