トルコは、自国が盟主となる「第二NATO」をつくりたいのではないか?

 それは宗教的に寛容でなくてはならない。
 ジョージアが、それに加盟する準備ができているのかもしれない。

 ソ連が後援するPKKをやっつけるのに遠慮はいらないはずなのに、米国はプレデターを売ってくれなかったし(そのせいでTB2の自主開発になったのだが)、スウェーデンとフィンランドは、トルコが悪者のように、偉そうなご高説を垂れた。その謝罪をキッチリとしてもらいましょうかね……というのが、いまのところ、エルドアンの言いたいところであるのはだれしも想像できる。

 だが私の見るところ、エルドアンの狙いはもっと遠大なところにあるはず。

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 SOFREP の2022-5-21記事「These Weapons are Banned in Modern Warfare」。
    レオナルドダビンチは、砒素の粉や硫黄の粉を詰めた砲弾を考案したが、そうした毒入りの弾丸は、1675年のストラスブルグ合意により、フランスと神聖ローマ帝国との間では、使用がご法度になった。

 人の裸眼を意図的に恒久的に失明させる兵器は、1995年の特定通常兵器条約の「プロトコル4」で禁止されている。

 だが、敵兵を失明させるために放ったのではないレーザー光によってたまたま敵兵が失明しても、それはこの条約の違反とはならない。

 たとえば敵軍の光学照準装置や視察装置を機能させなくするためのレーザー兵器はOK。それを照射されたことにより、たとえば飛行機に乗っていた敵のパイロットが失明しても、それはOK。

 ナパーム弾や火炎放射器は、今日では、使ってはいけない。焼夷弾もダメである。
 これは1980年の特定通常兵器条約の「プロトコル3」で使用が禁止されたのである。

 火炎や熱、もしくはそれらの複合によって、対象物に着火させたり焼き焦がしたり、あるいは敵兵に火傷を負わせる兵器が、このプロトコルの禁止対象である。

 ※白燐弾は、これにひっかかる。黄燐発煙弾は、グレーゾーンだといえよう。

 ※2022-2月、ウクライナ政府が市民に火炎瓶を作れと指導していたのは国際法違反になるのかならないのか、当時から今まで、言及していたマスメディアを一つも思い出せないのだが、誰か詳しい人、居ない?

 1979いらい、非金属製の対人地雷も禁止である。たとえばプラスチック破片だと、レントゲンで見分けられないから。

 対戦車地雷は禁止されていないが、それらの地雷には、戦後処理し忘れた場合でも民間人に損害を及ぼすことがないように、時限式の自滅装置がついていなくてはいけない。

 ※陸自の対戦車地雷に自滅タイマーがついているとは聞いたことがない。どうなってんの?

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 Emma Veidt 記者による2022-5-18記事「Survived a Polar Bear Attack」。
  2013年7月にカナダ北極圏で白熊に食われそうになって助かった人の実話。

 ガイドとともにキャンプを張った。ガイドは、電気フェンスをめぐらすから北極熊に対しても安全だと言った。ところがその夜、白熊は電気柵を破壊して、一人のキャンパーのテントも押し潰し、そのキャンパーの頭を咥えて走り出した。

 白熊の息は、腐った魚の臭いがするそうである。

 ガイドが「信号拳銃」で照明弾を発射したところ、熊は驚いて被害者の頭を離してくれた。
 衛星携帯で救助を要請。
 ヘリが来るまで8時間もかかるような極地であった。

 被害者は、リハビリに何ヵ月もかかる重症を負ったが、命だけはとりとめた。

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 indomilitary の2022-5-22記事「IRIS Shahid Mahdavi, Becomes Fourth Floating Base of Iran’s Revolutionary Guard」。
   IRGC(イラン革命防衛隊)はすでに3隻の、商船改造の「洋上基地」を運用しているが、このほど、4杯目がお目見えする。

