最新の《note》は、トマス・アクィナスの神学大全と、ノモンハン&機甲の大特集、および、ロシア軍小特集 です。

 共産主義の屁理屈の根っこにはキリスト教神学がある。これをおさえておかないと国際宣伝戦で悪魔に勝つことはできない。おさえましょう。たったの300円です。

 ノモンハン事件でソ連の機械化部隊に対する苦戦を日本陸軍がどれほどショックに感じたかは、その後数年間で刊行された一般向けの数学系・理工系の書籍をながめると、得心できます。紙不足の統制経済下の出版は、陸軍省の許可なくしては不可能だったからです。

 日露戦争における国際法や戦費の工面、さらにそれが日本の世相をどう変えたか、おさらいしておくのも有益でしょう。

 いずれも、  https://note.com/187326mg/  を ごらんください。

 次。
 Rupert Darwall 記者による2022-2-24記事「Standing Up to Putin Means Ditching Net-Zero」。

   バイデン政権が成立するとまず北米の「Keystone XL」パイプライン敷設計画の免許を取り消したが、こんな環境政策をやっていればロシアがますます地政学的に強敵に成長するだけだろう。

 米国ニューイングランド地方は他地域とのガスパイプラインの連接がよくない。2018の冬は大ピンチだったが、ロシアからLNGタンカーが入港することで何とかしのぐことができたのである。米国じしんがロシアにエネルギーを依存するというトンチキなことになっているのだ。それを解消するのが「Keystone XL」パイプラインのはずだった。その敷設を禁止してバイデン政権は何をしたいのか。

 「ネットゼロ」というスーパー理想主義は、EUという単国家を超越した法支配空間内においてのみ、有効なのだ。とうとうそれが証拠立てられた。このたびロシアが単国家として無法をやり始めたら、EUにはなすすべが無いのだ。

 米国が環境問題で、このEUに追随すれば、米国もまた、無法国(ロシアと中共、その他)に対して、EUと同様、何もできなくなってしまうだろう。

 EUが国連におしつけた「気候プロセス」からも米国は脱退すべきである。もうそんなことをやっている場合じゃない。EUにはロシアの侵略をストップする力が無いのだから。

 EUの中ではドイツが、はやばやと2000年に「リニューアブルエネルギー法」を成立させて、ソーラーと風力に本格投資すると決めた。が、それは事実上は、ロシアのガスへの全面依拠路線の確定であった。※メルケルは首相になったのは2005だが、キリスト教民主同盟の党首になったのは2000-4。

 イギリスも苦しい立場だ。EUからは脱退したものの、エネルギーに関しては、イギリスはEUと一体であるしかないからだ。EUの気候政策に付き合わぬわけにはいかず、それは英国に非常なコストと、地政学的な弱点を負わせている。

 ボリス・ジョンソンは2019に商業的フラッキング(地下への水注入法による石油採掘)を禁じた。そして今月、試掘中の2つのシェール層をコンクリートで塞いで探査を打ち切らせる命令を下した。

 そもそもソ連が西欧へ天然ガスを供給しはじめたのは1960年代である。

 当時の西ドイツ(石炭には不足していなかった)の指導者ウィリー・ブラントが、その取引を推進したのは、もっともな理由があった。東西両ドイツを再統合するためには、まずソ連となじみになるしかなかったからだ。だからこそ、東ドイツが最も、ソ連=西独のガス貿易に、反対をしたものである。

 2009年にガスプロムは欧州向けのガス送出を止めたことがある。
 にもかかわらずドイツとベルギーは原発の廃止を決めてますますプーチンの支配に入りたがっている。

 地政学的リアリズムとは、エネルギーの現実主義だ。
 この現実主義の立場からは、「ネットゼロ」は西側世界の自殺であると予見できる。

 ※熊プーがプーチンを声援できるわけがない。なぜならロシアが今見せている侵略テクニックは、満州事変や冀東・冀察政権(北支分離工作)と同列だからだ。大連や東支鉄道を作ったのは帝政ロシアである。新疆も一時はソ連勢力圏に入っていた。それらを返してもらうといわれたら中共はどうするんだ?


★《続・読書余論》『世界の名著20 トマス・アクィナス』1980年刊

★《続・読書余論》ノモンハンと戦車と機械化 大特集

★《続・読書余論》 ロシア軍 小特集