退職自衛官たちがベンチャーを起業しないという覇気の無さが、日本の問題なのである。

 ストラテジーペイジの2021-11-21記事。
   ポーランドは、ロシアによる侵略戦争の脅威に直面して、国防軍の規模を、倍増するしかなくなっている。まもなく、トルコを除けばNATO内で最大の30万人規模に膨れ上がる見通しだ。

 現在のポーランド軍は、陸軍11万人、空軍1万6500人、海軍7000人、特殊部隊3500人、憲兵4500人、総司令部と支援部隊に9000人といったところ。

 そのうち陸軍の構成は、4個師団+5個独立旅団、支援部隊、そして総勢3万人強の地域防衛軍(郷土防衛隊)だ。

 規模拡大によって、常備軍は25万人、郷土防衛隊は5万人になるであろう。
 すごいのは、これが全部、志願兵なのである。ポーランドには徴兵制は無い。

 あらたに志願兵を募ると同時に、志願兵の一任期の長さを延ばす。

 ポーランドはすでにGDPの2.2%を国防費に充てている。金額にすると131億ドルである。
 これと並ぶ努力は、NATOの欧州加盟国では英国のみ(同じくGDPの2.2%)。

 ちなみに米国はGDPの3.7%、ロシアは4.3%を国防費に充てている。

 非欧州だと、たとえばインドはGDPの2.9%、韓国は2.8%、豪州ですら2.1%を国防努力に投じている。
 (北鮮はおそらく25%を割いているが、その分母のGDPのサイズは韓国の5%でしかない。)

 金額で見ると米国の軍事費は全世界の軍事費の39%にもなる。それは米国に続く14カ国の合計よりも大きい。

 ポーランドの立場は、国軍が必要とする兵器弾薬のほとんどを輸入に頼るサウジアラビア(GDPの8.4%を国防費に支出)とはずいぶん違う。自国内で、一線レベルの軍艦を建造できるし、終末誘導できる長距離地対地ロケット弾もライセンス生産できるのだ。だから、国防費の多くは国内経済に流し込まれる。

 郷土防衛軍(TDF)は、米軍の「予備役部隊」と似ていて、毎年30日間だけ、訓練召集がある。これも志願制である。
 編制は旅団規模で、ポーランドの全16州と首都に、合計17個、置かれる。旅団は5個歩兵大隊から構成される。
 ※五単位制は、防御に適している。三単位制は、攻撃向きである。

 このTDFと同様の制度は、バルト三国にも在る。

 米国は、バルト三国とポーランドに、それぞれ1個大隊(1000人)をいつでも急派できるような態勢にある。しかしロシアの野心を阻止するのにそれで十分とは思えない。

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 AFPの2021-11-21記事「12-year-old girl’s marriage causes stir in Iraq」。
   イラクで12歳女子の「児童婚」が法廷沙汰になっている。
 イスラム圏の各地では現在でも15歳未満の女子を親が強制婚姻させてしまう慣行が見られる。

 しかし今回のケースでは、母親が大反対したので裁判になった。父親が娘を誘拐したと訴えられている。

 イラクの俗世法では、合法婚姻可能な下限は18歳である。しかし宗教法では15歳まで可能とされ、慣行ではもっと低年齢でも「あり」だ。

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 Pierre-Henry DESHAYES 記者による2021-11-19記事「First electric autonomous cargo ship launched in Norway」。
    完全に無人運航の、電池とモーターで動く貨物船が、ノルウェーの内航路線に投入される。全長80m、3200トンの小型貨物船(たとえば肥料入りの120個のコンテナを積める)が、ノルウェーの造船所でできあがった。

 巡航速力7.5ノットで、12kmの沿岸航路を往復する。
 これから数ヶ月、試験航海させてみる。

 従来の「機関室」は電池室になっており、充電容量は6.8メガワットアワー。テスラの自動車×100台分だ。
 ノルウェーは水力発電の電気が余っているので、この充電のために二酸化炭素が増えることはない。

 現況、海の船舶が放出している地球温暖化ガスは、全人類の放出する地球温暖化ガスの3%を占めている。

 ある海上交通の専門家氏いわく。電動式の商船は、短距離でルートが定まっている路線、たとえば短距離のシャトル便的なカーフェリーやタンカーであったら、すぐにも導入でき、じっさいノルウェーには多いのだが、長距離の外航船となると、難しい。

 自動航海も、とうぶんは、短距離の沿岸路線でノウハウを洗練しなければならない。
 充電用のインフラ整備の課題もある。

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 2021-11-20記事「British Navy tests new .50 machine gun mounting system ASP」。
    英国海軍の『23型 デューク』級のフリゲートには、12.7ミリの単装舷側機関銃が備えられているのだが、このピントル式銃架が、まったくぶれないように半自動で安定し、命中精度を高めてくれる、最新のシステムに、このたび更新された。ASPと称している。

 このASPを使えば、小型のスピードボートに対し、非常に正確に射弾を送ることができる。
 従来は、こっちが揺れの大きいフリゲートで、相手が高速小型艇だと、めったに機関銃のタマは当たるものではなかったのだが……。

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 2021-11-20記事「British Royal Navy tests drones which could be adapted to carry supplies and cargo to ships and personnel」。
    物資だけでなく、人間ひとりを吊り上げて、補給艦と軍艦の間を輸送することができる、強力で小型のマルチコプターを、英海軍は公募していたが、良いモノが見つかった。

 いちどに100kgを運搬できる。
 競争試作に勝ち残ったメーカー2社は、さらに、吊り上げ能力を、200kg以上に向上させると言っている。

 じつは英国では、シリー諸島のような沿岸離島部に郵便を届けるためのシステムとしても、ドローンが公募されて実験されていたのである。だから複数のベンチャーが国内で育っており、下地がある。