 『IRIS Shahid Mahdavi (110-3)』といい、バンダルアッバスで竣工した。
 ヘリの発着が自在にでき、いくつかの対空火器も備えられている。

 ベースとなったコンテナ船は2000年に建造されたもの。全長240.2m、全幅は32.2mである。

 IRGC(イラン革命防衛隊)の最大の洋上基地船は『IRIS Makran 441』という。もともとはタンカーで、10万6000トンもあった。

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 ストラテジーペイジの2022-5-22記事。
   ブリムストンは、平荷台の付いたトラックになら何にでも搭載することが可能な、射程の長い重対戦車ミサイルである。
 もっか、英国がウクライナ軍に供給しつつある、自信作だ。もともとはヘルファイアと同じく、攻撃ヘリから射つものであったが、その後、プラットフォームを特に限定はしなくなった。

 ミサイルの重さはヘルファイアと同じ48.5kg。

 2005年からあるのだが、アフガニスタンではあまり使い処がなかった。しかし2011のリビア干渉作戦では多用されている。弾頭炸薬量がそれほど大きくないので、市街地内にある敵陣地を、盾に使われている住民たちには側杖被害を与えずに吹き飛ばしてやるのに、至便であった。

 弾頭重量は9kgである。 ※ちなみに155mm榴弾のなかには7kgの炸薬が入っている。TNTが7kgあれば、至近弾でも戦車を擱坐させることができる。ダイレクトヒットの必要がないのだ。

 2010年に、ミリ波レーダーのアクティヴホーミング方式と、レーザー・シーカーのセミアクティヴ・ホーミング方式を、随意に切り替えられる新型ブリムストンが完成している。このバージョンは1発が26万5000ドル。旧バージョン(ミリ波シーカーのみ)だと17万ドルである。

 2015年に「ブリムストン2」が完成した。タイフーン戦闘機から発射するのにもう少しレンジを長くしたかったので、射程が60kmに伸ばされた。それ以前の型は、20kmであった。

 この60kmを飛翔するのに、「ブリムストン2」は、3分間かかる。

 2018年、ポーランド企業が、同国軍の装甲車上からブリムストン(旧型)を連射できるようにした。

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 Sudarsan Raghavan 記者による2022-5-22記事「Dodging shells, mines and spies: On the front with Ukraine’s snipers」。
    このワシントンポストの記者が取材した最前線では、露兵は、こちらの迫撃砲やATGMの間合いよりも近寄ってくることがなくなった。小火器や重火器間合いの戦闘になればウクライナ兵には勝てないと、とっくに学習したからだ。そこで必然的に、戦車砲や野砲を、遠くから間接照準で射ってくるだけになっている。

 こちらが村落に拠っているので、その村落にランダムに砲弾が降ってくる。

 それに対してこっちは迫撃砲チームとスナイパー・チーム(5名)で、じりじりと敵を東方へ追い出して行く。
 ドローン観測チームは、これら戦闘チームとは独立に、自転車でやってきて協力してくれる。

 ※SNSにすごい動画が投稿されていた。三脚に固定できる40mmフルオートの擲弾ランチャー(おそらく米国からの援助品)の弾着を、ドローンが観測しており、そのビデオが、砲側指揮官のタブレットにリアルタイムで動画送信されている。試射弾がうまいところに落ちると、指揮官は、今の諸元で急速射しろ、と号令する。それでフルオート連射。しばらくするとその弾着景況がタブレットに映り、指揮官大興奮。ほとんど「迫撃砲」という感覚だ。

 あまり敵の砲撃が激しいと、ウクライナ兵も後退するしかない。あらためて味方の砲兵の支援を得て、じりじりと東へ押し返して行くしかない。

 このように、戦線を動かす主役が砲兵に変わりつつある。

 戦場がハルキウから東へ行けば行くほど、露系住民の「残置諜者」が増えてくる。
 なぜか荒れ果てた村落から動こうとせず、ロシア政府発給のパスポートを持ち、そして、使い捨てのプリペイド携帯を7つも所持していたりする。スパイは、しばしば、婆さんだ。

 狙撃チームにとって肝腎な行動パターン。まず絶妙な観測点/射点となるポジションを見定めろ。そこへ静かに忍び入れ。そして、誰にも気付かれずにまたそこから出て行け。