多目的プラットフォーム艦は、臨時の「捕虜収容所」としても役に立つ。

 Federico Borsari 記者による2022-1-31記事「Turkey’s drone diplomacy: Lessons for Europe」。
    トルコは、無人機が、どれほど外交の梃子になるか、その見本を示した。
 いまこそ欧州諸国は、このトルコと共同して無人攻撃機を開発・製造し、世界外交をリードすべきである。

 2020-4の時点でリビア内戦の戦勢が逆転すると予見できた軍事評論家はひとりもいなかった。
 ところがトルコが「バイラクタル TB2」を持って国民連合政府に肩入れを始めると、ハリファ・ハフター元帥のトリポリ反乱軍勢力は、タジタジとなって、10日もしないで総退却を始めた。それまで1年も首都を攻囲し続けていたのに……。

 ハフター軍閥軍はロシア製の防空システムで守られていたが、TB2はそのシステムを悠々と撃破した。
 ハフター軍閥のバックには、ロシア、エジプト、UAE、そしてフランスまでもがついていたのだが……。

 TB2は、安い。1機が500万ドルである。これに対して「MQ-9 リーパー」は2000万ドル。もうじき英空軍が採用する米国製の「プロテクター PG マーク1」は2800万ドルもする。

 中共の「翼龍」はもっと安いが、実戦で目立った威力を証明できていない。※ハフター軍閥が多数装備しているが、敗走を止められなかった。

 ドローン輸出はトルコの兵器メーカーに7億ドルの売り上げをもたらした。

 トルコは、その無人機に、ウクライナ製エンジンを買って取り付けるようになっている。両国の関係は緊密である。

 トルコは、そのドローン供給を梃子にして、エチオピアおよびモロッコ政府とのハイレベルの外交関係を築きつつある。エチオピアは、エジプトと、ナイル上流のダム建設をめぐって、悶着がある。

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 Brett Tingley 記者による2022-2-1記事「Swedish Police Arrest Russian National Accused Of Flying Drone Over Royal Palace」。
    スウェーデン警察は、1-31にロシア国籍の男を逮捕した。ドローンをスウェーデン王宮の上空で飛ばした嫌疑で。そこはドローン飛行禁止空域である。

 その2週間前、スウェーデン各地の原発、政府建物、空港の上空を、同時多発的に謎のドローンが飛び回る事件が起きていた。関連は不明。

 ストックホルムのドロットニンギルム離宮はスウェーデン王室の私的な住居である。

 このロシア人は、旅行者である模様。
 スウェーデンには「防護的保安法」というのがあり、重要インフラの運用を、スパイ、サボタージュ、テロ攻撃等から守る根拠法になっている。

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 ストラテジーペイジの2022-2-1記事。
   イランは2021末に「BM-120」というトラック車載の多連装地対地ミサイルを完成した。
 固体燃料1段式のロケットを6連装する。

 射角を45度まで上げられる。
 慣性航法装置の他、GPSもしくは北斗の電波を誘導に使える。

 ミサイル自重は787kg、炸薬150kg。クラスター弾頭もあり。着弾精度は、飛距離に関係なく、標的から30m以内。ナビ衛星電波が妨害されても、INSだけで、90m以内には着弾してくれる。

 ミサイルの径は368ミリ。全長5.18m。最大射程は120kmである。最小射程30km以内には、落とせない。
 着速は秒速1.3km。