「打ち上げ花火」はごく近い将来、クォッドコプター型ドローンのスウォームにとってかわられる。

 発光パターンの自在性、そして滞空持続力のアドバンテージ、狭隘な市街地中央スペースの比較的低い高度でもパフォーミングできる自由度等を考えると、火薬式の打ち上げ花火師にはもう勝ち目がないと思う。

 消耗品である火薬式花火と違い、ドローンで再現する電気発光花火は、同じ資材のセットを持ち歩けば、幾度でもどこででも再演をさせられるから、「巡業」を組み立てる経費の競争において、長期の勝負は初めからついている。

 はやいとこ「転進」を勧める。わたしもこの歳で、デジタル出版商品に軸足を移さなければ生活はままならないのだ。ヒーコラ……。

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 これから老人に持たせるスマホには、人の喋り方の「音韻学」をマシンラーニングさせた「本人詐称警告ソフト」がついている必要がありはしないか?

 『羅刹の家』のマンガ家さんが国際ロマンス詐欺にひっかかって4000万円むしられたというNHKの特番を録画で視聴した。ラストは衝撃的だった。
 犯人(詐欺師)の肉声が録音・再生されたのだが、こやつが英語圏で生まれ育ったネイティヴの英語話者ではなさそうなことは、一発でまるわかりなのである。こんな巻き舌の「有名米国俳優」がどこにいるんだよ!

 この高齢の被害者さん本人はしょうがなかったとして、その下の世代の近親者たちに、そこが分かる「耳」がなかったことが、3年間もの長期連続詐欺をゆるしてしまった。

 だがこういう詐欺の再発を防ぐ方法はあるだろう。電話をかけてきた相手が話している声をスピーカーから再生しているときに、スマホの画面に、「米国東部のアクセントがあります」「米国中西部のアクセントがあります」「非英語圏ネイティヴを示唆する強い訛りがあります」「英国労働者階級のアクセントがあります」「オーストラリア訛りがあります」といった、音韻解析情報を表示できるようにすればいいだけだ。AIを使えばそんなソフトはすぐにできるはずなのである。

 日本国内版なら、もっと精緻なマシンラーニングが可能だろう。なに県のなに地方のアクセントの痕跡……までも、しばらく音声を聞いただけで、機械にはわかるはずだ。

 こういうソフトが普及することで、詐欺の常習犯たちもあまり放胆な荒稼ぎはしにくくなる。NTTのような大企業が、率先してこういうソフトを開発してこなければならなかったところ、誰にもその社会防衛の発想はなかったとは情けないではないか。これ以上は、日本を衰退させないで欲しいものだ。

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 Alex Hollings 記者による2022-2-18記事「How false flag operations work and Russia’s history of using them」。
   ファルス・フラッグとは16世紀いらいの海賊の戦法で、はじめ、無害な国の国旗を檣に掲げて獲物の商船に近づき、とつじょ、その旗を海賊旗に変えて襲い掛かるのである。

 ※宮古湾海戦では榎本の『回天』は最初、米国旗を掲げて『甲鉄』に近づき、発砲直前にそれを下ろした。この戦法は国際慣習法上、許されていた。

 しかし今日の米国ではそういう原義からは離れた意味で「ファルスフラッグ」が通用している。すなわち悪ガキどもが学校で、いきなり相手の顔面を殴っておいて、「あいつが先に手を出したんだ」と叫ぶ、開き直った嘘つき自己正当化パフォーマンスのことを「ファルスフラッグ」と呼ぶのである。まさにプーチンのお仲間のやり口にふさわしい。

 1939のフィンランド侵略のときには、進攻開始の4日前に、ソ連軍は国境の自国の村を砲撃した。それを敵の攻撃だと宣伝したのである。

 1999にはプーチンは、モスクワなど3箇所で一斉に爆弾を炸裂させて無辜のロシア市民数百人を殺し、それをチェチェン人の仕業だと宣伝して、「第二次チェチェン戦争」を開始させた。当時はイェリツィンが元首だったが、その後釜としてKGBのプーチンが浮上するきっかけに、この自作自演爆弾テロが、なったのである。

 証拠がある。4発目の爆弾は不発だった。それはリャザン市のビルの地下階で発見され、分析された結果、チェチェン人ゲリラの製作したものではないと結論されている。FSBの製品であったことがフォレンジックに判明してしまったのだ。FSBは、「それは訓練用に置いたのだ」と弁明した。

 2017年11月にはロシア政府は、市販ゲームのCG画面を「証拠」として、「米国はISISとグルだ」と宣伝した。

 TASSは2-5に、ウクライナ軍がドンバスで露系住民を砲撃しているという嘘情報を流し始めた。2-7には、ポーランド人傭兵がウクライナに入って露系ゲリラと戦闘しているというルーモアをロシアメディアが拡散し始めた。そして英国の正規軍もそれに加わりそうだという。

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 Jen Judson 記者による2022-2-19記事「$6 billion tank deal to Poland cleared by State Department」。
   国務省が対ポーランドのM1戦車輸出を許可した。総額60億ドル。「M1A2SEPv3」×250両。いっしょに、対IEDシステム、戦闘回収車、戦車橋なども。

 ポーランド陸軍には現状、レオ2のA5とA4があり、これが質的な主力。数的にはT-72も多い。

 ※カマラ・ハリスはこの瞬間にポーランドからウクライナに入ってスピーチすれば「卑怯者」のイメージを払拭できたのに、安全な後方のドイツ国内で部下が用意した原稿を偉そうに語るだけとはつくづく自滅的な御仁だ。もう未来の閣僚職はありえぬ。オースティン国防長官がバルト三国に立ち入ったのは偉い。これでロシアを粉砕したら歴史的英雄だ。