古代エジプト人は、空爆されても崩壊しない堅牢建築のデザインを大成していた。それがピラミッドだ。

 ウクライナの都市を再建するなら、従来の「モダン」な高層アパートを再建してはダメだ。ピラミッド型の集合住宅が、考えられなくてはならない。

 土地があれだけあるんだから、ビルを箱型にする必要が、そもそもないだろう。

 新次元の高層アパートは、1発の砲爆撃によっては全壊せず、住宅としての機能も停止することなく、戦車砲で撃たれてもなお、市街戦の「支闘点」となる抗堪力を発揮し続けるように考えられていなくてはならぬ。

 そして、応急・臨時の修復作業を住民の手だけでも進められるような、適宜のブロック構造になっていることも望まれる。

 都市建築そのものが、敵に対する抵抗力の誇示となる。そのような都市が国土に重畳していれば、敵の侵略決断の閾は、格段に高くなるはずだ。

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 2022-3-30記事「The Kremlin’s Next Targets? Georgia and Moldova」。
  ※記者は元、グルジアの外務副大臣もしていたことがある、トビリシの学究。

 プーチンにとって、ウクライナとジョージアとモルドヴァは、ひとつのセットである。この3国はロシアが支配しなくてはならないと考えていて、じっさいに不法にロシア軍によって一部を占領させてもいる。だからウクライナにおいて露軍が殲滅されない限り、プーチンは次にすぐにジョージアとモルドヴァをやるはずだ。

 トビリシから60kmのところにあるアブハジアと南オセチアの不法占領露軍基地からもウクライナへ兵力が投入されている。アブハジアにはもうすでにその戦死者の死骸が戻って来つつある。

 2008-8にロシアはジョージアに「五日戦争」をしかけた。ジョージア陸軍の練度は高かったが、防空力が無く、且つ、黒海を完全に露軍に支配されているために、早々に、屈服させられた。

 プーチンは、ウクライナでの失敗を国内向けにごまかすために、ジョージアとモルドバをあらためて侵略する可能性がある。ジョージアの場合、露軍の代わりに、プーチンの犬であるカディロフのチェチェンギャングを最後の一兵まで投入してもいいのだ。

 ジョージアもモルドヴァも、ロシアが攻めてくるなら、抗戦する以外の道などない。
 その場合、米国とトルコがジョージアをどのくらい支援できるか、NATOがルーマニア経由でどれだけモルドバを後援できるか、が、結果を左右するだろう。

 ジョージアとモルドバは、ぼやぼやしていてはならない。今すぐに、予備役と後備役の組織強化と訓練と塹壕構築を始めなくてはいけない。

 モルドヴァとジョージアが襲われた後はどうなるのか? きまっている。プーチンはそこでは停まりようがない。停まればプーチンはじぶんが殺されると知っているからだ。処刑をまぬがれるには、戦争を無限に展開し続けるしかない。いつでも侵略準備は整っている、バルト3国とポーランド方面を、次に開戦させるだろう。

 ゆえにEUとNATOは、他人事と思わず、モルドヴァおよびジョージアの防衛に対する梃入れを、ウクライナ援助と並行して進めなくてはいけない。

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 UPIの2022-3-31記事「South Korea tests first solid-fuel rocket in wake of North Korea ICBM launch」。
   水曜日、韓国は、国産の固体燃料ロケットの試射に成功。

 このロケットには、衛星をLEOに投入する能力があるという。ということは、そのまんま、ICBMである。

 韓国は自前の軍事衛星を持っておらず、衛星写真は米国頼みである。

 韓国は1979いらい米国から、固体燃料のロケットを造ってはならないと申し渡されていた。
 しかし2020に米韓のガイドラインが改訂され、韓国も固体燃料ロケットを開発できることに。

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 MATTHEW LEE 記者による2022-3-30記事「Blinken urges Algeria re-think on Russia, Western Sahara」。
   ブリンケンはアルジェリアを訪れ、同国政府がロシアとの関係を切って、隣国モロッコとの関係を修復するように求めた。

 アルジェリアの大統領テボンはかつて、ロシアを兄弟国と呼んだことあり。モロッコに対しては、西サハラをめぐる数十年来の不満がある。

 ※旧「スペイン領サハラ」が、西サハラ。そこの独立運動がポリサリオ戦線。モロッコ国王は歴史的に正当化できない領有権を西サハラに対して主張して、西サハラの8割を占領中だ。このポリサリオにアルジェリアが聖域を提供し、ソ連が武器を提供してきた。モロッコはスペインの対岸なのに旧フランス保護国(よって映画の『カサブランカ』の風物がのみこめる)。アルジェリアは旧宗主国のフランスに対する感情が今でもこじれている。アルジェリアの天然ガスは、スペインとイタリアには海底パイプラインで直送されているが、対岸のフランスへはつながっていない。モロッコ+スペイン経由でフランスまでパイプラインをつなげるという計画は、アルジェリアが圧送を打ち切って、ブチ壊した。アルジェリアはワグネルの給料を金欠ロシアの代わりに支払って、マリなど旧フランス植民地を攪乱させ続けている。プーチンはアフリカでフランスを苦しめることが、シリアと東欧でのロシアのフリーハンドを強化すると考えている。モロッコはイスラム圏ながら世俗化が進んでいるので、トランプ時代にイスラエルと国交を結ぶことができ、そのイスラエル製の攻撃型無人機で、アルジェリア商人のトラックを西サハラで爆撃して3人も殺しているテロ国家だ。1963年には「砂戦争」という、オアシス欲しさの侵略戦争をアルジェリアに仕掛け、アルジェリアがソ連の武器でこれを撃退した。

 アルジェリアは1962年にフランスから独立していらい、ソ連製武器に頼ってきた。

 アルジェリアは2022-3、駐スペイン大使を召還した。スペインは以前は、西サハラについてのモロッコの主張に反対だったのに、とつぜん、こんどはモロッコの主張を支持するようになったので、怒った。

 ブリンケンはアルジェリア入りする前にモロッコで高官と会っている。

 その前にはブリンケンは、イスラエルのネゲヴ砂漠に行き、イスラエルの外相と会っていた。

 トランプ時代、モロッコの他、UAEとバーレーンが、イスラエルとの国交を樹立している。「アブラハム協商」という。

 モロッコは巧みだった。モロッコによる西サハラの領有を米国が認めるのなら、イスラエルと国交を正常化してやるよ、とトランプにもちかけ、成功した。いらい、米国はモロッコの立場を支持するしかなくなったのだ。どうみてもモロッコが「侵略者」であるのに。