博物館兵器を総動員中! 

 いよいよミサイルがなくなったらしいロシア軍、1958年開発の「キッチン」空対地ミサイルを、イスカンデルの代わりに発射してきた。「X22」ともいう。液燃ロケットで600km飛翔する、5.8トンの化け物。
 命中精度は、なんと最大5kmも外れる。水爆弾頭が前提だったので。

 次。
 SOFREPの 2022-5-10記事「Booby-Trapped AK-47 Magazines: Here’s How The Russians Make Them」。
   20世紀中から存在が知られている、「AK-47の弾倉内に爆薬を仕掛けてあるブービートラップ」が、やはりというか、ウクライナ戦線に姿を現したという。

 道端で死んでいる兵士の弾倉パウチから弾倉を回収し、「おっ、こりゃいいや」とばかりにじぶんの銃にとりつけるか、初弾をチャンバーに装填、あるいはその前に弾倉に実包を補充してやろうとしてマガジンフォロアーを押し下げると、その瞬間、弾倉内のプラスチック爆弾が轟爆する。

 記録では、1990年代後半のボスニア紛争中のバルカン半島でも、NATO軍将兵に対して、「死体の弾倉は拾うな」「弾倉からタマを抜くのも危ない」という注意が与えられていた。

 ベークライト製のマガジンの中には、35グラムのプラスチック爆薬の他、起爆用の工業雷管と、バネの力でその工業雷管を突く、撃針メカニズムが組み込まれている。弾倉最上部の実包を動かせば、バネ撃針が作動する。雷管は専用品で、マガジンの底部にネジ止めできるようになっている。

 それはロシア軍が、お友達のセルビア軍に与えたのだろう。仕掛ける直前に、安全ピンを抜くようになっていた。うっかりすると、そのリングが残っていて、バレてしまう。

 じつは最初にAK用のブービートラップ弾倉を考えて製作したのは、ベトナム戦争中に南ベトナム軍をアシストした米軍顧問団だった。それは起爆スイッチとして電気回路を使っていた。やはり、弾倉最上部の実包を動かすと、起爆する。
 弾薬が豊富ではないゲリラは、必ず仲間の死体から弾倉や弾薬を回収するという習性に付け込んだ罠だった。
 現在、リビア、マリ、モザンビークでも、ワグネル・グループの露系傭兵が、こうしたブービートラップを活用中である。