英SASのモットー。敢えてやる者が勝つ―― qui audet adipiscitur ――。

 YIMOU LEE and DAVID LAGUE 記者による2021-12-20記事「T-DAY:The Battle for Taiwan」。
   大陸政府の手先たるスパイ工作員の頭文字XXは、表向き、香港のビジネスマンだが、20年以上も、台湾国内で、手下のスパイになる人物を物色してきた。
 そして2006年、将来有望な退役の台湾海軍将校を一本釣りした。

 XXは、現役や退役の台湾軍将校の中にネットワークを構築。それらの面子を家族ぐるみ、アゴアシ付き旅行で接待し、キャッシュで数千ドルを与え、女房用の高額な贈り物などもくれてやり、味方にとりこんだ。

 2019-6に台湾当局はこのネットワークの一斉逮捕に動いた。XXの逮捕状も取ったが、XXは気づいて台湾を出ていた。

 今年発覚したケースはもっと深刻。台湾総統の警固チームの何人かが中共に一本釣りされていたのだ。ボディガードの退職者のみならず、現役の憲兵中佐までが含まれていた。

 過去10年、台湾軍の大尉以上の階級の将校だけでも、すくなくも21人(現役と退役含む)が、中共のためのスパイを働いた罪で有罪になっている。

 そして今現在、すくなくも9人の台湾軍将兵(退役者含む)が、スパイ容疑で裁判の途中にある。

 元台湾の国防次官の将軍までが、中共への内通者だったのではないかと疑われている(それも2006から)。要するに台湾軍は上から下まで信用できない。なかんずく国民党支持者は信用できない。

 ※要するに台湾に何か情報を与えるということは、それはそのまま中共へダダ漏れになるということなのである。だから対岸からの弾道弾発射を見張る高性能レーダーサイトなどは、施設内部で米国人がじかに運用していて、得られた情報は基本的に台湾人にはリアルタイムで見せないという流儀に徹していると想像される。

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 Dave Ress 記者による2021-12-21記事「Fort Eustis to get new boats, and a waterfront facelift to match」。
   米陸軍は、新型の戦車揚陸艇、MSV(L)=機動支援艇(軽) を10隻、調達した。
 全長117フィート、幅28フィート、吃水は4フィート5インチである。
 ベトナム戦争時代の設計であった旧来のLCMマーク8= 車両装備揚陸艇8型 (俗称「マイクボート」)を更新する。

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 Joseph Trevithick 記者による2021-12-20記事「Navy Special Ops Has Adapted RQ-21 Blackjack Drones To Deploy Smaller Quadcopters」。
   ボーイングの子会社のインシツ〔ラテン語 in situ は「あるべき場所」〕は、固定翼の無人偵察機RQ-21「ブラックジャック」の腹に小型のクォッドコプターを抱かせて飛ばし、飛行中にそれを放出させるという新用法を構想している。
 ブラックジャックは米海軍で使っている。

 ブラックジャックの胴体の腹部には大きな凹みがしつらえられてあり、「モジュラー・ペイロード」と称するさまざまなモノをそこに嵌め込んで可い。

 ※この「親子式」のUAVは、これからの主流になるのだと思う。超小型UAVの航続力の無さがカバーされるので。陸戦に応用される場合は、放出される「スウォーム子弾」ともいえるクォッドコプターが、敵兵士ひとりひとりをロックオン追尾して自爆する、対人ミサイルとなるだろう。