敵前でも急速に機雷堰を構成できる敷設艇をさらに2隻、台湾海軍が受領した。これで計4隻。

 『The Maritime Executive』の2021-12-17記事「Failure to Disconnect Car Batteries Caused Inferno Aboard Hoegh Xiamen」。
    2020-6-4にフロリダ州ジャクソンヴィルの港内でノルウェー船籍のRo-Ro自動車運搬船『Hoegh Xiamen』(全長600フィート)が燃え、その被害総額は4000万ドルと算定されているが、NTSBが原因の調査結果を公表した。
 船内に積まれていた、中古車のバッテリーが発火した、と。

 ※NTSBは航空機事故専門ではなく、陸海空の輸送機材の事故すべてを調査するのだな。

 同船は、ボルチモアへ向けて出港しようとして準備をしているときに、火災を発生させた。

 ブリッヂよりも早く、埠頭にいた人が、換気孔からのスモークに気づいた。

 下から8段目のデッキが出火場所であることをクルーがつきとめた。そこには中古車が積載されていた。
 火はそこから延焼し、8日間燃え続け、同船内の中古車2420台は全焼。

 ジャクソンヴィルの消防隊員が9人、負傷している。21人のクルーには怪我はなかった。

 同船はスクラップとして売られるためにトルコへ曳航された。

 NTSBいわく。中古車のバッテリーは、正しい手順に従い、結線をはずしておくべきところ、そうなっていなかったので、短絡が起きて、発火した。

 なぜブリッヂでのリモート火災探知が遅れたかというと、積荷作業がぜんぶ終わるまでは、火災警報システムがOFFになっているから。

 そしてまた、船長は、船に設備されている消火システムを作動させるのを躊躇してしまった。

 2019に別なRo-Ro船『グランデ・エウロパ』で類似の火災があり、それを承けて危険物関連の規則が改められていたのだが、HX号はその規則を守っていなかった。

 HX号が積んでいた中古車は、「非商用の中古の人員輸送車」で、しかも自走ができずにフォークリフトで搬入しなければならない損壊状態のものまで含まれていたと、報告書は指摘している。
 ※まさか中東から引き揚げたMRAPじゃなかろうな?

 チャーターした会社は、積み込んだ中古車のバッテリーの配線を外す手順を定めて示達してあった。港湾作業員たちはそれを守っていなかった。
 事実上、結線を外されたバッテリーは、ひとつもなかったのではないかと疑われている。

 ※そら2000台もあったら、やってられんわな。こんどは着荷港でロールオフさせるときにどうするんだという話。

 ※今後、電動自動車の中古車が数千台もいちどに海送されるようになったときが、おそろしい。

 次。
 Jonathan Lambert 記者による2021-12-16記事「A terrifying robot can thwart invasive mosquito fish」。
    アメリカめだか(カダヤシ)が、欧州や豪州へ持ち込まれて生態系を乱している。そこには天敵がいないから、のびのびと、悪さをし放題だ。

 そこで、アメリカめだかを恐怖のどん底に叩き落す、見た目の凶暴さを増幅した天敵魚形ロボットを放ってビビらせるのはどうかという研究が進められている。

 北米では、オオクチバスが、アメリカめだかの捕食者である。魚形ロボットは、このオオクチバスの特徴を、さらに色彩的に強調したものだ。

 なぜ米国西部と南東部の内水に棲むアメリカめだかが世界中に拡散したのかというと、20世紀に、マラリアを撲滅するために、マラリア蚊のぼうふらを、こいつに喰わせればいいと、イージーに考えたわけだ。

 しかしアメリカめだかとしては、ぼうふらよりも、他の魚類やおたまじゃくしや卵をかじる方が楽なので、ただ現地の生態系がかき乱されるだけの悪結果を招いてしまった。

 天敵がいなければアメリカめだかは単独で水域を泳ぎまわる。しかしこのロボットオオクチバスをみかけるや、アメリカめだかは集団で固まり、もはや単独であちこちを探検することはない。

 結果的に増殖も抑えられる。