「フェニックス・ゴースト」はSEAD用ではないか?

 誰も知る者がいないという超謎のUAV、フェニックスゴースト。
 面白いから私が予想する。

 これは「ハーピィ」の廉価版だと思う。ハーピィについては兵頭著の2021-3刊の単行本を見てくれ。

 米空軍版のハーピィを飛ばすことにより、敵の短SAMを一掃する。

 そのあとで、砲兵観測用の、ちょっと高額な、レーザースポッター付きの偵察UAVを悠々と運用し、とりあえずは155ミリ砲でドンバスの露軍を駆逐して行く算段と思う。その観測用UAVの品名はまだ明かされてない。バイラクタルであっても不思議はない。SEADさえ他の手段で実現したなら、もう何でもありだろう。

 その前の報道で100機以上供与するとリークされた「クァンティクス」は、砲兵観測用UAVではない。レーザースポッターがついてない。そのかわり、森林や市街地の中の敵AFVや天幕だけをマルチスペクトラムカメラで見分けて地図にしてくれる。

 「Quantix」無人偵察機は、クォッドコプターのように垂直離着陸ができるが、水平飛行時には横倒しとなり、広い主翼で揚力を稼ぎつつ、高速で戦場をスキャンしてすばやくデジタルMAPをつくって、戻ってくる。何度でも使える、バッテリー式だ。
 ただしそのティルト運用スタイルからして、兵装を吊るすのにはまったく向いていない。40分未満のマッピングのための飛行に特化している。
 操縦者は2km以内なら直接リモコンができる。それ以遠はウェイポイントを使うプリプログラムにより、20kmまで進出可能。

 以下、雑報。
 スロベニアは、M84(ユーゴスラビア版T-72に増加装甲鈑をとりつけたもの)をウクライナ軍に供与する。
 その穴埋めとして、ドイツ連邦軍のマルダー(装軌MICV)とフクス(装輪APC)が、スロヴェニアに与えられるようだ。

 ※これは合理的。ドイツ人が同じNATOのスロヴェニアまで出張してメンテを手助けすることには何の問題もない。ウクライナだとそうはいかず、ウクライナ兵が低技倆のため壊してしまった場合も、ドイツ製の出来の悪さのせいにされかねず、甚だ面白くない。高性能AFVも、あたら無駄になってしまう。そうなることをいちばんドイツ人は嫌っているはず。

 ロシア軍はレーザー誘導式の152ミリ砲弾「2K25」をすでに戦場に持ち出している。その部品や不発弾が拾得されている。

 トルコ製の防弾ヴェストがロシア軍のライフル銃弾を4~5発も、ストップしてくれた証拠の写真がSNSに上がっている。

 ※現地物品調達先としてトルコも有望だ。わざわざ日本から支援物資をウクライナまで現送しようとして航空便が手当てできなくて困っているという「輸送の経済性」がまるでわかってないネアンデルタール人が東京には多いようで驚いたが、これを機会にグローバルサプライチェーンの積極利用に目覚めよう! しかし、いつになったらガダルカナル作戦の兵站面での無謀さを常識として銘記するんだ日本人は?

 フランスのタレス社が戦地から糾弾されている。ウクライナ側に鹵獲された露軍の「BMD4」の暗視装置などFCS関係は、ぜんぶタレスの製品であると判明してしまった。何を考えているんだEUは?



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