非武装の囮用無人機を飛ばしてSAMを無駄撃ちさせるという、イスラエルが80年代からやっている初歩の手をなぜ宇軍が使わないのか謎。

 反射材をとりつけた安価・小型の非武装機なら、どんどん越境させてもお互い様で大問題にならず、自国領内での敵SAMの活動は希釈されるので、味方の武装型UAVがもっと自在に活動できるようになる。

 これをやらないのはどうかしている。

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 SOFREP の2022-5-25記事「This Is Why the Red Air Force Is Largely Absent in the Skies Over Ukraine」。
   英政府の国防大臣ベン・ウォレスいわく。ウクライナで撃墜された「スホイ34」の残骸を調査したら、コクピットに初歩級のGPS受信機がテープで貼り付けられていたと。これが露軍飛行機の不可思議な不活発をあるていど説明するのではないかという。

 有人機だけでなく無人機も不活発。だからシヴェルスキー・ドネツ河の彼岸10マイルに宇軍砲兵が展開しているのを事前に偵知できず、それを空爆で渡河直前に制圧することもできない。よって、相手砲兵に自由にこっちの車両を叩き放題にさせることになってしまう。

 シリアに派遣されている露軍の「スホイ34」のコクピット内に「Garmin eTrex Venture HC」という民間用GPS受信機がテープで貼り付けられている事実は2021-8 に偶然撮影された写真から露顕している。
 この受信機は外国旅行する人が道に迷わないために携帯するもので、街の電気屋で買えるシロモノ。値段は1万ルーブルくらい。

 ガーミン社によると「eTrex」の旧型商品は、旅行者に、現在位置、天気予報、道路交通警報などを知らせてくれる。特に欧州のデータベースが充実していると。

 また1機の「スホイ25SM3」は、ダッシュボードにガーミンの「GPSMAP 496」という商品を貼り付けているのが判明している。

 スホイ34も25も、もちろん、コクピット内に、ロシア製のGPS/GLONASS受信システムは搭載しているのである。(A-737-01 および PPA-S /V-06)。

 どうやら、ウクライナ人ハッカーが、GLONASSのシステムに侵入して、それを狂わせてしまったらしい。
 GLONASSには、ロシア国内の1箇所の中央制御センターの他に、5箇所のテレメトリー監視局、2箇所のレーザー測高局、10箇所の地上モニター局があり、開戦前には、ウクライナ軍もGLONASSのヘビーユーザーだった。

 このハッキングのため露軍は、GLONASSの利用をあきらめて、GPSに頼ることを余儀なくされているという。

 しかしハッキングの前にそもそもGLONASSは衛星数が足りておらず、シリアでは位置データの信頼度が30%から40%しかないともいう。

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 indomilitary の2022-5-24記事「The Australian Air Force will receive a total of 10 MQ-28A Ghost Bat Drones」。
    ボーイング社が開発し、豪州内の工場で製造する「MQ-28A ゴースト・バット」(前名「ロイヤルウイングマン」)を豪州国防省は正式に調達することを決めた。4億5400万豪州ドル=3億1960万米ドルでまず10機を買う。

 2024年には納品が始まる。

 ゴースト・バットには豪州政府も開発費を投資してきた。2017年から。

 MQ-28Aは全長11.6mで航続距離3704km。