第二青函トンネルは、「コンテナ専用地下チューブ」にすればよい。

 なにも旅客鉄道やトラックを海底に走らせるだけが能じゃないだろう。

 リニア鉄道と同じ原理で、「台車」だけを高速で渡してやればいい。その台車は「コンテナ」専用台車である。そして「無人」である。

 コンテナ以外の貨物は、この「海峡チューブ」は利用させない。青函連絡船や、バルクカーゴキャリアもあるし、第一青函トンネルの汽車もある以上、それで何の不都合もないはずだ。

 「コンテナしか通さない」と割り切ってしまえば、トンネルの規格をずいぶん抑制することができる。
 工事費も、維持費も、安くてすむようになる。

 そのトンネルに、「北本連携系」の直流電力融通ケーブルや、LNG圧送パイプラインも、並走させてやればいい。一石三鳥だ。

 旅客鉄道と空間共有しないので、万一のガス漏れ事故の心配だって著減する。逆に、通常の海底パイプラインと違って、いつでも人間の保守係が破損箇所にかけつけて修理ができる。

 コンテナ輸送は、このチューブの青森側(下北半島)と道南側(亀田半島)のターミナルで、トラックからチューブへ、あるいはチューブからトラックへ、半自動で荷渡しできるようにする。人は疲れないし、カーボンは減らせる。いいことづくめじゃないか。

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 Philip G. Wasielewski 退役海兵隊大佐による、『プロシーディングズ』2022-1月号記事「Russia?Ukraine: Putin’s Amphibious Options Are Limited」。
   ロシアがウクライナを侵略する場合、ベラルーシ国境からも露軍が攻め込んでくる。また、南部はクリミアを策源地として、アゾフ海内のマウリポリ、および黒海に面したオデッサ市に向けて水陸両用作戦を企図することになるだろう。

 ところが黒海の崖海岸でない海岸は、ウクライナの場合、すべて都市化されている。
 露軍の水陸両用部隊は、ビーチング直後に市街戦ができるようにはできていない。

 市街戦は1m単位の攻防になり、短期で終わらせることはできない。

 アゾフ海は平均水深が8m。世界で最も浅い海だ。ケルチ水道の可航域も限られていて、水先案内が必要なほどである。
 ※まさに沈底式機雷の出番ではないか。

 アゾフ海の1月の天気は最悪である。平均気温マイナス1度からマイナス5度。シベリア寒気団から風が吹き込めば零下30度になることもある。

 アゾフ海は塩分も薄いので、たやすく氷結する。

 1941-12にソ連軍はケルチ海峡越えの逆上陸作戦を企図したが、冬嵐とマイナス20度の気温のために、頓挫している。

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 Noah Spataro, Trevor Phillips-Levine, and Andrew Tenbusch 記者による2022-1-10記事「Winged Luddites: Aviators Are the Biggest Threat to Carrier Aviation」。
   ラダイト運動は1811~1816、英国の労働者が起こした暴動さわぎである。
 機械力によるオートメ化で、工場の仕事がなくなりそうだったので。

 今日、ラダイト主義者は居る。それはハイテクの導入・進歩に反発する者たちである。

 1938年に米陸軍のジョン・ケール将軍は、戦車に大反対した。彼もラダイト主義者で、騎兵隊の方が信用できると主張した。1938年に、である。※日本はすでに九七式中戦車を完成していた。

 米海軍が1920年代以降、航空機が戦艦を無力化できるというミッチェルの主張にどれだけ強硬に反発したかは知られている。

 そして歴史は繰り返す。
 今日、米海軍内の空母屋は、艦上攻撃機の役割を有人機から無人機に切り替えていくことに対して、大反対を主導しているのである。ミッチェル論争当時の没理論流と何も変わっていやしない。

 艦上攻撃機の威力は、機数の集中、作戦半径、そして1機あたりのペイロードにかかっている。このことは1920年代から何も変わりがない。

 艦上機または艦載機としての無人攻撃機は、今日の技術でもってすれば、有人攻撃機よりも多数を同時に殺到させることが可能であり、レンジと兵装搭載量に不足はなく、生残性すら高い。

 2000年代のこと、試作無人攻撃機X-45Cは、戦闘行動半径1300海里を実現。巡航速力マッハ0.8、ステルス外形であり、そして兵装搭載量はF-35と変わりがなかった。これをスウォーム運用できることは2機のX-45Aですでに確認できていた。

 X-45シリーズは、空中給油によって、生身のパイロットが堪えることの不可能な長時間の連続飛行も難なく実行する。

 議会は海軍にX-47Bを偵察任務だけでなく攻撃用途にも使えと求めていたのに、海軍はその研究プログラムを2015で打ち切ってしまった。ラダイト主義者一派がふたたび勝利をおさめたのだ。

 ※兵器の進化論をテーマに1冊書いてみたいのですが、これにはプロのイラストレーターさんが必要です。ご連絡をお待ちしています(こんかいはノンプロの方はご遠慮ください)。