Steve Balestrieri 記者による2022-5-21記事「Revolutionary: Why the Army Will Love Sig Sauer’s XM5 and XM250」。
米陸軍はM16/M4体系を65年ぶりに、革新する。
すなわちXM5小銃と、XM250自動銃〔分隊軽機なのだが歩兵銃感覚で扱える〕に、2023年から正式に更新して行く。
メーカーはSig Sauer社の米国内工場である。
新小火器は6.8ミリ弾を使う。より弾道が安定しており、射距離は延び、殺傷力も高い。
新小火器にはサプレッサーが標準装備としてついているので、音も小さく、閃光も目立たない。
反動はマイルド。銃身寿命も問題ない。
更新は、歩兵、偵察隊、戦闘工兵、特殊部隊から優先して来春から逐次に。そのあいだ、他の部隊はM4を使い続ける。
そしてこの二つの新小火器には、「XM157」というハイテク光学照準器が取り付けられる。メーカーは「ヴォルテックス・オプティクス」といい、「シェルタード・ウイング」社の子会社である。同社は、これから10年で25万個を納入し、対価として27億ドルを陸軍から受け取る。
この照準装置を「NGSW-FC」とも呼ぶ。
大気圧を自動計測し、赤外線レーザーで測遠し、ブルートゥースで射手のゴーグルに狙い処を映示する。もちろん暗夜でも。
実包のケースは、銅とスチールのハイブリッド素材。弾薬重量の軽減に貢献している。
距離500mから600mの間で、この6.8ミリ弾のおそろしさが敵に知られるであろう。7.62ミリ弾より小さいのに、7.62ミリの分隊軽機よりも正確に敵兵を斃して行く。
イラクの都市市街戦に長くかかずらわってしまった結果、米軍のM4はどんどん屋内戦闘用に短くなり、その用途では役立つのだが、500m以遠の撃ち合いとなったら、もはやゲリラ以下になってしまった。この趨勢を逆転する。
※雑報によると、バイラクタル社の双発無人機「アキンジー」の試験飛行。無人でトルコの西端からジョージアのバクーまで飛び、またそこから無人で戻ってきた。完全に成功。
また、SNSに写真が出た。2月にポーランドが100門寄贈した「LMP-2017」という60ミリ迫撃砲をウクライナ兵が使っている。ポーランドは弾薬1500発も寄贈している。
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Scott Murdock 記者による2022-5-20記事「Are tactical pens bullsh-t? An investigation」。
「タクティカル・ペン」という奇妙な商品がある。
アルミ合金製。黒塗り。太くて長目の万年筆サイズのボールペンで、胸ポケットに差しておけるのだが、その後端部分は円筒キャップとなっており、それを外すと、中から金属ポンチのようなものが露われる。それを下にして握り、思い切り自動車のガラス窓に突き立てれば、強化ガラスを割ることができるのだ。
5種類の商品を比較テストした。
その5種のうち、ガーバー社のものだけが2.3オンスと重い。これは素材にアルミ合金ではなくステンレススチール(+耐熱セラコート)を使っているからだ。
※Cerakote というものがあるとは知らなかったが、調べるとすごい。セラミック塗料を常温で塗り、常温で乾燥させるだけで、その金属の表面が耐熱化されるのだ。小火器等に塗る場合は高熱処理する。なんと650度から最高1200度まで耐えるものになるという。これが本当なら、いろいろなマテリアルの「耐火」の問題はほぼ解決じゃないか。たとえば軍艦をアルミで造っても、セラコートしておいたら燃えないわけ? そのへんがもっと詳しく知りたいぞ。
他の4商品は、最も軽いのが1.2オンス、重いのがボーカーの1.7オンス。
なお、本記事で結論としてオススメの「5.11 Tactical Vlad」という商品は、1.6オンス。
記者の信条。雨で濡れると書けなくなるようなペンは、軍人の筆記具たり得ない。
結論。「5.11 Tactical Vlad」というタクティカル・ペン、が最優秀であった。
秘密のガジェットはなにも付けていない。
ボールペンの軸先も常時、露出状態で固定されている(ノック式ではない)。
しかし、雨の中でも書けるし、ガラスもしっかり割れる。
濡れた紙の上にもちゃんと書けるボールペンのインクがあったことに、今回、記者(元軍人)は、いちばん恐れ入った。
Vlad は、窓ブチ割りテストにも、見事合格した。
豆知識。一般には、自動車の正面のガラスはメチャクチャ頑丈なので、これを割ろうなどと思うな。
雹が降っているところでクルマを走らせた人なら知っている。サイドとリアのウインドウは粉々になるが、フロントウインドウは無事である。
なお、タクティカル・ペンは、米国では、民航機内へ、身につけたまま持込むことはできない。しかし、預け荷物とする分には、問題がない。
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Tom Metcalfe 記者による記事「Prehistoric rock carvings may have been the first cartoons in history, new study suggests」。
古代人が遺した洞窟画。そこには動物が描かれているが、焚き火のゆらめき光源によってそれを近くから照らすと、アニメーション効果が出るようになっているという。意図的に、動物が動いているように演出しようとした可能性があるという。
古代の画家・彫刻家は、アニメーターだったのだ。
英国ヨーク大学の考古学者アンディ・ニーダムが、そんなことを言い出した。
光源は、地面の焚き火ではなかった。その壁画を照らし出すためのスポットライトとしての松明等が、ひとつひとつの動物の像の近くで、その彫刻や彩色を炙るように保持されていたのである。これは南仏の洞窟画の焦げ具合を調べて分かったという。
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ストラテジーペイジの2022-5-21記事。
米海軍は、いよいよ新型病院船を手に入れる。こんどの新造船群は、既存の2艦よりもはるかに小型にし、そのかわり高速で派遣できるようにする。
既存の2艦は、7万トンの巨艦で、タンカー改造であったためエンジンが弱く、時速30kmしか出せない。
そこでこんどの新病院船は、これまで高速輸送用に使っていた双胴船体のフェリーを転用する。
すなわち『スピアヘッド』級輸送艦(2400トン)のバリエーションにする。ただし少し大型にする(3100トン)。
1隻1億8000万ドル。毎年の運用経費は2800万ドル。
最初の1隻は2029年までに就役させたい。
従来、傷病兵を応急治療したあと、リハビリ過程は陸上施設へ移すパターンであったが、海軍は、この病院船内でリハビリ治療まで完結させたいと思っている。
新病院船は、固定乗員28名。プラス、所属の医療者50名。
手術室×3。
全56病床のうち、6床は集中治療患者用、20床は中症、30床は軽症の患者用。
それ以外に、170人が便乗できるだけの設備を内臓。
ちなみに既存2艦はベッド数1000、医療者950名で、時代の要請にまったく合っていない。ソ連軍と欧州で正面衝突したときのピーク需要に応えるつもりで設計されているからである。
既存2艦は、現役艦の扱いでなく、予備艦の扱いとするしかなかった。というのも医師や看護師を950人も常時乗せっぱなしにしておけるわけがない。そんな予算の無駄遣いは許されないから。
しかし新型艦では、医療スタッフは常駐とする。どこかで災害が起きれば即座に急派できるようになるのだ。
新型艦は、吃水が4m。よって、より岸に近寄ることができ、特に河口域での活躍が期待できる。
新型艦のヘリ甲板は、オスプレイが離発着しても焦げない。
また中型ヘリ用の格納庫も1機分、ある。