いよいよ女子徴兵と「学徒出陣」の段階に…。

 Stefan Korshak 記者による2022-5-19記事「RF army recruiters scrambling to find manpower, draft-dodgers」。
   ロシア国内の電話通話を傍聴している複数の機関によると、ロシア国内ではウクライナ戦争は不人気で、軍からの志願のよびかけに誰も応じようとしない。徴兵逃れが横行している。

 ドネツクのある兵士の家族は医師に賄賂を渡して本人が心臓病ということにしてもらい、みごと、除隊帰郷させることに成功した。
 兵隊の中には、精神病を装って従軍を回避しようとする者もいるという。

 クレムリンは、対策として、「徴兵法」を改正しようとしている。警察官によって、徴兵対象者を確実に、徴兵事務所まで連行させる、という制度に変えようというのだ。

 さらに、ロシアが占領したウクライナ地区でも、住民に対してこのような強制徴募をどしどし進めるつもりである。すなわち18歳から60歳の男子は兵役簿に登録し、そのうち30歳以下の男子は即日入営せしめる。

 とはいえ依然としてクレムリンは、大都市(モスクワ、サンクトペテルスブルグ、クラスノダール、ノヴォシビルスク、ハバロフスク)に於いては、徴兵の徹底をためらっている。都市暴動が起きることを懸念しているのだ。

 5月18日には、ドンバスのふたつのロシア系分離政府の行政域下にある大学の大学生に、徴兵免除をしないことが公布された。すなわち「学徒出陣」が、これから始まろうとしている。

 ドンバスでは警察が、家を一軒一軒しらみつぶしに捜索して、兵役適齢年齢の男子を捜索しているが、もちろんのことに、とっくにどこかに逃げ匿れているから、徴募実績は上がっていない。

 5月15日には、ドンバスの2地区で、ついに「女子徴兵」が始まった兆候がある。対象年齢は18歳から45歳だそうだ。
 ちなみに「大祖国戦争」中にはソ連では女子も徴兵されていた。しかし戦後ロシアは一度も女子を徴兵したことはない。これまでは。

 クリミア半島の住民で、ロシアが占領する前にウクライナ軍に入営していたことのある者は、いまのところ、強制徴兵の対象にはされていないという。

 2022年春のダゲスタン州での徴兵事務は酷いものだったとロシア国内でも軍事コミサールが批判するほどだ。実戦には投入しないと繰り返して嘘の約束をしておいて、ウクライナの最前線へ送り込んで皆、殺してしまった。

 次。
 The Maritime Executive の2022-5-19記事「CSSC Launches World’s First “Drone Carrier”」。
    孫逸仙大学の南海研究所は、珠海の造船所に、軍艦ではない民間船として、無人航空機・無人水上艇・無人潜航艇の洋上実験基地とする船舶を、2021-7から建造させていたが、このほどできあがり、進水した。

 これは世界初の《無人機母艦》である、と、彼らは宣伝している。就役は今年じゅうの予定。

 全長290フィート。無人機は各種数十機を混載できる。

 ※わが国の本土の内陸部では、電波法やら航空法やらの縛りが五月蝿すぎて、とても無人機の研究どころではないから、絶海の孤島とか、公海上に浮かべた船舶プラットフォームを使って、自由闊達に研究開発するのがいいと、兵頭は昔から著書で主張していたのであるが、結局、またしても、その提案を先に採用するのは、中共なのである。実行のスピード感が違いますよ。

 ※雑報によるとイランは、巨大コンテナ船を改造した、長さでは世界最大となる「軍艦」を建造していることが、衛星写真でつきとめられている。それをIRGC(イラン革命防衛隊)部隊の洋上基地とするつもりらしい。