知床半島での沿岸無線中継用には、高塔ではなく、ODASを浮かべるのがよい。

 ODASとは、オーシャン・データ・アクィジション・システム。

 比較的に小ぶりな「アンテナ・ブイ」である。海底のチェーン・アンカーから、樹脂製の繋維索によって繋留される。

 基本仕事として、天象と海象のリアルタイム・データを集めて、それを無線で送信することが考えられている。(参考となる図絵は、PDF論文の Yiming Huo 他著「Cellular Communications in Ocean Waves for Maritime Internet of Things」に載っている。電波がどこまで届くと期待できるかの細かな計算式付き)。

 知床半島の沿岸の場合、これを、有線ケーブルとも連接しやすいはずだ。半島陸上部の地中埋設ケーブル本線から枝分かれさせればよい。地中埋設だから自然破壊しない。もし地中埋設ケーブル工事すら「世界遺産」規定違反だというなら、そんな迷惑な「世界遺産」など返上すべきである。国民の安全に替えられるものではないのだから。

 携帯電話の中継もできるアンテナブイが半島沿岸沖に点々と浮かんでいれば、漁船も観光船も、確実に携帯電話で交信できるようになる。のみならず、知床半島の陸上部も、隅々まで携帯電話の「圏内」になるであろう。

 ロシア軍の不法工作の試みを防遏するために、こうした通信インフラがますます必要になるはずだ。

 従来わたしは、知床半島には日本最大の電波鉄塔(電波灯台)を建てるべきだという考えであった。
 しかし今次ウクライナ戦争での露軍のやり口を見て、1基の大型固定鉄塔では破壊工作の的になるだけだと理解した。

 分散的な、目立たない、靭強な通信インフラが必要である。
 海底もしくは地中の有線が切断されても、このブイは、独自電源と無線によって、最低限の機能を維持する。

 まちがいなく、国境の海と沿岸の安全を、今よりも確かにしてくれるだろう。

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 Bill Gertz 記者による2022-4-28記事「State Department identifies two Chinese bioweapons sites」。
   1972年の生物兵器条約に中共は1984に署名しているので、過去から現在までのすべての生物兵器研究について開示する義務が中共にはあるのに、それをしていない。

 米国がこれについて会合をしたいと要求しているのを中共は2年連続で拒否している。

 デュアルユースの研究は条約違反だし、生物兵器の貯蔵じたいが条約違反である。中共はどちらにも違反している疑いが濃い。
 過去の貯蔵分も処分しなければいけないのだが、それを中共は明証できていない。米国はそこを問うている。


 次。
 Joel Gehrke 記者による2022-4-29記事「Russia to discuss lunar base with China」。
   ロスコスモスの長は、5月末までに「月面基地を中共と合同で建設する」ことについての話し合いを煮詰めると公表。

 ISSでの米欧との協働は今後、ほぼ不可能な情勢なので、宇宙事業のパートナーを切り替えて行く。

 政府間協議もあるので、方向が具体化するのは2024だろう。

 ※雑報によるとウクライナ空軍の幽霊戦闘機乗りは、ほんとうに居たらしい。実名が明かされた。開戦初日に、10機の露軍機を撃墜し、そのご戦死し、死後叙勲された。これが本当なら、ジェット戦闘機による空戦史上最高のスーパーエースということになる。