★《続・読書余論》の最新Upは、袖井林二郎著『マッカーサーの二千日』です。

 《note》 https://note.com/187326mg/  をごらんください。

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 ストラテジーペイジの2022-2-22記事。
   ウクライナはイスラエルに、「アイアン・ドーム」を売ってくれと頼んだが、イスラエルはロシアを刺激したくないので、この引き合いを断った。

 プーチンが今やっていることは、1938にヒトラーがチェコスロバキアを切り取った手口と同じだ。そして1938の英国チェンバレン内閣と同じ手緩い反応を、NATOと米国は続けている。

 とうじ、英政府は、チェコ人となんら相談することなく、ドイツによるチェコ領土併合を認めてやったものである。

 ヒトラーは、それ以上の領土併合は考えていないと1938までは英国に口約束していたが、翌1939にポーランドを半分切り取った。これで第2次大戦になった。

 ロシアは常に、隣国の強さだけをリスペクトし、弱い隣国からは徹底的に毟り取るだけである。

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 SOFREP の2022-2-21 記事「‘Don’t You Know There’s A War On?” Rationing In WWI」。
    米国はWWIに1917から参戦したが、そのさい、アルコール飲料の販売規制がかかった。特に兵営と弾薬製造工場の近辺での販売が厳禁。またビール工場への穀物輸送も阻止された。

 このアメリカ以上にすごいことをやったのが帝政ロシア。なんとWWIにさいしてウォッカを禁止した。そしてこの措置は革命後も1925年まで継続され、「文化革命」と自画自賛されていた。

 英国はジョージ5世が率先して、ワイン、蒸留酒、ビールの消費を、戦争終結まで断った。

 酒豪のアスキス首相だけが、公然と、これに倣わなかった。ということは皆、陰ではこっそり飲んでいたのだろう。

 米国ウィルソン大統領は、戦争中は諸事経費をきりつめるべきであるとして、1918年に、ホワイトハウスの芝刈りを禁じた。そのかわりに、多数の羊が庭に放たれた。
 その羊の毛は刈り取られ、収益は赤十字に寄付された。「ホワイトハウスウール」と称された。

 長距離爆撃に使われたツェッペリン飛行船の皮は、1機分が、25万頭分の牛の腸からできていた。文字どおりの、「飛ぶソーセージ」だったのだ。
 ドイツ当局は、この膨大な腸を確保するべく、ブラートヴルスト(独式ソーセージ)の製造を統制した。肉屋は、腸をすべてツェッペリン工場向けに提出しなければならなかったのである。

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 Brett Tingley 記者による2022-2-22記事「Scores Of ‘Dark Vessels’ Belonging To China’s Maritime Militias Are Operating In Contested Waters」。

 民間衛星会社の「Unseen Labs」は、宇宙から海上の電波発信源を同定できる能力を売り物にしている。同社は、中共があやつる、見かけは非軍艦・非公船である不審船多数が、トランスポンダー(AIS)のスイッチを切った状態で東シナ海を横行している実態を明らかにした。

 国際海洋機構の2004の定めにより、300トン以上の外航貨物船、500トン以上の内航貨物船、そしてすべての客船は、AISを切ってはならない。中共はこれに違反しているのである。

 また各国はそれぞれに、国内法でAIS運用基準を定めている。たとえば米国の全長65フィート以上ある漁船は常時、AISをつけっぱなしにしていなくてはならない。

 中共は、米海軍の駆逐艦がコンテナ船にぶつかると弱いという弱点を知ったので、コンテナ船が輻輳する海域でわざとAIS無しの商船を充満させ、米海軍の接近をたじろがせようという魂胆なのだろう。


★《続・読書余論》袖井林二郎『マッカーサーの二千日』中公文庫2004、初版1974年