衛星写真によると中共の新空母はもうじき進水する。乾ドックに海水が満たされた。

 SOFREP の2022-6-14記事「Check out the Combat Truck Conversions ‘Car4Ukraine’ is Making for Battle」。
   2020年の比較では、露軍は稼動状態の軍用装甲車両を1万9783両保有していたのに対してウクライナ軍のそれは2870両にすぎなかったという。

 「カーフォーユクライン」というボランティア団体。ドイツ、ポーランド、リトアニア、英国、スカンジナビアから中古のピックアップトラックを調達し、それを武装型に改造してウクライナ軍に納品している。

 元手は、クラウドファンディング。

 車体は4×4で、2000cc.以上のエンジンでなくては基本的にダメだ。
 すなわち、トヨタの「ハイラックス」と「ティンドラ」。
 フォードの「レンジャー」。
 日産の「ナヴァラ」。
 ジープの「グラディエーター」
 マツダの「BT-50」または「B2500」。
 いすゞの「D-Max」。
 三菱の「L200」。

 これらは欧州域で市販されているので、スペアパーツの入手に苦労しない。

 車体を手に入れたら、ウクライナ国内のガレージで、鋼鈑を増着して、運転席の四周と底面を、手榴弾レベルの爆発破片からガードする。さすがに小銃弾を止められるほどの厚さにするのは無理だ。

 一枚の写真。シヴォレーの「コロラド」を改造してある。足回りの「ショック」は、ヘヴィーデューティー仕様に交換してある。さもないと増えた重さを支えられない。

 彼らはすでに60台以上、改造作業を成し遂げた。

 ※東條英機は昭和19年に入るまで、国家総力戦では何をしなければならないか、気付けなかった(気付いたときは下野させられる直前。且つ、国内資源枯渇と同時)。それは「飛行機をもっと作れ」(ほかの物は作るな)ということだった。クリミア半島の「策源」と南部の攻防焦点になっている諸都市を結ぶ鉄道線路を切断するのに、「挺進隊」方式では無効である。こんなことを、ウクライナ軍はようやくに学習しつつある。便衣のレジスタンスですら敵の歩哨線を越えて近寄れぬというのに、ピックアップトラックでどうやって潜行するのか? 数キログラムの爆薬を線路上におろしてやれる、業務タイプのマルチコプター型ドローンか、十数キログラムの爆薬を内臓した固定翼の特攻無人機か、どちらかしか手段はないのだ。しかも10機や20機の散発攻撃ではダメ。100機単位で執拗に爆破をし続けないと、鉄道はたちまちに復旧する(朝鮮戦争はそのデータの宝庫)。クラファンで資材を募り、ガレージで改造するべきなのは、そうした「飛行機」なのだ。その「飛行機」を運搬する車両は、生半可な改造車よりも、無改造の乗用車や軽トラ、オートバイ牽引の荷車が、敵の目を惹かず、ステルス性が高い。ゼレンスキーは、敵が有利な大砲に対してこっちも大砲で応戦しようなどという、芸の無い戦争指導を考えていて、勝ち目があると思うのか?

 次。
 ストラテジーペイジの2022-6-15記事。
   PKKは「クルド労働党」の略で、マルクシストを標榜するが、実態は1970年代にソ連が作った工作組織だった。
 ソ連はトルコの政府を転覆させる暴力部隊としてPKKを駆使してきた。

 このPKKの活動家たちに、フィンランドとスウェーデンは、居場所と資金集めの便宜を提供してきた。トルコとしてはそれはまったく許せないのである。

 特にスウェーデンは露骨だった。
 トルコがPKKを弾圧していることを理由として、トルコ向けの兵器輸出を禁止。のみならず、クルドゲリラに大金をめぐんでやろうとしたという。

 だが、米国製のF-16戦闘機をどうしても買いたかったエルドアンは、しぶしぶ、この件について譲歩せざるを得なかった。
 これが、過去の因縁だ。

 トルコは、スウェーデンは許せないが、フィンランドがPKKなど反トルコのテログループとみなすメンバーを入国させないなら、フィンランドのNATO加盟には反対しないと言っている。
 しかしフィンランドは、1国だけなら辞退すると言っている。

 ある国がNATOから抜けようと思ったら、1年前に通告すればいい。それだけ。
 他方、NATOが特定のメンバー国を除名する方法は、無い。したがってトルコの立場は今、ものすごく強い。

 6月9日、エルドアンは、シリア国境に幅30kmのバッファー帯を設けるつもりだと表明。
 目的は、シリア人難民の流入を阻止するためだが、ついでに、そこからYPGも追い出すことになる。

 YPGはシリアから分離しようとしているクルド族の部隊である。しかしトルコは、YPGはPKKの手先だと看做している。米国はそれに同意していない。米国はYPGを公然支援中である。

 同地にはシーア派住民の町が2つある。そこをトルコ軍が攻撃することになるのは困ると、シーア本山のイランが注文をつけているようだ。

 6月3日に判明。5月のトルコのインフレ率は73.5%で、これは24年前の記録を塗り変えた。
 エルドアンにはこれは衝撃。というのはそもそもエルドアンの政党が大躍進したのは、24年前にトルコのインフレが73.2%になったのが背景だったから。トルコ有権者は、エルドアンが物価を下げるというので支持したのである。

 トルコ駐在のウクライナ大使は、文句を言った。クリミアから5隻の貨物船が、盗んだウクライナの穀物をトルコの港まで運んだと。トルコ政府はその積荷の買い手を犯罪捜査するべきであると。

 6月1日、国連はトルコの呼び方を正式に変えた。発音は「トゥルキイヤイ」である。

 5月17日、ギリシャ首相はワシントンを訪れ、ギリシャにもF-35を売ってくれと頼むとともに、トルコに「F-16 ブロック70」×40機を売ったり、既存の機体を近代化改修するのはやめてくれと注文した。エーゲ海の島と領海を巡って、トルコとギリシャは戦闘機を繰り出し合っている。

 5月12日、トルコ軍はシリア北部の50以上の町を砲撃した。クルドが率いるゲリラが拠点にしているので。
 この地域に関しては2019に露軍と米軍が停戦監視するという合意ができていたが、ウクライナ戦争でどちらの兵隊もいなくなってしまい、また、元通りになったのである。

 トルコはシリアの失業者を傭兵にして、クルド部隊を攻撃させている。そのクルド部隊は米国から支援されている。

 ※イスラエルのラファエル社が、ユーロサトリに出展している、第六世代の「スパイクNLOS」の発射車両のデザインがすばらしい。中型トラックの幌付き荷台の側面から、車体軸方向に沿ってではなく、車体軸の90度左方向に対して、複数の長射程対戦車ミサイルがつるべ射ちされるようになっている。発射直前に幌の左側をちょっとめくりあげるだけでいい。天蓋部分の幌はそのままだ。おかげで、上空のドローンからは、これがミサイル発射車両だとは、ミサイル照準中or誘導中であっても、まず気づけない。ここが重要だ。いまや、戦場はドローンだらけなのである。「中多」のような、どこから見てもミサイル発射車両でしかない外見では、厳重な対空擬装をする前に、目をつけられて先制破壊されてしまうだろう。車両の最高のステルス化策は、「外見の特徴」を極限まで殺すことに尽きる。上から見て、何の特徴もあってはならないのである。