真にステルスのフリゲートを造りたかったら「無航跡」を実現しなければダメだという話。

 ストラテジーペイジの2021-11-20記事。
    今月、中共は3機編隊の「遥感衛星」(リモセン衛星)をLEO(高度600kmより低い軌道)に投入した。
 「遥感35号」と称している。
 3機編隊衛星は、合成開口レーダーやマルチスペクトラム光学センサーや電波受信アンテナを備え、傾斜軌道を周回しながら、米空母艦隊の動静を追いかける目的をもつ。

 表向きは、農業省がコントロールする農地の作柄観測用であるなどと言っているが、誰も信じていない。
 旧ソ連も、「コスモス」スパイ衛星シリーズはぜんぶ民生用だなどと平然と嘘をついていたものだ。

 南シナ海の緯度範囲を見張れる傾斜軌道の衛星をげんざい中共は10機ぐらい廻している。

 もし、3m×3mの海面物体を探知したければ、合成開口レーダー衛星1機で、幅40kmの海面を斜めにスウィープできる。
 もし、もっと解像度を悪くし、20m×20mの海面物体を探知できるだけでよいとするならば、合成開口レーダーで幅100kmの海面を斜めにスウィープできる。

 3機編隊ならその3倍の幅でスウィープできるわけである。

 衛星情報の他に、中共は、海中に設置した多数のセンサーによっても、米海軍の動きを把握したいと思っている。パラセル諸島内には、そのASW情報を統合する施設がある。

 米海軍は、偵察用のUUVを2000機も持っており、これを放ってシナ大陸沿岸の海中を探らせている。

 2021年の中共の衛星投入活動はかつてなく活発で、「遥感」35号の打ち上げは、今年になって43番目の宇宙ロケットでなされている。

 ※80年代末から思っていることなのだが、初期の日本のマルチスペクトラムの資源探査衛星や測地衛星のカラー処理画像を見れば、すでに、小船艇の「航跡」までバッチリ写っているのである。それも雲を透過して。航跡は何kmもの線分模様だから、空母やマンモスタンカーの全長よりもとうぜんに大きく、低解像度でも必ず映る。フネそのものがマイクロサイズでも、あるいは、そのフネが衛星の視界外へ逃れても、航跡の温度差だけは何時間も海面にずっと残り続けるものなので、90年代以降、ある海域や海岸にこっそりとフネで近づくということは不可能になっているはずなのである。この宇宙からの海洋監視が実効的に機能しないのは、傾斜軌道衛星の数が足りないからなので、その数をやたらに増やしさえすれば、広い海域の「ニア」常続監視は可能になる。ようやく中共はその実験ができるようになったのではないかと疑う。

 次。
 コンビニエンスストアニューズの2021-11-18記事「A Game-Changer for Managing Fuel Inventory」。
    米国ではコンビニでガソリンを売っているのだが、悪いことを考えるやつはどこにもいるもので、「中間窃盗」が可能なのである。
 具体的にはどうするかというと、これはガソリン運搬トラックのドライバーと、コンビニ店主とで、やり方が違ってくる。

 タンクローリーのドライバーは、〔たとえば月イチのペースで〕4000ガロンを届けるときに、そこから500ガロンを抜いて窃取してしまう。そのあと、500ガロンの水を継ぎ足し、全体量には不足がないようにするのだ。

 コンビニ店主の場合は、帳簿外でガソリンを売ってその代金を私服し、地下タンクに同量の水を注入するか、コンソールを不正に操作して帳尻を合わせる。

 この手の中間窃盗は長年の悪慣行だという。これを不可能にしてやるために、「IoT」技術を応用する提案がなされている。

 ガソリン小売店の地下タンクの在庫量と、そこに含まれている水の割合をリアルタイムで弁別できるセンサーがあるので、それを仕掛けるという。

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(管理人Uより)

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