ロシアに対抗して米軍が欧州域にふたたびINFを展開する決断をバイデンは迫られている。

 とっととやれという話だ。さもないと極東域にも長距離ミサイルを展開できず、対支抑止がちっとも進まず、南北朝鮮だけが勝手に長距離ミサイルを増強することになってしまう。

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 STEFANIE DAZIO and BRIAN MELLEY 記者による2022-1-8記事「Coast Guard announces safety rules after deadly boat fire」。
    2019年のレイバーデイに加州サンタバーバラ沖でスキューバダイビング客を乗せた大型プレジャーボート『コンセプション』号が夜間に船火事を起こし、発見が遅れたために下のデッキから34人が逃げられなくなって焼死した事故。
 船長と5人のクルーは全員、就寝していたというお粗末さ(クルーの1名も焼死。他は生還)。

 この規模の遊覧客船に対する規制強化の必要が世間に認識された。

 火災報知器と消火システムを備え付けること。避難路の改善。夜間の見張りを助ける器材を搭載すること。また夜間に頻繁に船内見回りをすること。

 『コンセプション』のケースでは、船長ら、上甲板より上で寝ていた者たちは、全員、避難できた。

 船内でのリチウム充電池の取り扱い指標も作成される。火元となり得るので。

 『コンセプション』号の火元はメインデッキのサロンの後方。そこでダイバーたちが、携帯電話や、水中ライト用のリチウムイオン電池に、夜中の充電をさせていたという。

 延長コードを使った蛸足給電についても、沿岸警備隊は、指針案内書を発行するであろう。出火原因と疑われているので。

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 Patrick Tucker 記者による2022-1-7記事「Common Office Desk Phone Could Be Leaking Info to Chinese Government, Report Alleges」。
   中共の「イェーリンク」製ほかの卓上電話機(IPフォン)が、1日に3回、暗号化されたデータを、中共内のサーバーに向けて勝手に送信しているという事案。メリーランド州選出のヴァンホーレン上院議員(民主党)が商務省に対して、これをどうするつもりだと。

 Huawieほど知名度はないが、Yealinkの固定IP電話機は、米国の諸官衙でも広く使われている。

 とくに「Yealink T54W」という製品が悪質だと。最初から盗聴用に設計されていると。

 イェーリンクのシステムであるDMPは、ローカルネットワークを管理する。つまり電話だけでなく、そのビル内部のPCがアクセスした先をすべて把握してしまえる。DMPはその情報を勝手に外部へ送れる。セキュリティ・レコードと称して。

 イェーリンクのユーザーは、中共の法律に従うことに同意しなくてはならない。これは中共政府が通信をモニターしたいときにはいつでもそれを許容するということを意味するのである。

 中共内のサーバーとは、「アリババ・クラウド」である。

 イェーリンクが使っているチップは、中共の「Rockchip」社製。しかもそれはイェーリンク専用に設計されている。
 ※外部サーバーに自動送信しないようにソフトを書き換えたとしても無駄である可能性があるわけ。ハードがその仕様ならば。

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 Todd South 記者による2022-1-8記事「Army finally picks an optic for Next Generation Squad Weapon」。
   米陸軍は、分隊火器のための光学照準器のメーカーを選定した。ヴォルテックス・オプティクス社、およびその子会社のシェルタード・ウィング社の共同設計品を採用する。こんご10年にわたり、25万セットを調達。総額2000万ドルくらい。

 これは、陸軍と海兵隊のM4カービン、M16ライフル、M249分隊軽機に装着される。

 採用を競っていたライバルのL3ハリス陣営は、蹴落とされた。

 どんなことができるか。弾道計算機内臓。大気センサー連動。コンパス常装。照準レーザーは可視帯域と赤外線の2つを用意。測距レーザーがそれとは別に備わる。兵士のゴーグルにはブルートゥースでワイヤレスに送信。

