なにィ~?!

 ウクライナに戦費を寄付すると砲弾に文字を書いてもらえるという面白ドネーション。

 SNSに昨日出た写真には、1発の砲弾には「おまえはもうしんでいる」とローマ字で書いてあり、もう1発には「NANI ?!」と見える。

 誰だよ、寄付したのは?

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 Liz Sly 記者による2022-6-25記事「Russia will soon exhaust its combat capabilities, Western assessments predict」。
   ロシアの軍事ブロガー、ユーリ・コチェノクはテレグラムに投稿した。戦線が1000kmもある。露軍が目的を達したくば50万人の兵力を用意する必要がある。動員令を政府が発しないとそれは無理。そんな動員令を出したら露本国人はプーチンを支持しない。だからできない。

 ウクライナ政府の見立てだと、ロシアが補充兵をかきあつめようとしてもあと5万人が限度だろうと。よって夏には力が尽き、そこから守勢に回る。

 ※第二次大戦中、合衆国はソ連に対して、トラック×385883台、ジープ51503台、オートバイ35170台、自動車タイヤ3786000個、砲牽引トラクター5071両、戦車1万3000両、鉄道機関車1981、鉄道貨車11158両、化学製品842000トン、石油燃料2670000トン、機械および装具10787650000ポンド、工作機械10910000ポンド、ゴム81000ポンド。飛行機は、P-39、P-47D、P-63キングコブラ(アラスカからシベリアへフェリー)、B-25、A-20、C-47など1万4834機。これとは別にアルミインゴット、軍靴、糧食。また米国とは別に英国からもハリケーンなど6800機と数千両の戦車がソ連に贈られた。これだけあってようやくクルスク戦が可能だったのだ。戦後ソ連はこの歴史をすべて抹消した。自力で勝ったことにした。戦後育ちのプーチン世代はその偽歴史を教え込まれて信じて育った。だから補給のリアリズムが分からない。第一梯団19万人だけで3日にしてウクライナ全土を征服できると妄想した。1968チェコ事件のときは、戦中世代が生きていたから、あの狭い国に50万人をぶつけている。リアリズムが分かっていた。今次ウクライナ事変の前夜、衛星写真が把握した、動員されているトラックの総数があまりに少ないので、西側分析者は半信半疑だった。これで征服戦争とは冗談かと思ったのだ。冗談ではなかった。今次のような冒険の前例を探すとしたら支那事変かもしれない。しかし当時の陸軍エリートは軽々と動員令にもっていった。戦争よりも国家総動員=日本経済のソ連化 の方が狙いだったので。

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 Forecast International の2022-6-23記事「Discretion Assured? Russia’s ICBM Force Protected by a Wide Variety of EW Systems」。
   ロシアのICBMの多くは車両機動式になっているが、これには弱点がある。
 通信だ。
 ロシアの田舎の森の中で有線電話が通じるとは思えないので、核戦争の命令系統とは無線でつなげるしかない。
 それは、衛星とHF(3メガヘルツ~30メガヘルツ)だ。
 どっちにしても発射車両側から電波を出さないわけにいかない。出せば必ず三角標定される。

 ロシアには3個の「ロケット軍」がある。
 1個の「ロケット軍」の隷下に4個の「ロケット師団」がある。

 NATO空軍機の「リンク16」は、UHF帯である。960メガヘルツから、1.215ギガヘルツ。
 露軍のロケット師団はジャミング・ユニットを抱えていて、この「リンク16」を電波妨害することにより、自軍の発射車両を守る。

 またEW装備のひとつである「クラスカ4S」は、8~10ギガヘルツ帯を妨害する。
 Xバンドとは、8.5ギガヘルツから10.68ギガヘルツである。NATO空軍機のFCSがこれを使っている。
 同様、NATOのSATCOMリンクも妨害できると思われる。