スウェーデンは、軍犬用の両眼保護ゴーグルを、ウクライナ軍へ寄贈した。

 雑報によると熊プーが脳の動脈瘤だという。

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 ストラテジーペイジの2022-5-14記事。
   米空軍と海軍が合同で開発した、通常爆弾を落下中にGPS誘導できるようにし、なおかつ艦船を「即沈」できるようにした特別なキット「Quicksink」について。

 この爆弾はJADAMのバリエーションなので、攻撃目標の敵艦から最大24km水平に離れた空から投下できる。

 なにがすごいかというと、はじめはグライダー弾、そして最終弾道は「水中弾」となって、海面下を水平に直進して敵艦の艦底部分を襲うのである。

 ※旧日本海軍の「九一式徹甲弾」の、緩降下爆撃バージョンと思えばよい。ただし炸薬量は桁違いに大きい。貫徹によるのではなく、アンダーキール爆発を狙っているのだと想像できる。

 じっさいに、スクラップ化予定の大型貨物船を射場海面まで曳航し、そこに「クイックシンク」を1発落としてみたところ、文字通り轟沈した。船体はまっぷたつになり、1分未満で海没。このような威力は、従来なら、1本数百万ドルの長魚雷によってしか、発揮できなかったものである。

 「クイックシンク」にGPS妨害をかけても無駄である。INSでバックアップされているからだ。
 特に、攻撃対象が大型の貨物船である場合、船脚は遅いので、INSの誤差はあまり問題にならない。

 Quicksinkを運用・投下する母機には、「ターゲティングポッド」がついている必要がある。
 ターゲティングポッドは、高度6800mからでも、遠くの艦艇を「視覚化」してパイロットに見せてくれる。そのフネに乗っている者が軍人なのか民間人なのかを、テレビ画像で教えてくれるところが、特に重宝。

 遡ると、米軍は2011年に、「B-1B」爆撃機から、レーザー誘導式のJDAMを投下して、航行中の舟艇を直撃できないかという実験をして、成功させている。当時のターゲティングポッドは「Sniper」であった。しかしこの方式だと、母機はさいごまでレーザー照射をし続けねばならぬため、すぐ敵から遠ざかることができず、しかも、爆弾は船を上から直撃することしかできない。相手が巨艦であった場合、必沈は期しがたく、母機が返り討ちに遭うかもしれなかった。その上、レーザー誘導のためのキットは、GPS誘導キットよりも高額なのだ。

 あたらしい「クイックシンク」は、台湾防衛に使われる。中共軍は多数の「Ro/Ro」船(自動車運搬船や、大型フェリー)を使って大軍を揚陸させる肚であることがわかっている。その「Ro/Ro」船を、クイックシンクはただの1発で沈めてしまえる。多数の陸兵は、フネおよび満載の車両もろとも海の藻屑に……。投下母機は、AWACSによってコース誘導され、電子妨害専用機がエスコートする。

 クイックシンクに折畳翼をとりつけると、さらに滑空距離は60km以上にも伸びる。電子妨害機のエスコートがあれば、それが途中で撃墜されることもないのだ。

 「クイックシンク」は、2018年の2000ポンド爆弾版「クイックストライク」の派生版として着想された。
 「クイックストライク」は、遠くの空から撒ける沈底機雷である。通常爆弾に、GPS誘導装置と、折畳滑空翼と、尾部複合センサーをとりつけて、封鎖予定海域から60km以上離れた「B-52」から、ばらばらと12発ほどリリースする。爆弾は、パラシュートで減速してそれぞれ正確な座標に着水、そのまま沈底機雷堰を構成する。この実験は500ポンドJDAMでは2015年に成功した。

 投下爆弾をJDAMに変えるための後付けキットは、単価が2万6000ドルである。
 投下爆弾に、折畳の滑空翼とGPS誘導装置を後付するキットは、単価が46万ドル。これで、水平距離120kmの攻撃が可能になる。
 水平距離900kmでのリリースを可能にする「JASSM ER」という後付けキットだと、93万ドル。

 ※空自の既存アセットを利用すれば、1発1億円で、「敵地反撃」もできるわけ。

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 Stetson Payne 記者による2022-5-14記事「Chinese Aircraft Carrier Liaoning Spotted Off Taiwan In Satellite Imagery」。
  台湾東沖で活動中の中共空母『遼寧』と随伴艦が、民間の衛星写真によってもありありと捉えられてしまった。

 こういう写真の解析を専門にしている「Detresfa_」という会社が、見つけた。
 衛星は「Planet Labs」社のものである。

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 John Hudson 記者による2022-5-14記事「Flood of weapons to Ukraine raises fear of arms smuggling」。
   米国内の新たな心配。大量にウクライナに供給しつつある武器弾薬類が将来、ウクライナ軍以外のグループの手に渡ることはないのか?

 おそらくそれは不可避である。というのも米国自身が「第三者譲渡不可条項」をおおっぴらに無視している「現行犯」だからだ。すなわち、いま米国からウクライナに与えようとしている「ミル17」輸送ヘリは、もともと「モスクワ政府の承認なくして第三国へ譲渡しない」という条件付きでロシアから正規輸入したものなのである。

 ペンタゴンの言い訳。それは米国法の下では合法である。国家の安全保障が優先される、と。

 2022年に米国からウクライナに援助した軍需品の金額は、過去、アフガニスタン、イラク、またはイスラエルに援助したどの単年度の金額よりも大きくなるはず。