《note》の最新Upは、 《「奇襲」特集》 と 《補給の関連 集積》  です。

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 VLADIMIR ISACHENKOV, YURAS KARMANAU and AAMER MADHANI 記者による2022-2-18記事「Kremlin declares nuclear drills as Ukrainian rebels evacuate civilians to Russia」。
    プーチンは、緊急事態大臣がロストフ地区に飛ぶように命じた。そこで避難民救護させるために。またプーチンは、ドンバスからの難民民(ロシア系住民)には1人1万ルーブル(約130ドル。ドンバスの勤労者の平均月給のおよそ半額相当)を与えよとも、ロシア政府に命じた。

 木曜日、国連安保理に対するブリンケンの警告。ロシアは、贋の爆弾事件、自作自演のドローン攻撃、およびリアルな毒ガス攻撃、フェイクの毒ガス攻撃をロシア国内で起こして、それを口実に戦争を開始する気である、と。

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 The Maritime Executive の2022-2-17記事「Volcanic Debris May Have Caused Blackout Aboard Australian Amphib」。
    トンガに救援にかけつけた豪州の揚陸艦『HMAS Adelaide』の機関が先月、故障してしまった原因は、未だ分からない。が、おそらくは海水中の火山灰ではないかと考えている。

 故障したのは「発電機」だということだ。
 そして豪州海軍は認めた。いままで、火山噴火の近くに軍艦を寄せた経験が無かった、と。

 冷却水として海水をとりこむときに、軽石もいっしょに吸い込んでパイプが詰まり、それによってディーゼル発電機がオーバーヒートしてシャットダウンした、というのが、もっかの仮説だ。

 『アデレード』は2回、機関停止した。まず1-29にディーゼル発電機が止まった。そして翌日は、主機のガスタービンがシャットダウンしてしまった。

 日本の海保が、2021-8のフクトクオカノバの海底噴火のあとに発した注意。船舶乗員は、海水の圧力ゲージをモニターせよ。また、冷却用排水の昇温に特に気をつけていれば、軽石「詰まり」の兆候を察知できる、と。

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 ストラテジーペイジの2022-2-17記事。
   中共海軍は1990年代に輸入した古い『キロ』級潜水艦を退役させ始めた。

 中共は1994から2006にかけて、12隻のキロ級を買っている。そのうち最後の2隻は、改良型。

 ロシアは2010年からキロの後継の『ラダ』級のディーゼル潜水艦を完成しようとしてたが、AIPがぜんぜんダメで、2019末時点でもそれは完成していない。

 一時、ロシアはイタリアのAIP技術を買い、それを『アムール』級と名づけて輸出しようとしたのだが、この計画は2014年のクリミア侵略によって頓挫した。ロシアへは国際的な経済制裁がかかり、西側から軍用のパーツは買えなくなったのである。

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 ストラテジーペイジの2022-2-17記事。
   スペースXが軌道投入したばかりの49機のスターリンク衛星(1個227kg)のうち40機が墜落してしまった事件。
 地磁気嵐による大気の膨らみによる抵抗増は、高度540kmだったならば、無問題だったのだが、スペースX社の「効率的な」軌道投入の流儀が、今回はわざわいした。

 ふつうはLEO衛星は高度540kmにいきなり投入される。

 だが、スターリンクは、いったん打ち上げロケットで高度200kmに投入されて、そこから、あらためて、低電力でクリプトンガスを加速させる電磁スラスターを使い、所定の高度540kmまで徐々に上がるという方式なのだ。

 この工程の途中で、太陽風を喰らってしまったのだ。

 スラスターは非常な省エネ設計なので、急に軌道を変える能力はない。だからなすすべがなかった。
 なお、スラスターを逆方向で使えば、スターリンク衛星はいつでも軌道を下げ、大気圏内で燃え尽きる設計。だから、LEOに1万機以上を投入しても、デブリを増やすことにはならないのである。

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 Stephen Chen 記者による2022-2-17記事「Chinese scientists say a cheap, lightweight foam could improve hypersonic weapons」。

 カーボンフォーム=炭素泡 という新素材を、中共の研究者が提言している。これでハイパーソニック飛翔体をコーティングすると、衝撃波を20%軽減できるのだという。

 ハイパーソニック飛翔体の外殻は、チタン合金や炭素繊維でできている。

 それをカーボンフォームで皮膜すれば、その表面がフラッシュではなく、でこぼこしており、微細な「気孔」だらけなので、マッハ6での飛翔中に生ずる乱流を緩和できるのだという。

 カーボンフォームは、航空機の空気取り入れ口や、ロケットには、すでに被覆剤として実用されている。

 遷音速域以下では、ざらざら表面は空気抵抗を増やす。
 しかし超音速域では、抵抗はもっぱら衝撃波なので、スポンジのような作用で衝撃波発生を抑制できれば、抵抗も減るのだ。

 しかも敵のレーダー波を吸収できるのでステルスにもなりそうだという。

 課題は、摂氏3000度の高温の中でざらざら表面を燃やさずにいられるかというところ。


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