Even Baltic States could puncture the evil pipelines as turning against an aggressor.

 バルト海は平均水深は55m。ノルドストリームの1と2は、おそらく100mくらいのところに敷設してあるだろうから、レジャー漁船の簡易魚群探知機でもその位置は分かってしまい(というか、錨被害を避けるために初めからGPS座標が公表されているであろう)、場合によっては、昔ながらの「測深錘」でも位置を探り当てられるだろう。

 つまり、海軍の特殊部隊でなくとも、このパイプに小孔をあけようと思ったら、誰でもできてしまうのだ。
 海底ガスパイプラインは、小孔があいただけでも、機能は止まる。復旧には、長期の大修理が必要である。

 ゲリラが放つ、大きなオモチャ級のUUVとIEDにより、ノルドストリームは端から端まで完膚なきまでに破壊できる。バルト三国もフィンランドもポーランドも、最後の報復措置としてこの手段をもっているのだ。

 ロシアの2021年の国家予算の36%に相当する外貨を、天然ガス輸出が稼いでいる。プーチンの権力源はこれだけである。ウクライナとポーランドが国内の陸上パイプラインを破壊すれば、あとはノルドストリーム1だけがドイツにつながる太いパイプになる。それは、バルト海と無関係の外国のフロッグマンやUUVによっても、いともかんたんに寸断できるのだ。

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 ストラテジーペイジの2022-2-4記事。
   2021年にトルコはウクライナと74億ドルの貿易をしている。これは2020年よりも47億ドル多い。

 トルコは現状、穀物をロシアから最も多く輸入している。2021年だと560万トンだ。しかしこの量は、近年、減らされる趨勢にある。
 トルコは、穀物輸入先を、ウクライナにシフトさせつつある。2021年の実績だと140万トン。

 2月3日、米軍のコマンドー部隊が、トルコ国境から数kmしか離れていないシリアのイドリブ県内のIS幹部アジトを急襲。
 アル・クライシは、3階建ての要塞屋敷の三階部分に、全家族をまとめて生活させていた。これも人間の盾なのである。

 そこで米軍の襲撃隊は、未明に建物を包囲したあと、拡声器で、一般市民は建物の外に出ろと警告した。特殊部隊員はアラビア語で警告できるのである。近所の住民にも退避を促した。
 覚悟したアル・クライシは妻子を集めて自爆ヴェストに点火した。

 トルコは2021末時点で、年36.08%のインフレだった。それで、トルコ・リラの外国為替価値も40%下がった。さすがにこれはまずいとエルドアンも認めるしかなくなっている。

 2022-1-29、エルドアンは統計局長をクビにした。しかし統計局長は本当の数字を出したのだろうか?

 エルドアンはインフレを抑制しなければならないのに、逆に金利を下げさせてきた。おかげで2月にはインフレは49%になったと発表された。だが民間研究者は、トルコのじっさいのインフレはその倍だと言っている。

 利下げをすることでトルコ経済はよくなるか? 百歩ゆずって、もしそうなるとしても1年以上先だ。トルコ国民は、燃料と食料の価格上昇をあと1年も我慢できない。つまりエルドアンは今、大ピンチなのだ。

 イランからトルコに天然ガスを送っているパイプラインが、なんらかの技術的な故障により、1月20日、止まった。

 イランはその不具合の詳細について何も発表していない。※ロシア発のサイバー工作等が疑われる。

 トルコ国営の、天然ガス配給機関であるBOTASは、国内の工場やガス火力発電所へのガス供給を40%減らすしかなくなった。
 そのかわり、一般家庭への送ガスは保たれている。もし一般家庭用のガスを冬に止めたら、国内で反エルドアンの暴動が起こってしまいかねない。

 しかし1月28日にイランからのガス供給が復活したので、工場への配給もこんご10日以内に元の水準に戻せるとBOTASは声明した。

 2020年の実績で、トルコは480億立方メーターの天然ガスを消費している。
 イランは同年、53億立方メーターのガスをトルコへ輸出した。約10%だ。
 2021年には、その割合は15%に増えた。

