『マカロフ』に命中した時刻は早朝の4時だった由。

 TB2が「スネーク島」上の露軍の自走SAMをレーザー誘導爆弾で直撃破壊した動画が出回っている。昼間のように見える。

 雑報によると、ウクライナ軍は、米国製の、セミオートの40mmグレネードラーンチャー(手持ち式)を250梃、受領した。据付式のフルオートタイプもすでに供給されているが、それがこの250梃に含まれるのかどうかは不明。

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 Sam LaGrone 記者による2022-5-5記事「Warship Moskva was Blind to Ukrainian Missile Attack, Analysis Shows」。
   米海軍の退役大佐のクリス・カールソンは、『USNI News』に語った。4-13に沈められた『モスクワ』は、そもそも照準レーダーを作動させていなかったと。したがって接近する対艦ミサイルに対し、なすすべがなかった蓋然性がある。

 被弾直後の写真が証拠だと。そのレーダーは「格納」ポジションで止まっていると。
  ※檣上の網目の対空捜索レーダーのことではなく、ヘリ格納庫上にあるSAM誘導用〔?〕の、釜形レーダーのこと? たしかに、真後ろ向きになっている。

 ネプチューンの飛翔性能はほぼハープーンと同じである。亜音速で、高度10m弱をまっすぐ飛んでくる。ステルスではないし超音速でもない。この仕様の巡航ミサイルに対しては、40年前に設計されたロシアの個艦防空システムも、理論上、対処は可能だ。

 『モスクワ』の艦隊空ミサイルは「OSA-M」である。しかしそのミサイルを誘導・指揮するための照射レーダーは、格納位置にあった。

 古い装備はしょっちゅう故障するものだ。洋上ではそれは修理できない。そんな感じだったのだろう。

 ネプチューンは『モスクワ』の「前部機関室」に2発とも、突入している。
 ガスタービンもスチームタービンもすぐに機能不全をきたしただろう。発電ができなくなり、ダメコンは難しくなった。

 SNSの「テレグラム」に、ワグネルの関係チャンネルがあるのだが、そこに投稿された話によれば、『モスクワ』の乗員は、「TB2」×2機を、目視できたそうである。ただしそれが被弾前なのか被弾後なのかは不明。

 米海軍のP-8Aが付近を飛んだのは、ミサイル攻撃の前であった。

 P-8とウクライナ軍との間にデータリンクは確立されていない。データリンクが確立されていなければ、ボイスによって目標情報を伝えることもできない。

 ※雑報によると、多くの『モスクワ』乗組員の遺族が、遺族恩給を受け取れないそうである。公式には戦死してないことにされているので。また5-9にプーチンが「総動員」を宣言することには、経済的な合理性がある。将兵に特別手当を出してやる必要がなくなるのだ。国家が戦争状態に入ったのだから、ロシア国民たる兵隊は、ほぼ無給で、無期限に遠征させられても文句を言えなくなる。財政が助かる。「宣戦布告」はパリ不戦条約違反なのでロシア外務省から止められるだろう。しかし「交戦状態にある」ことの政府宣言は、パリ不戦条約には違反しない。だから東條も真珠湾直後に「西太平洋において米英軍と交戦状態に入れり」とラジオ放送させたのだ。条約違反であることはちゃんと自覚していたのである。

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 ブルームバーグの2022-5-6記事「China orders government, state firms to dump foreign PCs」。
   中共政府は命令した。中央政府機関、および、国有企業は、2年以内に、外国製のPCを廃棄せよ。

 5月の連休中は、その切り替えに適しているという。
 中共の中央政府機関だけでも、使われている外国製PCの数は5000万台以上あるだろうという。

 中共は、国内で稼動するすべてのPCを、国産OSで走らせることを求めている。全面的に切り替えていく気、まんまんである。

 ※その次の目標は、スマホのOSもハードも例外なく純中共製に切り替えさせることだ。やがて、ロボット運転自動車のソフトについても、外国製は厳禁されるであろう。こうした流れはすべて兵頭の旧著『米中AI大戦』で予言したとおりだから、再読してみて欲しい。あの本以降、中共に投資している日本の携帯メーカーや自動車メーカーの経営陣は、背任罪を問われ得る状態にある。



米中「AI大戦」