なぜ握力計に「乾電池」が別途、必要なのか。グリップで発電するようにしとけばいいじゃない?

 ついでに、内部の充電式電池もしくはコンデンサーを急速放電する「ニクロム線抵抗器」回路もついていれば、マッチが無い場所で火おこしができる。あるいは北極海で遭難中に指先を暖められる。無駄に便利で面白いじゃないか!

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 David L. Chandler 記者による2021-12-21記事「MIT engineers produce the world’s longest flexible fiber battery」。
   充放電が可能なリチウムイオン電池を、繊維状に細長くすることにMITチームが成功した。長さ140mという。
 洗っても、何の問題もないそうだ。

 こういうものが実用化されると、日常着用する衣服がそのまま、バッテリーになったりするのはもちろん、さまざまな形状のハードな構造体にこの繊維を仕込んだり巻きつけたりして、電源の容量や設計自由度を増大できる。

 この細長い電池は防水で、長さに制限はない。1kmにこしらえることもできたが、とりあず140mにしたのだという。

 ところで140mタイプで、電気容量はどのくらいなのだろうか? 「123ミリアンペア・時間」だそうである。スマートウォッチの電源には十分だ。

 ファイバーの厚さは、数百ミクロン。

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 2021-12-21記事「’Wonder material’ phosphorene nanoribbons live up to hype in first demonstration」。
   ホスホラン(有機燐化合物官能基)を原子1個分の厚さのナノリボンにすると、やたら効率的な光発電素子ができるという。ソーラーパネルの将来の大改善に結びつく新技術。

 開発しているロンドンの2つの大学では、これは「ワンダー・マテリアル」だと自画自賛。

 既存のシリコンの太陽光発電パネルとくらべて発電効率は21%増えた。

 ※3Dプリンターでフィルム化できるようだから、これと繊維状のリチウムイオン電池を組み合わせれば、成層圏を半永久に浮揚させておく、通信用の風船が作れるだろう。

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 indomilitary の2021-12-24記事「Chinese Navy ‘mutates’ Type 056A Corvette into Coast Guard Patrol Ship」。
   中共海軍の『056』型のコルヴェット艦×1隻が海警に所属変更された。対艦ミサイル(YJ-83×4発)や324ミリの対潜魚雷は撤去しているが、主砲の76mm(AK-176)はそのまま残してある。対空ミサイルや30ミリのCIWSも、たぶん外すだろう。

 おそらく『056A』型だろう。これには深度可変式曳航ソナーが最初からついていないのである。
 といっても老朽のボロ船とは違う。『056』型の一番艦ですら、8年前の建造だからだ。現役で十分使える新古品の転用だと言っていい。

 『056』は海警船艇のバックアップとして、これまでも南シナ海で、海警の後ろ盾として活動してきた。おそらくインドネシア海軍の『ディポネグロ』級(シグマ9113級)コルヴェットに洋上で対決する必要を感じているのだろう。

 『056A』の全長は90m、全重1500トン。『ディポネグロ』は90.7m、1692トンである。
 どちらも、ヘリ格納庫はないが、ヘリ甲板はある。

 インドネシア海軍もさらに対抗策を強化せねばならない。古いオランダ製のコルヴェットである『ファタヒラー』級を、海上国境警備用に転用するべきである。もちろん対艦ミサイルは装備しないものだ。

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 Kristin Huang 記者による2021-12-25記事「China’s well-oiled military machine launches three warships in one day」。
   上海に近い造船所で1日に3隻の軍艦が進水した。
 1隻は『071E』級揚陸艦。ヘリ空母のようなもので、泛水ドック内臓。タイ海軍へ輸出される。2019年9月に受注していた。

 2隻は『054』型フリゲートで、その1隻はパキスタン海軍に輸出される。2017~18に4隻受注していたうちの1隻だ。

 中共海軍の『054A』型はすでに30隻が運用されている。

 中共には軍艦を建造できる工廠が20以上あり、他に大規模な民間の造船所が数十箇所ある。

 中共は、ことし1年で8隻の駆逐艦と6隻のコルヴェットを新規に就役させた。

  ※1年に14隻の新造軍艦に、まともな士官と兵曹を配乗させられると思います? 軍艦は商船と違って、とことん省力化することはできないのですよ。これが意味していることは何なのか。知りたい人は、拙著・最新刊『亡びゆく中国の最期の悪あがきから日本をどう守るか』をお読みください。



亡びゆく中国の最期の悪あがきから日本をどう守るか 国防秘策としてのプロスペクト理論