けっきょくC-17が必要になりそうですなあ……。

 インドが対露の腐れ縁を切れないというので、C-2の援助輸送飛行計画が頓挫。
 ロシア上空もインド上空も経由しないでポーランドまで飛ぶとなったら、C-2では、あきらかに荷が重い。

 とりあえず、世界じゅうにあるはずの、民航の巨大貨物機(旅客機からコンバートしているタイプ)を自衛隊がチャーターするしかないのかも……。

 それと、サプライチェーンがグローバル化している時代なんだから、「現地調達」に頭とカネを使った方がいい。ポーランド国内の工場に発注をかけるんだ。日本政府のカネで。チェコやスロバキアやルーマニアだって工場があるはずだ。

 1工場でいきなり大量生産なんて無理だから、多数の工場に、多種の品目を、少数ずつ発注する。あわせて、在庫を、くまなく買い上げまくる。その一切合切を、ポーランドのトラック輸送会社を雇って、リビウまで届ける。そうすれば周縁諸国に対する間接的な「経済援助」にもなるだろう。即効性がある上に、中~長期的にもNATOの下部条件が強化される。しかも日本は大感謝される。はるかに上策だ。

 そのくらいの「機転」を利かせられねぇのか。
 防衛駐在官とその女房は、遊んでいちゃダメだ。いざというとき現地で使えそうな「工場」や在庫「商品」を、平時から調べておかないとね。

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 Chris Chase 記者による2022-4-20記事「Russia facing aquafeed shortage as suppliers boycott country」。
   ロシアの魚養殖業者は2016年から2021年のあいだに180%も生産量を増やしてきた。2021で35万8000トン。主にアトランティックサーモンとホッキョクイワナ。そのエサは西側から調達してきたのだが、ウクライナ侵略で、調達が途絶えそうで、甚だ困ったことに……。

 2021年の養殖生産量を維持しようとしたら、エサは23万トンほど必要である。が、ロシア国内では2万トンしか餌を生産していない。9割以上、餌を輸入に頼っていたのだ。

 その輸入先であるが、大手は、デンマークのビオマール社、フィンランドのライシオ社、ノルウェーのスクレッティング社。全世界的な調達ネットを構築しているので、とにかく餌の質が良い。

 これをロシア国内で模倣するのは難しいという。

 餌の量だけなんとかするのなら、中共、トルコ、イランから輸入はできるという。しかし質の保証がない。

 カレリア地方での養殖は5月後半から今年のシーズンがスタートする。いきなり大量の餌が必要だ。それまでに代替の輸入先を見つけなければならない。ベラルーシにもサプライヤーは少しあるというのだが……。

 コーカサス地方の魚養殖業者も同じ悩みにぶつかっているところだ。こちらは、ロシア産とトルコ産の餌でなんとかするしかないようだ。

 輸入の餌代はもうすでに4割、値上がりしている。これは製品の小売価格を15%、高くすることになるであろう。

 いまからロシア国内で養殖餌の製造工場を建設するにしても、それが稼動するまでに3年はかかるはずである。

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 indomilitary の2022-4-20記事「Russia deploys Iskander-K cruise missile system, equipped with camouflage nets」。
   露軍は、地対地巡航ミサイルである「イスカンデルK」をウクライナの東部戦線ハリコフ正面へ持ち出してきた。

 この巡航ミサイルを4基搭載する車体は、ベラルーシの工場で製造されている8×8トラック「MZKT-7930 アストロログ」である。ただし、車体上面の全平面にわたって、隙間なく念入りにカモフラネットがすっぽりと被せられている。

 今次戦争で、ドローンから自軍車両がすべて丸見えであると、覚った戦訓が、反映されているようだ。

 巡航ミサイルは公称、490kmしか飛翔しないことになっている〔INF条約で500kmを超えると違法になるため。じっさいはもっと射程があるはず〕。1発の重さは1.8トンから2.3トン。

 トラックのエンジンは「YaMZ-846」ディーゼルで、500馬力。

 別報。英国は、スターストリークSAMを、ストーマーという装軌式APCに搭載した防空システムを、追加でウクライナに提供している模様。

 レーダーとサーマルで空域を警戒し、ミサイルは即応で8連射できる。予備12発も積む。