四月二十九日に打ち上げられた「コスモス2555」が高度を維持できず5月18日にアラスカに墜落する模様。

 偵察衛星だろうから、できるだけ低軌道から撮影させようとしてしくじったのか。

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 Kimberly Johnson 記者による2022-5-16記事「Marine Corps To Advance Uncrewed VTOL Program」。
   有人ヘリコプターの無人化では老舗であるカマン社が、最新型の、無人で荷物を運んでくれる海兵隊用の後方補給ヘリコプターを開発していて、その形状が明らかになった。

 これは最大で2名の乗員の添乗も可能なのだそうだが、従来とはあべこべに、無人のクォッドコプターをそのまま巨大化し、申し訳に、「しょーがねーなー、乗っけてやっか」という感じて人も乗れるようにしてやっている……ような感じ。

 この巨体ドローンは800ポンドの荷物を垂直にスリングで持ち上げ、そのまま523海里〔=968km〕、運搬することが可能である。

 他に、民間輸送市場を狙っている「ベータ・テクノロジー」社(ヴァーモント州)は、20kgの荷物を運搬させる電動モーターの垂直離着陸ドローンを開発せんとしている。

 「ピピストレル」社は、今、「ヌーヴァ」という垂直離着陸ドローンで20kgの荷物を輸送できる目処をつけているが、これを300kgに拡大するつもりらしい。

 輸送大手のFedEx社は、ベンチャーの「エルロイ・エアー」社と組んで、500ポンドの荷物を持ち上げられる垂直離着陸輸送無人機を、来年、試験飛行させられる見込みだという。

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 Ocean News の2022-5-9記事「Rotech Subsea Provides Key Inter Array Cable Repair at Dutch Offshore Wind Farm」。
   洋上風力発電の建設でめんどうなのが、そのタワーから岸までの海底埋設ケーブル。海底の泥の中、深さ1.5mに、ケーブルを埋めてやらなくてはならないのだ。
 保守点検では「埋め直し」の作業もしなければならない。

 この面倒な作業を自動化する水中作業ロボットを、「Rotech Subsea」社が開発した。

 北海は、海岸からかなりの場所まで、水深がせいぜい20mとか30mの浅海が続いている。だから、深海作業機にする必要はない。そこが都合がよい。

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 2022-5-16記事「Teaching underwater stingray robots to swim faster and with greater precision using machine learning」。
   シンガポールの「技術設計大学」でこのたび「頴娃」形のUUVを開発。
 エイがヒレを動かすように、円盤状の人造ヒレを動かさせるのだが、どう制御すれば効率的な推進力を水中で発揮するようになるか、マシン自体に学習させるようにして、制御アルゴリズムを洗練した。

 「バイオ・インスパイアード・ソフト」というアプローチだ。

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 The Fish Site の2022-5-12記事「Can cod farming make a profit?」。
   ノルウェーの海洋養殖センターは、「鱈」の養殖に挑んでいる。

 ハードルはやはりコスト。
 魚肉1kgを増やすのに、費用が40クローネ~43クローネ(4.09ドル~4.4ドル)で済むようにしないと、天然タラを漁獲するのとくらべて、市場競争力は無いのである。

 海の魚も「家畜化」する。ノルウェーの試験場では、すでに5世代を連続養殖し、いま、6世代目を育てているが、このくらいになると、もう「脱走」しなくなるという。生育もますます快調なペースになってくれる。

 その顕著な性格変化は、5世代の時点で起きたという。

 鱈は、1尾が2kg以上あるなら、市場は大歓迎だ。

 そして、第五世代の養殖タラは、平均して、一尾が3.85kgにまで肥ってくれた。22ヶ月から23ヶ月で、である。
 10年前に養殖試験を始めたころは、こんなに大きくはなってくれなかった。

 餌の量も、昔よりは少なくて済むようになっている。個体の性成熟を回避させる技術が、この低コスト化に貢献している。

 養殖途中で死んでしまう率も、今では14%まで低下した。

 ノルウェーの養殖鱈は、最大5.0kgまで肥らせることができている。
 タラは、ハラワタを抜いて頭を切断すると、残る身の重さは63%である。

 稚魚は117グラムである。ここから、平均3.85kgまで大きくするのだ。
 鱈を1kg肥らせるのに必要な餌は、1.24kgである。