 1月21日、ギリシャなどの警察が、個人所有のヨットを使ってトルコからイタリアへ不法に移民を渡らせようとした犯罪組織を摘発した。

 サッカーのワールドカップが2022-11から、45日間、カタールで開催されるのだが、カタールにはそれを警備する警察力がないので、トルコが3250人を派遣することになった。1-19のトルコ発表。そのなかには50人の爆弾処理のプロも含まれる。

 トルコは国連で使われる国名を、現在のかんぜんな英語式から、英語圏のキーボードにはない字を含むトルコ式の表記に変えさせるつもりである。

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 Liam Giliver and Emily Baker 記者による2022-2-4記事「Germany Has Officially Banned The Culling Of Male Chicks」。
   昨年、ドイツは、鶏卵生産業者がニワトリのオスの雛を間引くことを禁ずる法案を考え始め、2022-1-1にそれは動物福祉法の一部として制定された。

 法律が施行されるのは2024からである。それ以降は、受精卵が6日目になるあいだにオスを間引く行為だけが許される。6日を過ぎると胎児に感覚が生ずるので殺すのは残虐だというわけ。
 ところが今の技術では、受精卵が9日目にならないとオス/メスは判別できない。

 牡雛を大量にシュレッダー処理する風景が、フランスやスイスでは以前から嫌悪されてきた。それをやめさせようという動きは、独仏がリーダーシップを競っている。

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 「Green construction: Fixing concrete’s carbon footprint」という記事。

    コンクリート建設物に不可欠なセメント工業は、航空機や船舶の2倍、すなわち全地球に排出される年々の二酸化炭素のうちの8%の排出元になっているため、なんとかしなくてはいけない。

 1年間に生産されるセメントの量は、40億トンである。

 後進国の経済が発展すると人々は都市に集まり、先進国並の集合住宅が需要され、これからもっとセメント消費は増すはずだ。

 もっか中共は世界のセメント生産の半分以上を生産中である。中共が2011年から2013年に製造したセメントの量は、なんと、合衆国が20世紀の百年間に製造したセメントの量よりも多い。

 セメントを造るときには、原料の石灰石を、回転するキルン窯の中で1400度以上に熱しなくてはならない。その熱源として石炭や重油が燃やされるほか、石灰石が「クリンカー」に化学変化するときにも二酸化炭素が出てきてしまう。

 2021-10に、世界セメント&コンクリート協会(そのメンバーは中共外の会社からなり、非中共の業界の8割を代表する)は、2050年までに100%の脱炭素を実現するというロードマップを公表している。

 具体的な方法としては、キルンの熱源としてゴミ焼却炉の熱を利用し、また、クリンカーの一部として、製鉄工場が出す廃物や石炭ガラを再利用するという。ただしそれだけでは40%の脱炭素しかできない。

 ビルの設計を見直し、また、コンクリート建築物の寿命を伸ばすことによっても、25%近くの脱炭素ができるという。それには、古いビルを壊さずに、パッチをあてて使い続けることも推奨される。

 期待のかかる脱炭素技術は、工程の途中で生ずる二酸化炭素を、環境中に放出される前に捕獲してしまえる、新しいプラントである。
 これは簡単な話ではなく、実現するとしても10年後。

 フランスでは某セメント会社が、工程中で発生する二酸化炭素を、ダスト状の軽量骨材(すなわち砂の代わりになる)の中に取り込むことに成功した。

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 Zarvan 記者による2011-4-28(もしくは2015-11-18)記事「Silent Sniping Grows In Popularity」。
    パキスタンの軍も警察も、消音狙撃銃に関心を強めている。.22口径—.22ロングライフルという競技銃用の実包—で、亜音速の弾丸を発射するライフルだ。
 精密に当てられる距離は100m未満である。

 じつは犯罪組織に雇われる殺し屋の間では.22ロングライフル実包を使う消音拳銃が、暗殺手段として1990年代から選好されてきた。

 競技用の非力な弾丸でも、至近距離から人の頭に2発撃ち込めば、まずそいつは死んだと思っていい。
 また.22LR実包は、サイレンサーを使えばもちろんのこと、サイレンサーなしであっても、相当に発射音は小さい。

