高空を低速で飛ぶ、中型の攻撃型(非自爆式)無人機は、対艦攻撃には使えない。

 indomilitary の2022-4-12記事「Ukrainian Bayraktar Drone Shot By Russian Shtil Missile System Off Crimea」。
   ウクライナ軍はバイラクタルTB2を洋上の対艦攻撃に使おうとして、逆に『アドミラル・エッセン』の艦対空ミサイル「Shtil」によって撃墜されてしまった模様。
 『エッセン』は『アドミラル・グリゴロヴィッチ』級のフリゲートである。

 この第一報はTASS。発表は露国防省。

 「Shtil」は、前甲板のVLSから発射される。
 対応できる高度は、1万5000mまで。

 水平射程は32kmという(高度1000m以上の飛翔物に対して)。
 ミサイルの自重は1トンである。

 ※おそらく売り手のトルコが、TB2を艦載機化する計画があるので、実戦で使えるかどうか、テストしたがったのであろう。しかし、無謀であった。ロシアの艦載防空レーダーは、低速小型機もしっかり捉えることができたようだ(この点、むかし尖閣空域に中共のプロペラ機が侵入したのに海保から通知されるまで気付きもしなかった空自よりは、うわ手)。ひとたび存在を探知できれば、洋上に味方の低速機が飛んでいる可能性はゼロなので、ためらうことなしにSAMを発射できる。MALEの艦載機化は有望である。しかしそれは、対地(対島嶼)作戦限定だ。

 ※ナゴルノカラバフのアゼルバイジャンと、今次のウクライナの大きな違いは、高性能な対「電波輻射源」自爆型無人機の「ハーピィ」「ハロプ」を事前に導入しておらず、したがって実戦投入もできていないことである。わたしは、ナゴルノカラバフでのアゼルの大勝利は、TB2よりもむしろ「ハーピィ」の貢献が大きかったのではないかと思っている(2021-3の拙著参照)。しかしイスラエルやアゼルとしては、それはあまり他国に知られない方が好都合なので、トルコがTB2を大宣伝するのに任せたのだと疑える。もし「ハーピィ」を超低空でスウォーム運用した場合に、対艦制圧はどこまで有効なのか、是非知りたいところだ(韓国も知りたいだろう。大量に買っているので。中共も同様のはずだ。それが有効ならば、対米空母の切り札になるから)。敵艦の艦載レーダーが強力であればあるほど、「ハーピィ」は、より遠くからそのレーダー源にロックオンできる。

 次。
 Michael Trobridge 記者による2022-4-12記事「Fact check: How to spot a fake military success story in Russia-Ukraine war」。
   SNS上に投稿されて出回っている「撃破」動画の三分の一は、過去の別な戦争(たとえば2020ナゴルノカラバフ戦争)のフッテージの日付を改変した、プロパガンダ映像である。

 そうした真贋を見破るために役立つウェブサイトとしては「TinEye」と「Yandex Visual Search」がある。ブラウザーとしては「RevEye」がある。



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