沿海州の天然ガスはすべて北樺太からパイプラインで来ている。間宮海峡のパイプラインを破壊すれば、数ヶ月後に同地方のガスの貯蔵は尽きてしまう。

 ドイチェヴェレの記事「High fertilizer costs threaten farmers amid sanctions on Russia」。
   今次戦争のせいで国際的な肥料の値段が上がる。
 というのは、窒素肥料の15%はロシア製なのだ。カリ肥料の17%もロシア製。

 ドイツの農業は、ロシア産肥料への依存率が30%もある。だから、ピンチ。
 中央アジアは、ロシア産肥料に50%依存している。

 2023年までに、世界の肥料の値段は、13%上がるだろう。これはFAOの予測値である。

 意外なところではブラジルが困った。これまで、肥料原料の85%を、ロシアとベラルーシから輸入していたのである。

 肥料がなければ、ブラジル人の消費する大豆、トウモロコシ、サトウキビが、十分に生産されなくなってしまう。

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 ジェーンの2022-3-16記事「India‘s BEL enters UAV market to thwart airfield attacks」。
  自重9kgのテザード・マルチコプターで飛行場への侵入者を見張らせるという、UAVの新製品。

 夜間でもIRセンサーによつて半径600mまで見張れる。

 もしテザーが切れても、内蔵の非常用電池で5分、ブレードを回し続けられる。
 地上からの有線給電は無制限なわけだが、マルチコプターはモーターが過熱するので、6時間したらいったん着陸させて、1時間モーターを休ませる必要があるという。

 ※ウクライナ人がマルチコプタードローンから爆発物(手榴弾など)を投下する改造を個人レベルで試行中。DJIの「ファントム〔4?〕」だと400グラムのペイロードがあるので、旧ソ連型の手榴弾を落とせる。しかし、数百グラムも持ち上げられるモデルは、DJIではホビー用としてはもう製造をしていない。だから中古のDJIを集めて送れ、という話に、米国ではなっているのかもしれない。1人のウクライナ人実験者によると、高度300mから地面の1点を狙って投下したときに、誤差は1mしかない、と。

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 Steve Hendrix 記者による2022-3-18記事「Inside the secret transfer of military equipment to Ukrainian soldiers」。
    ポーランドからウクライナへ軍需物資をトラック搬送する国境ゲートは、臨時急設のもので、案内道路標識は一切無い。完全秘密の田園地帯。ゲートではパスポートチェック無し。関税検査もなし。

 ポーランド人の警備隊員は、同乗のWP記者に対し、写真はダメだぞ、と怒鳴り続けている。カメラ内臓のGPS機能も切るように指図された。

 この道路のすぐ先に、このまえ露軍がアゾフから巡航ミサイルで攻撃して35人が殺された、ウクライナ領内の訓練基地がある。

 これは米軍の物資ではない。リトアニア国民の有志が、古いSUV、ピックアップトラック、救急車、現金輸送トラックなどを再整備して、ボランティアのドライバーによって陸送し、ウクライナに届けようというコンヴォイである。元軍用野戦炊事車も含まれている。

 ここを数時間後に通過する予定の本日第2陣のコンヴォイは、発電機、無線機、偵察用ドローン、暗視装置、7000着の防弾ヴェストなどを積んでいる。

 リトアニアやポーランド国内には、市民からの需品寄贈を受け入れる集積ポストが複数、開設されている。そこに、たとえば狩猟用品ショップから、猟用のジャケットがまとめて1000着、寄贈されたりする。つま先に鉄板の入ったブーツもいちどに800足、送られてきた。

 ウクライナ国内へは「サリン解毒剤」が14パレット分、まもなく運び込まれる。
 野戦止血キットは1万3000個。衛星通信用携帯電話端末×200も。

 中古のSUVを買ってすぐウクライナへ援助したいという客には、ショップも義侠に感じてその場で大幅値下げしてくれるという。ポーランド人やリトアニア人やスウェーデン人から見ると、ウクライナ兵はまさにじぶん達の身代わりとなって戦闘中なのである。他人事ではない。

 民間車両の急速改造ショップも大忙しだ。ウクライナ軍に使ってもらうためには、光を反射する部品があってはいけない。ボディ本体とともに、すべてつや消しODで塗装し、場所によっては鉄板補強もしてやる。

 車列は終始、警察車両が静かに先導する。

 ※トルコ領から黒海を縦断してウクライナまで物資を揚陸できる、半没ステルス輸送艇が必要だろう。南米の麻薬組織がジャングル内で作って密輸に使っている、アレだ。これならロシアの黒海艦隊には防ぎようがない。この海路ができたなら、日本から貨物船でペルシャ湾に需品を揚陸し、そこからイラク内を北上してトルコ国境を越え、さらに黒海海岸からウクライナへという新ルートができることになり、露軍はセバストポリに逼塞するしかなくなるだろう。このようなステルス輸送艇は台湾有事のさいにも重宝するはずだから、今すぐ設計を開始すべし。