 新照準具が必要になった背景は、6.8ミリの新弾薬の採用と関係がある。このタマの弾道性能が5.56ミリはもちろん7.62ミリよりもすぐれているので、旧来の光学照準具ではそのポテンシャルをフルに引き出せぬわけ。

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 ある人から「THRUNITE Archer 2A V3」のホンモノを頂戴した。ありがとうございます。
 たしかに評判どおりのスゴいモノである。
 まずシリアル番号が表面に堂々とプリントしてある。こんな懐中電灯は初めてみた。

 全長は、握ると、上下に指2本分ずつ、余るぐらいの長さ。

 尾端にメインのON/OFFスイッチが、ノック式でついている。このゴムカバーは長年使っていると擦り切れてくるから、製品には、そのスペアのカバーもついてくる。すなわち、この製品は何年でも使えますよとメーカーが強調しているわけ。
 もし尾端を下にして地面に落下させても、スイッチが押されることはない。金属製のガードで守られているからだ。そのガードには、ストラップ用のスリットが開いている。

 LEDランプは1灯である。そちらのスペアはついていない。ということは、まずランプが焼き切れることはないわけだ。百均とは同日の談ではない高耐久LEDと安全制御回路がしつらえられているに相違ない。

 前方近くには、輝度切り替えのプッシュボタンがついている。そこだけがアルミ色(他は黒色)。
 プッシュボタンはファンクションがループする。一回押すごとに、輝度が四段階に切り替わる。
 長押しすると、最強輝度でストロボ発光し始める。もういちど押せば、その連続フラッシュは止まり、元の輝度の常続発光に戻る。

 このストロボ機能は、夜襲時に、最前線の敵兵の暗視装置を効かなくしてやるのにもってこいだろう。
 もちろん、ヘリコプターに対する救難者の合図にも使える。

 この製品には、フラッシュをモールス信号のように点滅させるためのボタンは、ついていない。まあ、いまどきそんな連絡方法が必要な奴はいないだろうから……。というか、そういう連絡は赤フィルム付きのL字形の懐中電灯でやりなさいということか。

 電池は単三×2本である。にもかかわらず最強輝度にしたときの光度は、まぶしすぎるぜ。

 最弱輝度は、とても省電力である(昔のペンライト並にほの暗い)から、たとえば、ブラックアウトに遭遇したとき、安心感を得るために一晩じゅう点灯させておきたい人には、これは重宝であろう。

 最弱輝度にして、さらに、このライトを机上に下向きに垂直に立てておいても、前縁部には微妙な矩形段差がわざと工作されているので、そこからわずかに光が洩れてくる。したがって、うっかりメインスイッチを切り忘れて電池を消耗させてしまったというドジは踏まないで済むはずだ。

 横向きに無造作に置いたとき、傾斜面をゴロゴロと勝手にころがり落ちて行かないように、ストッパーを兼ねた「舌」もついている。これでベルトやポケットに刺しておける。

 本体はおそらくアルミ合金製。思うに、カスタムメーカーは、このフラッシュライトの本体の外形を「クボタン」にしてみるとよいのではないか。クラブの用心棒が、みとがめられずに携行できる、合法的な護身具になるだろう。

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 Jakob Schiller 記者による2021-7-15記事「How to Not Get Your Gear Stolen」。
    ニューメキシコ州のアルバカーキは、年に300日は晴れる。バイク・トレイルのコースは数百マイル。数時間でスキー場にもアクセスできる。アウトドア野郎には最高の場所だ。
 ただ唯一の難点は、泥棒が多い。キャンプ用品を盗まれちまうのだ。

