ノウハウの蓄積で先行できるから。
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Stavros Atlamazoglou 記者による2021-11-15記事「Why America never sold the F-22 Raptor to foreign countries」。
F-22は186機製造されたが、そのうち130機ぐらいしか、かつて、作戦飛行したことはない。
スペアパーツがないので、今後、実戦が起きたとしても、100機以上のF-22が飛ぶことはない。すなわちF-22は「絶滅危惧種」だといえる。
2011年をもって製造を打ち切ったロックマート社のF-22製造ラインは、F-35用に転用されている。
F-22を買いたいと求めた外国には、イスラエル、日本、豪州がある。すべて断られた。
記者いわく。米国はステルス製造技術がロシアや中共へ漏洩するのを警戒して、F-22を門外不出にした。
イスラエルには、米国から輸入したF-16をリバースエンジニアリングして「ラヴィ」を造り、その技術を中共へ売ったという前科がある。「J-10」はその産物なのだ。
空軍内部には、F-22の輸出専用バージョンを作って輸出すればいいじゃないかと信ずる者もいた。
しかし議会は、その予算を拒否した。F-35計画が進んでいたので。
※この記事に新味は無いが、「ウォー・ゾーン」スタッフが情報公開法を駆使して、なぜF-22の輸出が認められなかったかの理由を改めて探ったというところに意義がある。肝心なところは未だに公表されていないと疑える。
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Shoshana Wodinsky 記者による記事「Hundreds Stung as Extreme Storms Unleash Scorpion Plague in Egypt」。
エジプトのアスワン市に大雨洪水と降雪があり、この気象脅威から逃れようと、戸外の巣にいられなくなったサソリが人家の中へいっせいに逃げ込んだため、蠍に刺されてしまう人の被害が相次いだという。
日曜日にエジプトのメディアが報じた。
週末に、450人以上が刺されて、3人が死んだという。
蠍の種類は特定されていないが、BBCによれば、たぶん「ファット・テイルド・スコーピオン」と呼ばれるやつではないかと。こいつは1時間未満で人を殺せる毒を持っている。ただしエジプトの病院ではその手当ては可能だ。
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ストラテジーペイジの2021-11-16記事。
中共海軍は最近、敵の港湾内の水中で核兵器を炸裂させると在港の軍艦や埠頭施設にいかなる破壊力を及ぼせるか、大量の通常炸薬の実爆によって試験した。
海軍将校が語った話がオープンになっている。
実験した港の名前は明かされていないが、一般船舶をぜんぶ立ち退かせてから爆発させた。
水中を伝わるショックウェイヴで、岸壁等をどのくらい破壊できそうか、測定されたようだ。
冷戦時代、ソ連が開戦直前にひそかに米本土の港湾に核爆弾を置き去りにしておき、開戦と同時にそれを炸裂させたらどうなる、というシナリオが検討されたことがあったが、非現実的だと結論された。
※全面核戦争を直前にとりやめに決めたとき、すでに仕掛けてしまった核爆弾をどうやって回収できるのかという話。政治的にデメリットしかない。開戦と同時に弾道核ミサイルで外国の港湾を攻撃する意味については、拙著『東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる』を読み返してみてください。
東京と神戸に核ミサイルが落ちたとき所沢と大阪はどうなる (講談社+α新書)