ウクライナ軍がいよいよロシア製AFVに対して米国製のジャヴェリンを使い始めた。

 ストラテジーペイジの2021-11-23記事。
   米空軍のWC-135は、他国が実験した核爆発や核事故の正体を窺知するため、空中の塵を採取する機材として、1960年代から飛んでいる。

 ぜんぶで11機が製造されたものの、今は、たった1機だけが現役だ。そしてその1機は、西太平洋に張り付いている。いつでも核実験しそうな対象国は、北鮮ぐらいだからだ。

 だが10月の後半、WC-135は、南支海岸を任務飛行した。
 人々は、こう疑った。
 南支の原発のひとつから少量の放射能が漏れているにもかかわらず、中共当局は、その炉を停止させないばかりか、却って漏出レベルを緩めさせる指示を出している。国内の電力需要に比して総発電量が不足であるためだ。

 だがWC-135は大きな漏出を検知しなかった。
 そして判明した。
 じつはこの飛行機は、南シナ海で船体を破損させたSSN『コネチカット』から放射能が漏れなかったかどうかを、調べたのであると。

 『コネチカット』は浮上してゆっくりと2週間かけてグァム島まで戻っている。

 なおこの水中衝突事故に関して、艦長、副長、先任兵曹長の3名が解職されている。航法手順は無視されており、乗員の訓練もなっていなかったようである。

 2006年に別なSSNが海嶺に激突した事故では、VMS(デジタル海図)のアップデートをしそこなったか、アップデートしていたのにそれを正しく利用していなかったことが事故原因だったようである。

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 Chad Garland 記者による2021-11-23記事「Navy security officer arrested on sex trafficking charge in Virginia」。
    火曜日、勤続27年、47歳のチャールズ・クランストン海軍中佐が、リッチモンド市近くのヘンリコ郡警察によって逮捕された。
 売春婦の不法入国就労を手配し、客を斡旋してカネを稼いでいた容疑。

 もとからの将校ではない。最近まで、ノーフォーク軍港にある米海軍連合艦隊コマンドの警務部門に在籍。「先任警衛兵曹(マスター・アット・アームズ)」として。FY2022に中佐昇進が決まったばかりだった。

 ※古株の兵曹からいきなり中佐へ昇進できる人事の仕組みがあるとは知りませんでした。

 ※すべての海軍には暗闇があるが、米海軍の場合、古手の兵曹がアルバイトとして売春宿を経営する。これは米国内だけでなく、海外基地の城下町でも、手広くやっている。組織として米海軍は、これを根絶する気はないようである。海軍の将校団は、下士官・兵の世界には干渉をしないのだ。今回の事案は、地元警察の目に余ったのか、あるいは、海軍将校団の、この特務士官に対する嫌悪感がリミットを越え、地元警察に動いてもらったという可能性もあるだろう。

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 Patrick Howell O’Neill 記者による2021-11-23記事「NSO was about to sell hacking tools to France. Now it’s in crisis.」。
    フランス外務省が、イスラエルの「NSOグループ」から、「ペガサス」というスマホ監視ソフトを、大金を払って購入しようとしている――という報道がなされ、仏政府は足元に火がついている。

 というのは「ペガサス」は、世界の人権無視政府が、自国内の政治家やジャーナリストや人権活動家たちのスマホをこっそりと監視するためのスパイウェアとして、悪名高いからだ。

 米商務省は今月、「NSO」社を制裁リストに加えている。もし米国人がNSO製品を買えば、処罰対象だ。

 「ペガサス」を公然と調達している西側国家としては、ドイツ、スペイン、メキシコがある。
 組織犯罪やテロの取り締まりには、ほぼ理想的なツールだからだ。
 メールのやりとりだけでなく、スマホに保存されている写真まで、こっそり取得できてしまう。

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 『サウスチャイナモーニングポスト』の2021-11-23記事「 Chinese hypersonic test included path-breaking second missile launch, say US reports」。
   6月27日のテストで、中共は、マッハ5で飛翔する「母機」からミサイルを分離・射出してみせた。
 分離されたその「子ミサイル」はロケットで動力飛行し、南シナ海に突入した。

 この特だねは『フィナンシャルタイムズ』と『WSJ』が報じている。

 第一報は『FT』紙で、週末。
 それを『ウォールストリートジャーナル』紙が月曜日に裏付けた。

 27日の実験は、まず弾道弾のブースターを北向きに発射。その弾頭部は、地球を半周以上して南から南シナ海上空へさしかかり、ハイパーソニック滑翔弾となり、「子ロケット」を分離。その「子ロケット」は、何もない南シナ海に墜落した。母機のハイパーソニック滑翔体はそのまま飛び続けて、内モンゴル砂漠に落下した。

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 Joseph Trevithick Thomas Newdick Tyler Rogoway 記者による2021-11-22記事「China’s Hypersonic Mystery Weapon Released Its Own Payload And Nobody Knows Why (Updated)」。
    『フィナンシャルタイムズ』は11月21日号にて、6-27の中共HGVはマッハ5以上で飛びながら「ペイロード」を分離投射してそのペイロードを南支那海に落としたと報じた。「子弾」を分離した高度は、大気圏内であった。

 打ち上げブースターは「長征2C」だったと考えられている。
 HGVはFOBS軌道をとった。

 ※これは報道されていない「X-37」(無人宇宙爆撃機)による能力誇示が先行していると私は見る。ロシアはそれをSAMで撃墜しようと敵愾心を燃やしていて、この前のASAT実験を強行した。かたや中共は、「俺たちにもX-37と同じことができる」と主張したいのだろう。米空軍には特に慌てる様子が無い。とっくの昔からX-37にはFOBSやHGV以上の仕事ができるのだろう。

 中共HGVから分離されたペイロードだが、ペンタゴン内部の幾人かは、それはAAMだったのではないかと想像しているという。だが記者は疑う。それは合理的ではない。※オフザシェルフのAAMでは強度不足ですぐ壊れるはずである。空気抵抗で。

 核爆弾の模擬弾だったと想像する方が合理的だろう。中共は《米軍のMDなど無駄だぞ》とデモンストレーションしたいのだろうから。

 『FT』によると、落下した海上には何の「標的」もなかった。

 米空軍は1960年代に「X-20 Dyna-Soar」という有人のハイパーソニック爆撃機を計画したことがある。メーカーはボーイング社。
 中共分析プロのアンキット・パンダは11-22にSNSに投稿した。中共は「X-20」の無人版を試作したのではないか、と。