「釣り磁石」でコジキ人生を逆転させろ!

 Ben Demchak 記者による2022-6-3記事「Everything You Need to Get Started in Magnet Fishing」。
   記者が子どもだった1981年、母親がビデオレンタル屋から、ハリソン・フォード主演の『レイダーズ うしなわれたアーク』を借りて来てくれた。これを視てすっかりハマってしまった記者は、長じて本物の考古学者になった。

 そしていま、記者が正式に商売にしているのが、針の代わりに強力な永久磁石をとりつけた釣糸でもって水底を探る「人工遺物ハンティング」だ。

 考古学者は地中を掘る。金属探知機も動員する。しかし、これは1日穴掘りを頑張っても、けっきょく何ひとつ得られずに空しく寝床に戻るというパターンが多い。確率論的に、報われないのだ。

 そんなとき、記者は、考古学者でもなんでもないただの暇人が、マグネットフィッシングをやっているYouTubeを視た。

 何がすばらしいか。ぜったいにボウズということがないのだ。糸を垂れれば、必ず何か面白いモノが上がってくる。
 時には昔の銃器のようなものが上がってくる。誰がなぜそんなものを河に投じたのか?

 このモダン・ガタロ趣味に到達したら、もう戻れない。

 さいしょ、記者は、アマゾンでありふれた磁石を注文し、地元の橋から糸で垂らしてみた。
 たちまちにして、バケツ一杯の収穫物が水揚げされた。まあ、ボルトとか鉄板のようなものだが……。

 それから1年、記者は、この趣味に最適な磁石とその形状を、さまざまに模索したのである。
 そしてとうとう2020年、記者は、このマグネットフィッシュングを「商売」として、ピッツバーグ市で営業開始することになった次第だ。

 キミもこの趣味を始められるぞ。

 用意するものは、引っ張り重さ500ポンドのネオジウム磁石、太さ6ミリで長さ65フィートのロープ、創傷予防用の頑丈な手袋、カラビナー、コンテナもしくはバケツ。一式、アマゾンで20ドルも使えば揃うだろう。

 面白くなってくれば、磁石を逐次に大型にして行く。最終的には、吸着力4000ポンドのネオジウム磁石になる。値段は百数十ドルだ。

 ネオジウム磁石は、正確には、ネオジウム、鉄、ボロンの合金である。
 この永久磁石にはグレードがあり、最低が「n35」、最上が「n52」だ。数字が大きいほど、強力。

 初心者は、磁石が引っ張れる力が500ポンドから1200ポンドの間のものにするとよい。それ以上の磁石を扱うには、経験が必要である。※橋桁にひっついたら、剥がせなくなる。

 高価な磁石をなくしてしまわないように、「命綱」もとりつけておくこと。

 ロープは、合成繊維でなくてはいけない。摩滅せず、腐食せず、紫外線を浴びても脆くならない素材を選ぼう。
 磁石がひきつける力よりも弱い張力で切れてしまうようなロープも、選んではならない。
 最低でも太さは6ミリにせよ。

 ロープの端にカラビナーを縛着するには「Palomar knot」という結び方にする。※釣り針とテグスの結び方としてユーチューブに多数の動画がある。

 マグネット・ガタロに最適なロープを、登山用品店で求めようとすると、オーバースペックの高額商品しかない。
 マグネットフィッシングの専門サイトなら、適価の商品が揃っている。

 磁石にロープをじかに結び付けてもいいのだが、記者は、その中間に、カラビナーを介在させることをオススメする。

 というのも、磁石を別なサイズ・形状のものと取り替えるのが、苦労無しでできる。また、非磁性のモノを引き揚げるための「鉤手」に交換するのも、容易なわけだ。

 カラビナーは、ロックできるものを選ぶこと。さもないと川の水流の力で何かに押し付けられて、ゲートが開いてしまい、後悔することになるだろう。またカラビナーの耐荷重は、ロープよりも弱くてはいけない。

 記者は、アルミ製の「Sturme」という頑丈なカラビナーを愛用している。アルミニウムは非磁性なのでマグネットに貼りついたりしない。

 危ないのが、磁石が釣り針やルアーをくっつけて上がってきたときだ。これを素手で外そうとするのは無謀である。必ず、防護手袋をはめよう。

 記者が愛用している手袋は「ショーワ・アトラス 6601-09」だ。

 これら道具を入れておく容器には、フォームを内張りしておくとよい。磁石がくっつかないので。

 使い終わった磁石は手入れすること。プラスチックのヘラや、ダクトテープを使って、微細な付着物を剥がす。そして、錆びさせないようにしなくてはいけない。錆びると性能が落ちるから。

 手入れの仕上げは「WD-40」防錆潤滑剤スプレーだ。

 歴史的な遺物を水中から拾い上げたい人は、橋や岸壁の古い来歴を調べて、古代からたくさんの人が住んでいた場所を狙うとよい。

 ひきあげてしまった、いらない鉄ゴミをどう処分するか、等については、専門サイトの助言を参考にしてくれ。

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 Kim Chae Hwan 記者による2022-6-3記事「Around 20 residents of South Hwanghae Province die due to starvation」。
   北鮮の「黄海南道」で餓死者が発生中。
 従来はこの時期、山野の新芽や草の根で凌いでいるのだが、ことしはロックダウン命令が出ているために、野草を摘むことができなくなっている。おかげで、自宅での餓死を強いられている。

 黄海南道のように、中共との国境から遠い地方の農村が、最も飢餓が深刻である。というのは中共国境に近ければ、いろいろと、助けてもらう手段があるのだ。

 ※雑報によると、セベロドネツクで露軍の中将戦死。ポパスナでは、少将戦死。「軍人将棋」かよ!

