カザフ政府の暴動鎮圧部隊が勝手に「UN」ヘルメットを偽装で被り、国連が大おこ。

 Thomas Newdick 記者による2022-1-10記事「Undersea Cable Connecting Norway With Arctic Satellite Station Has Been Mysteriously Severed」。
    ノルウェー領のスヴァルバード諸島には100以上の衛星通信用パラボラがあり、そことノルウェー本土の間は海底を光ファイバーケーブルによって連絡しているのだが、この海底ケーブルが何者かによって切断された。もちろんロシアの仕業だろう。

 昔からこのパターンの事件は頻発しているが、最近の切断事件は1月7日に発生。公表されたのは9日である。

 ファイバー線が切られると民間の衛星通信が利用できなくなるだけでなく、島のインターネットも使えなくなる。

 高緯度の衛星通信局は、「極軌道」を回る衛星とのデータ送受に便利。
 しかしそのような立地の地上局は多くはないので、ロシアによる1箇所の破壊工作が深刻な被害をもたらす。
 ちなみにこの海底ケーブルの延長は800マイル。2系統あって、1系統は維持されている。

 ロシアはたんにケーブルを切断しただけでなく、長さ2.5マイル分を持ち去ったという。このケーブルには電力線も並走していて、それも切られて持ち去られた。このような道具を持っているのはロシアしかいない。

 次。
 Gregory Sims 記者による2022-1-10記事「How Putin’s Plans for Ukraine Could Pay Off」。
    ロシアがウクライナと開戦した場合、米国は、ロシアの金融機関をSWIFTから切断する経済制裁を加えるだろう。これは国際決済ネットである。

 プーチンがゲームとしてウクライナで遊んでいると思ってはいけない。プーチンの過去の発言模様をぜんぶモニターしてきたCIA分析官の私には分かる。プーチンはソ連の分解を本気で憤っているのである。彼はその感情を隠していない。ウクライナ、ベラルーシ、そしてカザフスタンの北部は、彼が生きているうちに、ロシアに再吸収されねばならないと、まじめに考えているのだ。つまり一種の狂人を、世界は相手にしている。

 2016年にスウェーデンで、高さ1000フィートの通信中継タワーが倒壊した。3人組の工作員はつかまっていないが、ロシアから来たと信じられている。こういうゲリラ工作は、将来の実戦のための訓練を兼ねているのだと信じられる。

 ※雑ねた。1943年、B-17の腹部ターレット銃手、アラン・マギーは、機が高射砲にやられて錐揉みになったときに機外に飛び出し、パラシュートなしで4マイル落下。駅舎のガラス天井をぶち破った。彼は死なず、84歳まで生きたという。また、夜間空襲に出撃した英空軍の爆撃機が空中で炎上し、あまりに熱いので落下傘なしで飛び降りてしまったクルー1名が、針葉樹の上に落ちたおかげで、背骨骨折だけで生き延びたというケースもある。これは何を意味するか。着地寸前の「耐えられる衝撃」が、墜落者を救うかもしれないということ。予備傘だけでなく、さらに何らかの「自動爆発装置」によってもパラトルーパーを守れるのではないか?


★《続・読書余論》(財)史料調査会ed.『大海令 解説』昭和53年刊