雑報によると、露兵どもが苦労してベラルーシから盗品130個口をロシアのルブコフスク市へ送ったところ、そのうちのたった3梱しか、配達されなかったそうである。のこり127個は、行方不明。配達ルートの途中で、盗まれてしまったのだ。
次。
Mikhail Bushuev 記者による202-4-15記事「Expert interview: What Russia did in Syria, may predict what happens next in Ukraine」。
ロシアが膠着したウクライナ戦線でどんな策を弄するかは、シリアの前例を見れば予言できる。
ロシアは2015-9にシリア内戦に軍事介入し、特定地点での停戦を実現させ、アサド軍に一息つかせようとした。
2017前半に「戦闘緩和ゾーン」をシリア西部について宣言し、同方面で疲弊していたアサド軍を再編成して東部戦区に集中できるようにしてやった。
2018にシリア軍は「戦闘緩和ゾーン」にまた戻ってきて、イドリブ市以外の全域を再占領した。
ウクライナでも、首都への進軍が頓挫すると、その北部戦線を整理して、ドンバス戦区に改めて戦力を集中しようと図っている。
シリアからの「教訓」は単純で、ロシア・サイドの表面的な言動は決して信じるな。奴らは、じぶんらの旗色が悪いときには、もう戦争をやめるような言説を流して相手を油断させて、その間に、自軍の戦力を再構築し、またすぐに攻勢を再開するのである。
露軍がマリウポリに設けましたよと幾度も宣伝中の、「人道回廊」。これもシリアでは何度も使っている手口だ。
2016年のシリアのアレッポ市。6ヵ月攻囲しても陥落しないものだから、「人道回廊」を開けて住民とゲリラを市の外へ誘出しようと図ったが、誰もがロシアの仕掛ける罠だと警戒したのはとうぜんであった。
ところがロシアは、このように呼びかけても市の外に出てこないのは、そいつらがテロリストである証拠だ、と決め付け、いよいよあからさまに市街区への無差別砲爆撃を強める正当化理由とするのである。さらに、アサド軍によるガス攻撃も、テロリスト相手だからかまわんだろうという国際世論をつくって行くわけである。相手がどっちを選ぼうとも、けっきょくは他者を虐殺することしかロシア人の頭にはないのだ。
まったくこのシリアで使われた手と同じやり口がウクライナで再演されるであろう。
マリウポリからは大勢の住民が拉致されてロシア奥地へ強制分散させられているが、これは、市内で起きた露軍の蛮行の生々しい証言を、誰にもさせないことが目的である。
マリウポリが露軍によって完全占領されるようなことがあれば、やはり、最終的には全住民が、ロシアの超僻地へ分散的に移住させられる。なぜなら、現地にそのままとどまってもらっては、あとでどんな証言を、国際法廷に持ち出されるかも知れないからである。証拠は消さねばならぬのだ。証人にも、消えてもらわねばならない。
ロシアの庇護下でアサド軍はシリア国民に向けて毒ガスを幾度も使った。うしろだてのロシアに遠慮して国連はそれを罰することができなかった。これによって、戦場における化学兵器使用の敷居はガックリと下がってしまったことを、西側世界は知るべきである。「レッドライン」はとっくに存在しない。
次。
The Maritime Executive の2022-4-15記事「Drones to Monitor Ship Emissions in Baltic for Sulfur Content」。
バルト海を航行する各国商船のエンジンから、EUの定める基準値を上回る硫黄酸化物を排出していないか、特別なセンサーを搭載したドローンを使って監視しようという計画。
ちなみにバルト海では、排煙中の硫黄化合物は0.10%までしか許容されない。
スペインはジブラルタル海峡で同様の監視をするであろう。
※わが国は、化学兵器に対するセンサーを搭載した無人機をウクライナの各地に飛ばし、露軍がガス兵器を使ったらただちにそれを検出できるようにするとよい。そのような迅速な証拠収集体制があることが、ロシア人にガス攻撃をためらわせるという可能性が、少しはあるからである。