 ここの自動車盗難件数は、全米第二位である。

 賊は、自動車の鍵を開けられないときには、ライフル銃で鍵穴をブチ抜く。お手上げだ。

 ※衝撃的な記事である。何かわれわれが知らない秘法でもあるのかと思って読んだら、そんなものは何もないのだとわかる。ガレージの扉は開けっ放しにしとかない。通行人から内部を察知されてしまうから。クルマの中には貴重物をいっさい放置しない。やむなく短時間放置する場合にはブランケットをかけておく。通行人から視認されないことが最も重要である。キャンプ地ではクルマを駐車する場所を決めるのにじゅうぶんな時間をかけてまず現地を一周しろ。人目が常にある場所とすることが鉄則……。しかしこれは平時の国境警備とも通底する結論ではないか。こちらが誰ひとり見ていないところで、敵が悪さを仕掛ける、そういう隙をつくらない。そのためには、常駐型と動哨型の無人センサーを徹底活用するべきなのである。

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 Thom Patterson 記者による2022-1-7記事「5 Lessons eVTOL Can Learn from Legacy Helicopter Airlines」。
  これから電動ヘリが、空港と大都市のあいだの道路渋滞をホッピング回避する交通手段になる。
 その商売に手を出す者が知っておかねばならぬ歴史がある。

 NYCやLAには早くも1950年代からヘリで客を運ぶビジネスがあったのだ。それらは70年代に皆、廃業している。

 教訓は何か。
 ヘリコプター・エアラインは、大事故を起こせば経営は破綻する。

 1977年5月16日、マンハッタンのパンナムビルの屋上から飛び立とうとしていたシコルスキーS-61Lが事故。乗客4名死亡。
 そのとき吹っ飛んだローターブレードが、60階下の通りを歩いていた人も殺した。

 原因は、片側の降着スキッドの支持チューブの金属疲労であるとNTSBは結論している。

 この事故が契機となり、地方自治体は、ビルの屋上をヘリポートにして旅客を運ぶ商売を禁止した。その禁止は今も続いている。

 1968年、ロサンゼルス航空(米国初のヘリコプター・エアライン)の417便と841便が事故を起こしている。飛行ルートは、LA国際空港と、今はないアナハイム・ディズニーランド・ヘリポートのシャトルだった。2件あわせて44人が死亡。機械故障が原因だった。

 この事故があってから、ヘリコプターを利用しようという客が激減し、同社は倒産に向った。

 リモコン式または自動操縦の電気式VTOLタクシーは、潜在的利用客を怯ませるだろう。やはり操縦士は、乗っている必要があるだろう。

 エアタクシーは、乗客1人を1マイル運ぶのに、2.25ドルから11ドルを請求することになるだろう。

 1950年代~60年代は、へリコプターの整備コストが高すぎたので、連邦政府が巨額の補助金を民航会社に出したものだった。

 たとえば1959年のヘリ航空会社の収益の63%は、政府からの補助金であった。
 そしてFAAは1977年に、民航がヘリ旅客便事業を自力で採算に乗せるのは無理だと結論した。

 ホンダは、eVTOLが組み込まれたモビリティ・エコシステムを提案している。客がヘリポートにアクセスするときの面倒をいかにして局限するかを考えておかなければ、すぐに不人気となることは必定だからだ。もちろん、自動運転自動車がヘリポートに接続する。そして予約は車内でもできなくてはいけない。

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 Plane & Pilot の2022-1-7記事「Shocking Photos: Commuter Plane Hits Bird, Prop Separates And Slashes Through Passenger Cabin」。
   南アフリカのダイヤモンド鉱山の近くの飛行場に着陸しようとしていた双発ターボプロップ機に巨大な鳥が衝突し、プロペラが飛散し、それが客席まで貫通して突き刺さった。

 プロペラは、木材主体の複合材料製。奇跡的に、死傷者はいなかった。
 鳥の種類は、不明。

 ちなみに最新のターボプロップ機でも、プロペラのコア層に木材を入れていることはあるのだそうだ。

 アルミ合金のフレードだったら、鳥衝突ぐらいで折れなかったという人がいる一方、もし全金属ブレードが飛散したならキャビン貫通力は倍増するという人もいる。