神経剤のエアロゾル(毒液)も、その揮発ガスも、空気より重いから、証拠サンプルは地面から拾うのが確実だ。
さいわい、ボストン・ダイナミクス社製の犬ロボット「スポット」は、おととしから800万円代で市販されている。そこにはアームも追加で取り付けできる。
土壌サンプル収集と証拠写真撮影をさせるだけなら、ほとんど改造の必要もないのだ。
夜間、分析装置を積んだ車両からスポットを放ち、街まで歩かせて、現場でサンプルを集めさせる。スポットは日の出までに車両の位置まで歩いて戻る。それだけだ。
高濃度にNBC汚染された街区にも、スポットは平気で入り込み、サンプルを持ち帰ってきてくれる。サンプルを拾った場所のGPS座標も記録される。
今からうろつかせておけば、露軍司令官が化学兵器の使用を決心する敷居が、すこしばかり高くなるだろう。
露兵がスポットを銃撃して阻止するようになったら、そのときは、マルチコプター型ドローンを着地させて土壌サンプルを集めるという方法に、切り替えるのがよい。
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Sakshi Tiwari 記者による2022-4-17記事「‘Held Hostage’ By Engine Manufacturers, World’s Biggest Naval Power ? China Struggles With Submarine Tech」。
タイが中共から『元』級の潜水艦を買うという話は、ドイツのMTU製のエンジンが前提であったが、この不道徳な輸出をドイツ政府は黙認できなくなったので、中共はやむなく国産エンジン「MWM 620」を取り付けて納品しようとしたところ、タイはその潜水艦の受け取りを拒否している。
タイは1隻を135億バーツ=4億300万ドルで買う予定だった。(その前の商談では3隻だったが、タイに金がなくなって、1隻に減らされていた。)
同じ問題がパキスタンと中共の間でも起きている。8隻の元級(039型)の商談。うち4隻はカラチの造船所で組み立てるという話だった。
中共海軍がドイツのMTU製、および、MAN社のフランス子会社工場製(どちらも親会社はフォルクスワーゲン)のエンジンを、その水上艦と潜水艦に搭載しているというスキャンダルは、2021末に、ドイツの公共放送ARDと、新聞の『Welt am Sonntag』が、すっぱ抜いた。
ドイツは、1989天安門事件に対するEU制裁を、守っていなかったのだ。
中共の『宋』級と『元』級は、MTUの「396 SE84」シリーズのディーゼル・エンジンがなければ、機能しない。
EUの審査もザルであった。SIPRIによれば、1993年から2020年までの間に、EUから100基以上の軍艦用エンジンが、中共へ輸出されている。これらの輸出商は「デュアルユース」の口実をフル活用していたのだ。
『The Diplomat』誌によれば、MTUは1986年、中共のメーカーに、「396 SE84」のライセンス製造権を与えていて、それによって3基が製造され、実装されている。
※むかし、6×6の「偵察警戒車」のタイヤが箆棒な値段だという話を聞いたことがあったが、高額なのはあたり前なのであった。駐車中、ラジアルタイヤの側壁には、ものすごいプレッシャーがかかり続ける。その負荷に、平然と耐えるものでなくてはいけないのだ。このタイヤに、まがいモノの安物を使えばどうなるか? 駐車中にタイヤが変形してしまうのである。特に何ヵ月も動かさないでいると、そうなるという。西側軍隊で装輪車両を何ヵ月もモータープールに置きっぱなしということは考え難いのだが、露軍は金欠なので、1年近くも露天で動かさないことがあるらしい。そこに急にディスパッチが来て、空気圧が低いまま長距離を走り出せば、安物の中共製のタイヤの側面が裂けてしまう。露軍にこの問題があるらしいことは、はやくも3月上旬の時点でSNSで指摘されていた。だがその後のフォローアップの詳しいリポートは無い。ちなみにクリミア半島は砂漠状土壌なので、春の融雪泥濘期が無く、そこではタイヤの苦労も少ないそうだ。
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Sakshi Tiwari 記者による2022-4-16記事「S-400 ‘Makes A Kill’ ? Russia’s Missile Defense System Trends After ‘Downing’ Ukrainian Chopper & War Time Delivery To India」。
ロシア国防省発表。S-400によって、ウクライナ軍の「ミル8」ヘリコプターを1機、撃墜したと。
場所は「Chernihiv」地区。レンジ30kmくらいで当てたらしい。
インドは、ロシアから買ったS-400を、ブンジャブ州に配備した。パキスタンおよび中共の、どちらからの空襲にも対応できる。
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Louisa Loveluck and Serhiy Morgunov 記者による2022-4-16記事「In Bucha, the story of one man’s body left on a Russian killing field」。
ブチャは3月4日に占領された。そして27日間、露兵が居座った。
斬首、焼殺、レイプ、きまぐれ射殺は、早い段階から実行されていた。
家々を一戸ずつ捜索して携帯電話を奪った。位置通報や、戦争犯罪の証拠確保を防ぐため。
とうぜん住民は、それらを隠すことに努めた。
※携帯電話とは別にコンパクトデジカメも用意していないと、こうした戦争犯罪の証拠確保ができなくなるということ。
住民に対しては、ウクライナ軍から、露軍の突入の直前に、隠れろという電話指示があったという。