Nick Beake, Maria Korenyuk and Reality Check team による2022-6-27記事「Tracking where Russia is taking Ukraine’s stolen grain」。
BBCは、ロシアに農場を占拠されたウクライナ人農場主200人に取材し、露軍がどのように収穫物を盗んでいるのかを調べ上げた。
農家のトラックの何割かには、盗難対策としてGPS発信機がついている。それで収奪した穀物の流れが分かる。
クリミア半島中央部、鉄道分岐点にあるオクティヤブルスケ市が、穀物の枢要な中間貯蔵拠点になっていることが可視化された。そこにはサイロがある。
そこに寄らずにトラックでケルチ海峡を渡ってクラスノダール方向へ向うトラックもある。
港からロシア船へ積み込まれた収奪穀物類は、ケルチ海峡において、こんどは小型のバラ積み船に、小分けされる。そのさい、ロシア本土から積み込んできた穀物と混載するようにする。そしてトルコまたはシリアの港へ向う。
この「混載」がトルコの港湾管理者にエクスキューズを与える。「ロシア産穀物をロシアの港で積み込んだ」という書類がちゃんと揃っているから、荷揚げを拒絶する理由は無い、というわけだ。
黒海へ出る前後で密輸船はAISのスイッチを切る。この密輸船×9隻の船名は米国によって把握され、ウクライナ政府によって公表されている。
商船のAIS情報は、ロイドのデータセンターにぜんぶ集められているので、BBCとしては取材しやすい。
そのAISは黒海に少し乗り出したところから再びスイッチが入れられるのだが、そのさい、貨物船の吃水が増していることが分かる。つまりは、スイッチを切っている間に、瀬取りが行なわれたわけだ。
国連のSOLASという海上安全規定では、海外貿易に従事する商船は、海賊に襲われたとき以外は常時、AISを切ってはならない。ロシア商船とシリア商船はラタキア港内でもAISを切っており、明白に国連条約に違反している。
ロシアはなかなか巧妙で、穀物をタダ取りすれば、来年から農民たちは作付けしなくなると分かっている。だから、ギリギリ最低価格での売り渡しを迫る。そのさい「合法的に売り渡しました」という文書に署名させる。百姓は、生かさず殺さず、油を絞りきるようにする方法を熟知しているといえる。
もちろんこうした占領者の行為は、ジュネーヴ国際条約違反であり、国際刑事法廷ICCの訴追対象である。
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Filthy Lucre 記者による2022-6-27記事「Congress Takes Aim at Think Tanks and Their Corrupt Money」。
米国に、外国の手先となるロビー活動をもっと厳しく規制する新法ができる。
現役の政治家や議員だけではなく、元大統領、元副大統領、元将校、元高官。これらは退職後も、外国のためのロビー活動をしてはならない。
だが最大の眼目は、シンクタンクとNPO法人に対しても、外国政府や外国の政治組織からの寄付金をすべて公表させる義務を負わせるようにしたこと。
じつは米国のシンクタンクはこの点に関してまったく腐敗している場合が多かったのだ。
ここ数年、独裁政府からの寄付金をたんまり貰っていたシンクタンクとしては、ブルッキングズ研究所、アスペン研究所、ベイカー研究所。
大学や文化センター、クリントン財団のような非営利団体にも、外国専制政体の資金が渡っている。
ブルッキングズ研究所のジョン・アレン(元大将で、在アフガニスタンのNATO軍を指揮していた)は、カタール政府から大金を受け取っていたとしてFBIの捜査対象になっている。
カタールは、米国がカタールをあれこれ批判しないように、カネで誘導していた。
アレンは自分が関与する民間会社のカタールとのビジネスの取次ぎもした。
共和党全国委員会の財務理事だったスティーヴ・ウインは、じつは中共の秘密代理人として暗躍していたことも最近、バレた。
トランプのアドバイザーのひとりだったトム・バラックは、UAEの秘密代理人をしていたとして訴追されている。
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Flat White 記者による2022-6-27記事「Penny Wong gives Taliban $1 million in aid」。
オーストラリアの外務大臣、ペニー・ウォング。アフガニスタンのタリバン政権に100万ドル、くれてやるのだという。
タリバン政権は、「ホモは石打ちか、壁を倒して圧死させる刑に処す」と言っている。ウォング女史はLGBTである。労働党政権は頭がおかしいのではないか。
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Steve Hendrix and Serhii Korolchuk 記者による2022-6-26記事「A bloody retreat as Ukraine unit hit by Russian cluster bombs」。
従軍記者による、セヴェロドネツク撤退記。APCで移動した。
前線では敵の砲撃を受けなかった。
ところがトラック車列を組んで撤退している途中で、クラスター弾頭の地対地ロケット弾に見舞われた。
油断して車外に跨乗していたウクライナ兵たちは破片を浴びた。
たちまち手足から出血。
狙われているので治療の暇がない。車列は走り続ける。
8人が負傷した。2人は重傷であった。頭部に破片を受けた1名は意識を失っている。
野戦繃帯所。抗生物質の錠剤を飲ませた負傷兵には、その瓶を、テープで胴体に貼り付けておく。さすれば軍医は、患者がすでにどんな手当てを受けたのか、知ることができる。
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Sean Carberry 記者による2022-6-27記事「Energetics: Community Warns of China’s Edge Developing Explosive Materials」。
CL-20という高性能爆薬がある。HMXよりも4割も猛性だという。
しかし米国内にこの量産工場がない。これでは中共軍の新兵器に劣後してしまう。
中共軍はすでにミサイル弾頭にCL-20を適用する研究を進めているのだ。米軍の先を行こうとしている。
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Defense Express の2022-6-27記事「Russians Try to Find Substitutes For Aircraft Components ? Ukrainian Intel」。
ウクライナ国防省情報部いわく。ロシアの軍需工業界は、その固定翼有人機に必要な数百種類の部品を西側から得られなくなり、困っていると。
特に、アントノフ、イリューシン、ツポレフの3社が。
たとえばロシアの国防大臣が移動に使っている「イリューシン96-400VVI」ビジネスジェットは、メーカーとしては量産が無理な状況。
自動着陸誘導システム、煙火災探知機、機上気象レーダー、航法装置、果てはコーヒーメーカーに至るまで、西側製部品の代替の目処は立たない。
なおデュアルユースの航空機パーツに関しては、中共製部品も、ロシアは輸入をしている。
具体的には、ツポレフ214。これには日本製の部品も納品されていた。