 そしてまた、非力な弾丸を発射する拳銃は小型軽量である。隠し持ちやすく、且つ、こっそり捨てる場所に困らない。

 特殊任務中には、警備犬を射殺したり、監視カメラを壊したりと、小口径の非力な拳銃を使いたくなる局面は多々ある。

 1990年代、ロシア軍の侵攻を迎え撃ったチェチェンのゲリラたちは、子どもが栗鼠などをハントするための.22LR仕様の軽量猟銃(安価な照準スコープ付き)の銃身に、底の中央に小孔をあけたペットボトルを被せれば、実用的な消音狙撃銃になることを立証した。
 用いる場所は夜の市街地なので、ターゲットの露兵までの距離は100m未満である。
 それだけの近さであっても、発射音が聞こえない限り、露軍のパトロールには、どこから発砲されたかの見当はつかない。

 もちろんヘルメットにボディアーマー着用だから、正面から顔面を狙われるわけだが、それでも、音には気付かないのである。

 露軍もこのローテク兵器には著効があることを認め、2004年に、最初から軍用に設計した.22LR仕様の消音狙撃ライフル「SV-99」をこしらえた。

 SV-99は、100m先を狙撃した場合に、弾着の散らばりが半径12ミリ以内だそうである。その代わり、子ども用猟銃を改造したものと比べて重い(3.8kg)。

 ※米国でこの.22LR射的銃+ペットボトル消音を自分で試した人の投稿を読んだところ、何発発射しても、10フィート離れた人に、まったくその発射音は聞こえなかったそうである。ただし、スコープの視野を太いペットボトルが阻害するので、スコープの取り付け方は工夫をする必要があった。.22LRの威力だが、サウスカロライナ州の体長3mのアリゲーターを2発で殺せるそうだ。

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 SOFREP の2022-2-4記事「Fact or Fiction: Can You Really Use A Mortar Round As A Grenade?」。
    映画の『プライベート・ライアン』を観た人は思っただろう。「本当に迫撃砲弾を手投げ爆弾にできるのか?」と。
 答えよう。できる、と。

 まず着発信管の安全ピン(迫撃砲弾にもついている)を抜き、ついで、迫撃砲弾の底部を何かにぶつけて、内臓の安全機能を解除する。これは通常、発射時のGで自動解除される仕組みである。
 二重に安全を解除したら、あとは、放り投げるだけ。ただし注意。着発信管は敏感だから、投げる途中で傍らの何かに弾頭部をこすったりすれば、瞬時に自爆してキミはおしまいである。

 第二次大戦中の沖縄で、日本軍が逆襲してきたとき、ビューフォード・アンダーソン軍曹には、投げるべき手榴弾がなくなっていた。そこで日本軍の迫撃砲弾の不発弾を拾って投げ返したところ、それはうまく爆発して、複数の日本兵を斃したという。さらにアンダーソンは、自軍の60ミリ迫撃砲弾の弾薬箱から弾丸を取り出し、その安全ピンを外し、底部を岩に打ち付けてから、アメフトのパスを出す投げ方で投擲。これと、カービン銃の射撃を交互に繰り返して、日本軍の逆襲を阻止した。このとき彼が投げた60ミリ迫撃砲弾は14発に及んだという。アンダーソンは、この活躍により、議会勲章(メダルオブオナー)を授与された。したがってこの話も嘘ではないと公式審査で認められているわけだ。

 もうひとつ、イタリア戦線でも、迫撃砲弾を手榴弾代わりに投擲した実例が記録されている。WWIIを通じて、この2ケースしかないそうだ。

 ただし注意。迫撃砲弾の破片は45フィート以上飛び散る。そして重さは、60ミリ迫撃砲弾であっても、アメフトのボールの3倍ある。それを45フィート以上、投げるというのは、簡単ではない。だから、かならず胸壁などの手前から投げて、爆発破片をじぶんが浴びないように考える必要があるのだ。

 ※最新の《続・読書余論》は、 特殊部隊・破壊工作 関連摘録集 をUPします。これを勉強して、ウクライナ支援、ポーランド支援、バルト三国支援、フィンランド支援を考えよう!


★《続・読書余論》 特殊部隊・破壊工作 関連摘録集