市民の半数が自宅に小銃を備えるスイスの銃器犯罪率は低い。弾薬が、射場か兵営にしか無いからだ。また、ハンドガンの私有はできない。

 AARONL 記者による2022-6-3記事「Philippine Coast Guard’s Latest Ship Arrives form Japan」。
  三菱重工の下関工場製の新造巡視船『Mechora Aquino』は5-27に下関を出航していたが、それが比島に到着して引き渡された。
 日本政府からのプレゼントである。

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 Emma Helfrich 記者による2022-6-3記事「Tank-Killing German Tripwire Mines Are In Use With Ukrainian Forces」。
   「DM22」という特殊な路側待敵ロケット弾。長い名前は「Panzerabwehrrichtmine 2」=戦車防衛地雷2、略して「PARM 2」とも称す。

 ドイツは1600発の「DM22」と、それよりも普通に近い対戦車地雷の「DM31」を3000発、ウクライナに供与済みである。

 ※磁気センサーうんぬんというのはこの「DM31」のことなのか? 通過する車体の下で起爆する埋設地雷か?

 さかのぼると1980年代に「L14A1」という路側待敵対戦車弾が開発され、NATO軍が採用している。道路にセンサーとして長さ40mの光ファイバー・ケーブルを横断させておき、それを敵戦車が踏めば電気信号が送られ起爆。自己鍛造弾を水平に発射した。

 1990年代前半、これをもっと強化したのが「DM12」(別名PARM 1)であった。ドイツ陸軍が採用した。
 「DM22」(PARM 2)がその後継であることは言うまでもない。これも生産は90年代に始まっている。メーカーは、今のMBDA。

 「DM22」の弾頭はHEATである。弾頭は100m水平に飛んでいく。待敵期間は30日で、それを過ぎるとタイマーにより自動的に安全化される。

 「DM22」のセンサーは、光ファイバー有線をやめて、赤外線センサーになっている。それにより、設置場所を道路からもっと離しておくことができるようになった。

 ずしりと重い兵器だが、三脚の上に固定し、埋める作業は無用なので、すばやく道路をブロックでき、至便である。

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 SOFREP の2022-6-5記事「Poland Will Send 18 KRAB Howitzers to Ukraine Which Pledges to Buy 60 More」。
   ウクライナはポーランドから18両の「KRAB」155mm自走砲を貰ったが、その性能に満足したので、それとは別に60両を購入するという。単価は70万ドル強。

 ポーランド軍はすでに100名以上のウクライナ兵を、この自走砲の操作訓練のために接受している。

 KRABは、韓国のK9のシャシ、英国のAS-90Mのターレット、ポーランド製の砲撃管制電子システム「トパーズ」を組み合わせてある。
 砲身は、最新のモデルは、ラインメタル製である。

 自車内に弾薬40発収納。自動装填。レンジは40km。

  ※例によってパワーパックへの言及無し。

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 Kamil Galeev 記者による2022-6-5記事「The Magic Worlds of Dmitry Galkovsky」。
   西洋人はロシア人を「スピリチュアル」と思いたがるが、やめろ。ロシア人にそんな殊勝なところはないのだ。

 ロシアの大衆にはオカルトは信用されない。ロシアの大衆には「似非科学」的な「ものいい」だけが説得力を持つ。たとえば牽強付会の「グラフ」を示されると、いかなるトンデモ史観でも信用され得る。

 〔ロシア語圏のネット大衆に絶大な影響力をもつというカルト右翼教祖のガルコフスキーの提示史論がたくさん例示されているが、頭がくらくらするので以下1つを除き割愛。しかしロシアではこれしきは序の口なのだという。〕

 ガルコフスキーの世界観「クリプトコロニー」(本人の造語)では、レーニン、スタ、ブレジネフ、プーチンは英国のパペットである。トロツキーはドイツのパペットであった。
 スタは英から多大な援助を受けたがトロツキーは独から援助を受けられずに敗退したという。
 スタは英国の代理人として大粛清をして1938までに独代理人を滅ぼし、英国の国益のためにWWIIでドイツと死闘し、戦後は英国の国益のために米国と対立したという。
 英国は衰退したように見えても、ロシアも中共もじつは英国のクリプトコロニーなのだという。

 ※これでひとつ納得できることがある。露軍の「対ジャベリン・マニュアル」というものができたというのでネットで検索してみたら、実質無内容なのであきれた。ではそんなものがなぜもてはやされるのか? おそらく原文のロシア語の文体が「似非科学のマスターコース修了組」の達筆で書かれているからなのだろう。それで「対部内説明責任」は果たされてしまっているのだ。幕藩時代の諸藩には、それぞれ「御家流」の文体と書体が決まっていた。それをマスターした家老だけがプロの祐筆として中枢藩政に関われた。ロシア軍の部内では、「似非科学体」の報告文章を量産できる者がエリート幕僚として出世ができるようになっているのであろう。「報告」がされていればよく、「解決案」は求められていないのである。官僚機構の予算はそれで正当化されるが、実戦の役には立たぬ兵器・戦術が、こんな言語空間の中で増殖する。

 ロシアのインテリ文化は、「すべてを説明してくれる汎用理論」を欲する。ガルコフスキーの大風呂敷は、まさに直球どまん中の球をそこに放ってくれるから大衆にウケる。

 ※雑報によると、カラシニコフ社の子会社が、衛星信号に依存しない、したがってECMをまったく受けない、ドローン用のナビゲーションシステムを創ったとフカしている。INSより精密なクローズド・ループだという。こういう宣伝も「似非科学プロモーション」の適用なのだろう。ロシア国内ではそれで信用されるのだろう。