モスクワ郊外で「イスカンデル」の構成要素の生産も請け負っていたケミカル工場が大火災。サボタージュが強く疑われる。造反有理。「シン革命」が、もう始まっている……?

 Valerie Insinna 記者による2022-4-20記事「SpaceX beating Russian jamming attack was ‘eyewatering’: DoD official」。
   イーロン・マスクによると、2月末にウクライナに端末を援助したスターリンク衛星群に対して、さっそくロシアはハッキングとジャミングを試みてきたが、それらに対してスペースX社は3月25日より前にソフトをアップグレードして、妨害を無効化したと。

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 Anazette Ray and Michael Vardaro 記者による2022-4-18記事「What contractors that work in Russia need to know」。
   開戦の前から、ロシア国内での建築や設計の仕事を請け負ってしまっている米国企業は、今後、どうすりゃいいのか?
 NYCの法律家2名が答える。

 バイデンは、露軍の戦争犯罪が明瞭になったので、大統領命令を発した。ロシア国内で米国人/法人が新規投資することを禁ずる。また、ロシア国有企業と米国人が商取引することも禁ずる。

 この命令は、既成の契約の上には、及ばない。

 各州政府による独自の制裁も追加されている。たとえばNJ州。ロシア/ベラルーシ関係の、禁止ビジネスや禁止人名のリストが、作られつつある。
 NJ州からの仕事を請け負っている下請け企業や、税の優遇を受けている法人は、特に気をつけねばならない。ロシアでの仕事を続けていると、バッサリとやられる。

 同じことはNY州でも言える。

 ロシア法にしたがって契約している企業が、どうやってその契約から抜け出せるのか?
 じつはロシア法には「不可抗力」の規定がある。天災、戦争、軍事作戦、暴動、禁輸は、その条件を満たす。
 ただしロシアの司法が、ロシア国外たるウクライナでの戦争はこの条件を満たさない――と言い出す可能性はある。

 また、「不可抗力」事情が終息した暁には、契約者は、ふたたびその履行モードに復帰しなくてはいけない。ロシア法によれば。

 ロシア法は、次の事由を「不可抗力」だとは認めてくれない。すなわち、下請け企業が抜けてしまった、とか、必要資材を市場から調達できなくなった、とか、融資を受けられなくなった、とか。

 現実的には、米露の契約者間で、契約関係の一時停止について話し合い、それを合意するという選択が、好ましいかもしれない。

 あなたが、ロシア関係の事業に、自己資金を投じている人であった場合、そのカネはもう戻ってこないと覚悟したほうがいいかもしれない。これに関して、ロシアの裁判所には、準拠できる「先例」は無い。

 ロシアの裁判官は、プーチンが個人的に指名できることを忘れてはならない。つまり司法の独立などさいしょから期待すべきではない。

 ロシア政府は、西側からの制裁に対抗するための新法を、次々と公布するはずである。すでにそれは始まっていて、制裁を受けたロシア企業の側に、有利な内容である。この法令の執行権は、ロシア最高裁に与えられている。米法人が逆に「罰金」を払えと命じられる可能性すらあるのだ。

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 ロイターの2022-4-20記事「Putin wants Russia to boost its use of metals to counter sanctions」。
   プーチンは産業担当の高官ならびに企業の代表たちとテレビ会議し、工場やインフラや住宅を建設することでロシア国内の金属消費を増やさねばならないと発言した。

 経済全体が効果を感ずるような、長期の事業計画が必要だ。それによって国内の金属需要をサポートするのだ。

 これまでロシアは、数百億ドル分ものアルミニウム、ニッケル、銅、鉄鋼を、おびただしく輸出してきた。それらの資材はまだ西側の禁輸制裁の対象になっていないが、それら企業の株主たちは、経済制裁の対象に含まれている。

 可能性として、鉱山と精錬工場の労働者だけでも数十万人が失業するおそれがある。

 オランダに本拠のあるウェブサイトの「Oryx」によれば、ロシアは戦車×500両、APC×100両、他の戦闘用車両×数百両を既にうしなっている。

 ロシアの金属産業に資金を貸してきた銀行、それらの輸出資材を運んでいた船会社、それらの金属資材を購入していた外国企業が、逐次に手を引く流れになるだろう。

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 Caitlin Doornbos 記者による2022-4-21記事「Biden approves another $800M in military aid, including more howitzers, for Ukraine」。
   木曜日、バイデン大統領はさらなる8億ドルの対宇支援を打ち出した。
 こんどのは、72門の155ミリ榴弾砲、72両の牽引車、14万4000発の155ミリ砲弾、その他である。

 「その他」の中には、121機の「フェニックス・ゴースト」という戦術無人機が含まれている。これは米空軍が、ウクライナのために特急で開発させたもので、「スイッチブレード」と機能は同じだという。つまり超小型の自爆特攻機だ。

 いずれも、平原がどこまでもひろがるドンバス戦域で役に立つ。そこには地形の起伏がまったく無いのだ。

 すでに米国は700機以上のスイッチブレードの対宇供給を決めている。それに追加される。

 また、先に供給が決まっている18門の榴弾砲と合計すると、155mm砲は90門となる。これは米式砲兵大隊を5個、作れる数量だ。

 ペンタゴンは、米国内の軍需品を、4日でウクライナまで配達できる。そして今回の軍需品の発送は、48時間以内に始まるという。

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 Valerie Insinna 記者による2022-4-21記事「Meet ‘Phoenix Ghost,’ the US Air Force’s new drone designed for Ukraine’s war with Russia」。
   フェニックス・ゴーストのメーカーは、「AEVEX アエロスペース」社だという。謎の会社だ。
 米空軍が、ウクライナ軍のためだけに、超特急で開発させた。

 これを受領したウクライナ兵には、ほとんど訓練は必要ないという。ただし、それ以前にスイッチブレードや他の無人機を扱った経験がある場合――だが。

 AEVEX社はカリフォルニア州のソラナビーチにある。
 取材に対して、何も答えてくれない。