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 APの2022-6-5記事「Australia says China threatened plane over South China Sea」。
   南支那海の公海上空を5-26に飛行していた豪州軍のP-8Aに、中共軍のJ-16×1機が近づき、危険飛行によってイヤガラセした。

 2月には支那船が豪州のP-8Aにレーザー光線を照射するという事件発生。場所は豪州北海岸沖。

 ※2-17にミリタリー級のパワーのレーザーを照射した。アラフラ海を東航していたフネは登録軍艦ではないが、支那海軍が雇っていた。

 ※豪州ABCニュースで補うと、こんかいの支那機はまずP-8Aのすぐ近くを並行に飛行しながらフレアを放出。ついでP-8Aの前路を横切り、そのさいチャフを放出してP-8Aのエンジンにアルミ箔片を吸い込ませた。豪国防省による公式発表。

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 ワイヤードの2019-1-24記事「Drones Drop Poison Bombs to Fight One Island’s Rat Invasion」。
   ガラパゴス諸島の「セイモア・ノルテ島」では、外来の齧歯類が棲み付くと、生態系が土台から破壊されるというので、殺鼠剤[さっそざい]入りの毒餌を6軸マルチコプターから投下して、ドブネズミを皆殺しにしようと努力中。

 鼠はどこからやってきたのか。近くのバルトラ島から泳いできたらしいという。

 このドローンはプリプログラムされたコースで島を飛び回り、「殺鼠剤入り爆弾」を正確に投下する。「爆弾」は、決められた投下点から、50cmしか、逸れないという。

 セイモア・ノルテ島には、コウモリを除くと哺乳類が存在しない。そこに哺乳類である齧歯類が流入すると、おそるべきカオスがまちがいなく起きる。

 マルチコプターの自重は55ポンド。ペイロードは44ポンド(19.95kg)である。投下するのは、ペレット(毒団子)。青く着色されているため、鳥の関心を惹かない。

 ドローンは舟艇をプラットフォームにして飛び立ち、プログラムにしたがって飛行し、また舟艇に戻ってくる。

 鼠のいないところに撒いてもしょうがないし、有害だ。だから有人ヘリで島じゅうにバラ撒くようなことはしたくない。コスト高だし。

 ※19kgというのはすごい吊り上げ能力だ。120mm迫撃砲のタマ1発と同じじゃないか。こんなものが3年以上も前からあったのだ。いざというとき、6軸マルチコプターを、おいそれと急速増産するわけにはいかない。平時から、大量生産しておけば、今次戦争のようなことが起きたときに、いちどに500機くらいも援助してやることができる(医薬品でも運んでください、という名目で)。120mm迫撃砲弾にVT信管をとりつけて、誤差50センチの精度で投弾してやったなら、もはや天蓋遮蔽無しの塹壕は意味をなさない。敵がいちばん苦痛とする兵員不足を最大限に加速させてやることができる。いま、ドンバスで必要なのは、こういう兵器だ。

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 AFPの2022-6-4記事「Iraq intercepts microlight carrying million captagon pills」。
   カプタゴンという、覚醒剤相当の作用のクスリがあるのだが、この錠剤を100万錠「空輸」していたマイクロライト機を、金曜日にイラク警察当局が強制着陸させて、パイロットは逃がしたが、積荷は押収した。場所はクウェート国境の近く。機体はイランから飛来した。

 ※記事に添えてあった資料写真がDJIのクォッドコプターなので無人機の話かと勘違いしたが、これは超小型有人飛行機の話なのな。それにしても最近「オートジャイロ」って流行らないのかね?

 カプタゴンはここ数年、ペルシャ湾岸の金満諸国のあいだで需要があるらしく、毎週のように、密輸品が押収されている。

 イラク警察はこの機体に向って発砲した。そのため搭乗していた操縦者は、機体を着陸させるしかなくなったという。しかし着地後、そのパイロットは、走って「某隣国」へ逃げ込んでしまった。すなわちクウェートへ。

 この売人は、ちょくせつクスリをクウェートの誰かに届けようとしたのではなく、イラク国内を拠点にしてちびちびとあちこちへ「小売り」するつもりでいたようだ。ようするに「仕入れ」旅行の帰りであったと見られる。

 ※マイクロライト機を折りたたんだ状態で複数機、空輸できるシステムが開発される必要がある。それがあれば、先日のマリウポリ市のような重囲に陥った守備陣地に物料投下して、負傷兵を自力脱出させる手段にすることができる。何も、えんえんと陸地まで飛び戻る必要はない。味方が沈底機雷でうめつくしている安全な沿岸まで地文航法で飛んできて着水してしまえばいいのだ。したがって、シートはそのまま「ゴムボート」または「フローティングカプセル」構造とするべきである。

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 Jack Lau 記者による2022-6-5記事「Chinese aerospace firm files patent for faster, more stable way to launch military drones」。
   中共の Avic Chengdu 航空機工業グループにより、先週登記された最新特許のひとつが明らかになった。
 ドローンを圧搾空気によってカタパルトから打ち出す。この方法は、光も、音も、排気ガスも発生しないので、敵から察知されにくいのだとという。

 陸上であれ、艦上であれ、この新方式を使うと、ドローンの射出がいままで以上に迅速化され、しかも安定的・確実である。だから、射出の場所を考える必要がなくなるという。