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同じ十五榴でもロシアの弾丸はNATOの弾丸よりも充填炸薬が数kgも少なかった。
2016年にまとめられている「EXPLOSIVE WEAPON EFFECTS」というPDFに、信頼できる数値が載っていたので抜粋しよう。
ロシア製の152ミリ砲弾(3OF64)は、全重43.56kgでその中に炸薬(A-α-2)が7.80kg、充填されている。
それに対して米国製の155ミリ砲弾(M795)には、炸薬(TNT)が10.79kg、充填されている。
イタリー製の155ミリ砲弾(L15A1)だと、炸薬(コンプB/TNT)が11.30kg、充填されている。これはNATOでも最強である。
ノルウェー製の155ミリ砲弾(Nammo AS)には、炸薬(TNT/コンポジションB)が9.00kg、充填されている。
そして意外だったのが、115ミリ戦車砲弾の榴弾タイプの炸薬量。3.13kg(A-α-2)入っている。
それに対して125ミリ戦車砲弾の榴弾には、炸薬(A-α-2)が3.40kg入っている。
つまりT-72がアパートをぶっ壊そうとして砲撃するのと、T-62が砲撃するのとでは、ほとんど威力が違わないわけである。T-62は市街地破壊用に招致されているのではないかと疑われる。古い115ミリ砲弾なら、まだまだ、捨てるほどにあるのだ。
十五榴同士の射ち合いでは、露軍側に勝ち目はない。1発の威力が違うのだ。
※雑報によるとウクライナが「Mavic 3」から落としているのは、30ミリの擲弾(VOG-17M)に3Dプリンターで空力安定板をとりつけたものだ。
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Defense Express の2022-6-10記事「Hunting UAVs with “Martlet”: Insight From a Ukrainian Paratrooper」。
もっか展開中の砲兵戦は、観測ドローンに全面的に依拠している。
だから、敵の「オルラン10」を見つけ次第にMANPADで叩き落してやれば、露軍の砲弾は1発もこっちには命中しないことになるのだ。
※上掲「EXPLOSIVE WEAPON EFFECTS」によると、平均的な十五榴は、射距離15kmでCEP95m、20kmでCEP115m、25kmでCEP140m、レンジ30kmだとCEP275mにもなるそうである。この数値が今も変わってないとするなら、SNSに投稿されている着弾景況は、UAV観測で初弾(試射弾)の諸元を修正したあとの効力射なのだろう。さもなくばあんなに敵AFVの至近に落ちるわけがない。
ウクライナの某空挺兵。「マートレット」というレーザー誘導式のMANPAD(英国製。スターストリークから派生し、スピードは抑えてある)で、すでに露軍の観測ドローンを9機も落とした。
彼いわく。とにかく敵ドローンをみつけるまでが大変。仕事の7割はそれであると。
この空挺兵は、マートレットの操法を、英国内で習得してきた。
露軍はMANPADを恐れて、もはや最前線にはヘリも、固定翼CAS機も飛ばして来ないようになったという。だから、そうした有人機の撃墜スコアは、ここのところ、伸びていないのだ。
YouTube チャンネル云那さん
「働かなくとも食べられる社会」を求めて 第二回 スクリプト/兵頭二十八